逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

「デマに惑わされないように」という公共広告機構のデマCM

2011年05月31日 | 社会

『原発推進運動で活躍していたアントニオ猪木』

大震災以来2ヶ月近くもテレビなど映像メディアで流され続けた不思議な公共広告機構(AC)のCMであるが、特にアントニオ猪木が『間違った情報に惑わされないようにしよう』と呼びかけるとは、不見識過ぎるし内容が不適切である。
これには流石に事情を知る全国からツッコミの嵐が沸き起こった。
あるいは実はこれは裏があり、笑っちゃいけない約束事の公共広告機構CMのあいも変わらない『面白みの無い真面目すぎる話題』の連続で、『食傷気味で気分が落ち込んでいる』人向けの『お笑い』か『息抜き』として密かに製作されていた・・・のです。
このCMは癒しが目的で、見るたびに日本中の多くの人々は顔がにやけてきて、ちょっと心が休まる仕掛けなのだ。
この猪木の『間違った情報に惑わされないように』というACのCMは、これこそ猪木流の究極のプロレス技だと思える。
深すぎる何かのブラックジョークなのだろう。多分?
しかし、私の様な高度なユーモアが判らない普通程度の常識的な知識や判断では、いくらなんでも、これでは人選が悪すぎる。
アントニオ猪木の秘書だった佐藤久美子『議員秘書捨身の告白』(講談社)によれば青森県知事選挙応で猪木は最初、原発一時凍結派の候補から150万円で来てほしいと頼まれていて、猪木本人も原発凍結派候補の応援に行くつもりだった。
ところが原発推進派候補のバックにいた電事連から一億円を提示され、あわてて受け取っていた150万円を返して、そちらに乗り換えたという恥知らずな原発推進派の一人。
普通の常識的な判断では、ACのCMの猪木は『お前が言うな!』のツッコミ用であろう。

『原発に変る永久機関で、お笑いエネルギー革命』

しかも御丁寧にもACのCMで『間違った情報に惑わされないようにしよう』と言っている猪木は、過去に『永久機関を発明した!』『超循環社会計画』『バイオ事業』と数限りなく惑わされ続けていて、次々とデマに騙されているが一向に懲りることがない。
本職のプロレス関連でもタイガージェットシンの襲撃事件にホーガンの脳しんとう事件など常にデマを言って人々を惑わしていた。
今でもアントニオ猪木が名誉会長を務めるINP技術研究所が開発した高効率エンジン発電機『闘魂パワー』は(永久機関は諦めた??)発電効率99.12%の超高効率モーターで1回起動すると3~4年動き続けるらしい。
全く懲りていない。
公共広告機構CMのこの『間違った情報に惑わされないようにしよう』を、怪しげな情報(商売)に惑わされ続けたアントニオ猪木の今までの人生と重ねると意味が深く味わいがある。

『大津波で壊滅した東北への応援歌か、それとも品の無いあてつけ(皮肉)か?』

猪木が永久機関の開発にばく大な資金を投入したため、新日本プロレスの経営が悪化したとかバイオ事業で金をかき集めて大失敗したとか。
それでも挫けることなく何度でも不屈の挑戦をするのですから、これは何度も繰り返される岩手県などの巨大津波被害に対する生きた手本であるとも、可也苦しいが解釈出来る。
アントニオ猪木がACのCMに出るなら、『元気ですかーっ!』と放送すれば良いのに 『宣伝』のやり方が根本的に間違っていたのです。
猪木のAC広告『間違った情報に惑わされないように』の説得力はゼロである。
愉快すぎる猪木CMのお笑いジョークは楽しい。
それに続くのが『それ本当に必要ですか?』というACのCMであるが、全く同感である。素晴らしい。
NHKや民放放送の『安全です』と放送し続けた不思議な『原発関連報道』などは、我々一般市民は今一度立ち止まって『それ本当に必要ですか?』と、十分に考えて見たいものです。

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4 コメント

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自民総選挙大勝利で原発大推進 (osakasenri)
2011-05-30 22:10:05
『原発に変る永久機関でエネルギー革命』は無理。やっぱり原発しかないという世論形成でしょう。

次期総選挙では自民の大勝利。安部晋三総理大臣。石破茂官房長官という顔ぶれの内閣になって、原発推進派の大躍進ということが、世論、国民の意思に関わらず、現実になっていくのではないですか。最近、日本人の国民性はそんなものではないかと思うようになってきました。
原子力発電所付近に地対空ミサイル基地整備とか、保守派にはたまらなく美味しいくにになっていくのではないかという気がします。ドイツとはエライ違いになっていくのでは。
54基もつくっておいて、あと19基つくるとかいっている旧野党を与党に復帰させるとしたら、日本国民本当に救いがないなあ、とため息が出ます。
臆面もなく内閣不信任案を突きつける旧与党の核感覚が理解できませんね。
もちろん管内閣もドタバタしていて頼りないけれど、安部石破に期待を寄せる三宅某という評論家や、その評論家を支持する国民の意識が私には怖く感じられます。
国民の中に、原子の火を消すな、なんて運動をしている人たちが居ること自体信じられません。アントニオ猪木なんかを利用した世論操作の恐ろしさを感じます。
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「想定外」は想定内だった。 (カーク)
2011-05-31 05:48:23
「想定外」だったという言い訳は非常に早い段階で専門家の口から出てきました。でも、メルトダウンの発表は、2ヶ月遅れでした。やはり、「想定外」は悪質なデマでしたね。
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右翼の論客の西尾幹二が (宗純)
2011-05-31 16:14:07
osakasenriさん、コメント有難う御座います。

目先が利くので他の右翼連中とは違い、アメリカの負け戦が明確なイラク侵攻でも『アメリカの無法な暴力で有る』とはっきりと批判している右翼の論客の西尾幹二は原発の爆発を見て、
『脱原発こそ国家永続の道』と早速転向しているのですが、読んでみると実にまともなことを言っているのです。
勿論西尾幹二は福島第一原発の事故までは原発安全神話を信じていた推進派の一人です。
今盛んにメディアで原発の危険性を語っている武田教授も原発事故以前は原発御用学者の一人で推進派だったが、今は『勝ち馬』の脱原発の転向組みです。
自民党ですが今の管内閣の不甲斐なさが目に付いて、それでオウンゴールで選挙で勝利しているのですが原発という名の時限爆弾を日本中にばら撒いた戦犯は歴代の自民党政権なのです。
日本人が本の少しでも冷静になれば、今度の原発事故の大被害の原因が、自民党や産経などの言うような、管直人首相個人の引き起こした『人災』ではないことに気が付きます。
福島第一原発事故は、自民や産経など今までの原発推進グループの引き起こした人災であることは誰にでも判ります。
『誰が正しかったか。間違っていたか』は、もう既に結論が出ているのです。
原発安全神話とは、所詮はオウム真理教と同じような、破壊的カルト宗教でしかなかったのですね。
右翼の口癖の『日本国の安全』とか『国土を守る』が念仏であり、事実は正反対。
いまや原発で、大切な国土は汚されて人命が脅かされているのです。
反原発の左翼こそが実はリアリティがあり国土を守る立場であったことが証明されたのですね。
地下鉄サリン事件以後でも、確かに教祖に忠誠を誓った信者たちもいたのは事実ですが、風向かいは完全に変って仕舞って、自民党もドイツの保守政党のように反原発で無いとこれからの政治生命は無いでしょう。
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今日の産経新聞が、 (宗純)
2011-05-31 16:29:59
カークさん、コメント有難う御座います。

独法「想定外」を想定 津波15メートル超で炉心損傷「ほぼ100%」
2011年5月31日(火)
の産経記事で、当ブログの一月近く前の記事、
通産省「原子力安全基盤機構」7mの津波高で電源喪失、炉心損傷
2011年05月02日 | 放射能と情報操作
の、指摘を書いています。
通商産業省の独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」が、
『去年12月の報告書で津波の波高を想定した危険性を検討。
防波堤がない場合は7メートル超で炉心損傷に至る可能性は「ほぼ100%」と分析していた。』
と実に明解。
『実際の津波は約15メートルだったため、国や東電は「想定外」と主張していた。』など産経らしいお馬鹿で無駄な印象操作も有るが、
『日本システム安全研究所の吉岡律夫代表は「国と東電は想定外と主張しているが、報告書を見れば想定外とは言えない。報告に基づき十分な対策を講じていれば、今回の事故は防げた」と指摘している。』
と東電などの想定外を完全に否定しているのですから面白いですね。
原発命の産経でもこれなのですから矢張り、今では風向きは完全に変ったようですよ。

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