『アラファト前議長 遺体の死因調査』
毒殺された可能性が指摘されているパレスチナ暫定自治政府のアラファト前議長の死因を調べるため、前議長の墓を掘り返す作業が27日に行われ、死因がどこまで特定されるのか注目されています。
パレスチナ暫定自治政府のアラファト前議長を巡っては、2004年の死亡当時に身に着けていた衣服などから毒性の強い放射性物質=ポロニウムが検出されたと、ことしになって一部で報道されたことから、前議長の死因の究明を求める声が高まり、パレスチナ当局が再調査の方針を示していました。
これを受けて27日、ヨルダン川西岸のラマラにあるアラファト前議長の墓がパレスチナ当局を中心とする調査団によって掘り返され、土葬されていた前議長の遺体の一部の採取が行われました。
採取された遺体の一部は、このあと衣服からポロニウムを検出したスイスの研究所などの専門家が調査する予定で、結果判明には数か月はかかるとみられていますが、パレスチナでは今もイスラエルによる暗殺説が根強いアラファト前議長の死因がどこまで究明されるのか注目されています。
(2012年11月27日NHK)
『5年前のリトビネンコ暗殺事件』
2007年末にイギリスが突然、亡命中の元KGBのリトビネンコ中佐が(今まで前例が一つも無い)聞き慣れないポロニウム210で暗殺されたと発表。
コーヒーショップで『会食直後に体調を崩した』ことを根拠にして元同僚のルボコイ(ロシアの野党国会議員)を毒殺の犯人と断定しロシア政府に身柄の引渡しを要求。
容疑者引渡しを拒んだロシアに対してイギリスは外交官4人を制裁として追放、これに対して、ロシア側も報復として英国外交官を追放する国際的な大騒ぎに発展した。
放射能は危険でも枝野幸男が福島第一原発からの放射性物質の大量漏洩で、繰り返し繰り返し耳にタコが出来るほど強調していたように『直ちに健康に影響はない』。
食べても短期間、一二回程度なら安全なのです。
放射性物質による『毒殺』は非効率で即効性に欠けるので、今まで実行した例が誰も無かったのでしょう。
『不思議すぎるマスコミのポロニウム報道』
ポロ二ウム210は、電離作用が大きいヘリウムの原子核であるアルファ線を出すが、空中で最大3センチ以内しか飛ばず、紙一枚でも放射線を遮断でき『持ち運び』が容易なので、服のポケットに忍ばすことも可能。しかし放射能測定器の内部の窓まで届かないので、通常のガイガーカウンターでの検出は不可能。
口から食べたのなら3ヶ月程度、血液注射でも2~3週間後にしか放射能の影響が出ない。
イギリスが主張したリトビネンコが倒れた時に会食していた元同僚のルボコイの容疑は、時間的にまったくの濡れ衣だった。
5年前の日本のマスコミは異口同音に、『ポロニウム210はロシアしか無い放射性物質である』、『だから暗殺犯はロシアだ』と大宣伝していたが真っ赤な嘘。
科学的な客観的事実と、マスコミの主張は違いすぎるのである。
ウラン235が放射線を出しながら崩壊して最後には鉛になるが、崩壊途中の中間物質がポロニウムで、通常の喫煙でもポロニウム210に被爆するぐらいに有り触れた存在で何ら特殊な物質ではない。
ポロニウム210の入手では英米やイスラエルなど、国内で原子力機関を所有する国は、暗殺の嫌疑を一方的にかけられたロシアと同等の『資格』があったのである。
日本や欧米のマスコミでは『ロシアの暗殺説』が『真実である』かのごとく報道していたが、基本的に何かのプロパガンダ(政治的な宣伝・広報、印象操作)だった。
『ポロニウム報道がイラン危機(核疑惑)と関連している可能性』
5年前のイギリス発の不思議なリトビネンコ暗殺事件や今年7月に明らかになったアラファト暗殺疑惑で、突然注目を浴びるようになったポロニウム210。
パレスチナの絶対的なカリスマ的政治家でノーベル平和賞受賞者でもあるパレスチナ自治政府のアラファト議長の死因が、8年後の今頃になって明らかになる真意とは何か。
今のパレスチナ内の政治情勢に占めるアラファトの実質的な影響力は皆無で『歴史上の偉人』程度の話でしかなくなっている。
しかも今の中東の最大感心事といえばパレスチナ問題ではなくて、イラン問題(核疑惑)である。
濃縮ウラン235を使用したヒロシマのリトルボーイを唯一の例外として、世界中で今までに作られた核兵器は全てがプルトニウム型なのです。
ウラン型は核兵器の爆発で得られるエネルギー以上に、ウラン濃縮に膨大なエネルギーを必要としていて、一番最初の核兵器使用国アメリカを例外として他のそれ以外の核保有国は誰も行わない。
それなら、イランが行っているウラン濃縮を『核兵器製造である』と一方的に断定する欧米の報道は基本的に不公平であり何か別の目的がある。
アメリカの軍産複合体のでっち上げの形跡があるイランの『核疑惑』に対してイスラエル軍による奇襲攻撃がイスラエル高官の口から選択肢として、平気で語られているのである。
8月12日のイスラエルの有力紙ハーレツの報道によるとネタニヤフ首相とバラク国防相がイスラエル単独でのイラン攻撃を主張したが軍トップのアシュケナジ参謀総長、諜報機関モサドのダガン長官シンベトのディスキン長官が反対した為に中止されたとされる。
アメリカのオバマ大統領はイラン・アフガンの後始末も出来ない内での、イラクの何倍もある中東一の地域大国であるイランとの戦争を望んでいない。
それなら今回のアラファト暗殺の暴露の狙いは、イスラエルの現リクード政権のイラン奇襲攻撃の軍事冒険を、過去のイスラエル軍や諜報部の悪事を暴くことで信用を落として、それとなく牽制する意味が大きいと思われる。
『選挙戦の真っ最中のイスラエル』
イスラエル軍が突然ハマスの軍事部門トップをミサイルで暗殺して始まった(報復の)ハマスのミサイル攻撃に対する再報復のガザ空爆ですが、何とイスラエル国民の9割以上がネタニエフ政権の軍事行動を支持しているのですから無茶苦茶。
日本が突然北朝鮮を空爆して指導者トップを殺害したらイスラエルとは正反対に9割どころか10割の日本人は反対しますよ。多分石原慎太郎とか安倍晋三、橋下徹なども強硬なのは口先だけであり『実行する』のは話が違う。やっぱり反対するでしょう。
人を殺すとは、自分も殺される危険性が生まれるが嫌韓嫌中のネットウヨにはこの可能性が耐えられないのです。
イスラエルなど本物の軍国主義の怖いところは、日本の『なんちゃって右翼』のように口先だけに留まらず言行一致で実際に行動することでしょう。
絶対に在日を殺さない日本と、躊躇なくアラブ人を殺すイスラエルの差は大きい。
日本は解散から投票まで1ヶ月間ですがイスラエルは3ヶ月で現在は選挙戦の真っ最中なのです。
ガザ空爆を9割以上の市民が支持しているイスラエル政治の現実は恐ろしい。
選挙運動といえば日本では選挙カーの連呼程度だが、イスラエルでは『戦争』以上に効果がある選挙活動は無いのである。
しかも11月16日からはイスラム教でラマダンに次ぐ聖なる月であるムハラム月(殺生が禁じられている)に入り、シーア派の宗教行事アシュラも始まっているのです。
イスラエルのネタニエフ政権としては絶好のタイミングの暗殺や破壊であり、適当な時期を見計らって停戦に応じている。イスラエルとは国家が丸ごとネオナチそのものですね。(ガザに地上進行しなかったことで、逆にネタニエフ政権の支持率が大幅に低下)
『5年前のイギリス(ブレア)の真の目的はロシアではなく、イスラエルだった』
2007年の年末に起きたリトビネンコ暗殺騒動は、イギリスによる無理筋のポロニウム210でロシアを嵌める『悪質な印象操作』であるかに見えた。
しかし真相はもっと複雑で、この暗殺話は深刻であった。
アラファトの死はパレスチナにとっては大きな痛手で、同じノーベル平和賞受賞者で南アのアパルトヘイトに対する黒人解放運動指導者ネルソン・マンデラ元大統領と同じで、パレスチナ民族解放運動の内部対立を克服出来る唯一のカリスマ政治家であった。
たとえ重い病気で実権が無くとも、生存しているだけで今のようにパレスチナがハマスとファタハに分かれて軍事衝突するような深刻な内部分裂する事態には至っていない。
リトビネンコ暗殺事件が起きた2006年当時のイスラエルですが、レバノン侵攻を行ってクラスター爆弾の大量使用など国際的な顰蹙を買っていたが、アメリカの同盟国のイギリスは表立ってイスラエルの蛮行を非難できない。
恐ろしいことにイギリスなど西欧世界では『反ユダヤ主義』と見られることは即政治生命を失う。安倍晋三などの御粗末な時代錯誤の歴史修正主義が平気で語られる日本と世界の常識は大違いなのである。
『反ユダヤ』のレッテル貼りは、自動的に政治家として致命傷になるだけでなく、たとえ研究者でも『アウシュビッツの死亡人数は疑わしい』と語るだけで即逮捕され厳しく罰せられる。
イスラエルは『自衛』を口実にして周辺国を無差別に攻撃するばかりか1981年にはイラク原子炉を爆撃して破壊している。2007年にもシリアの核関連施設の空爆を行った模様である。
それで仕方なく、一見すると『ロシア叩き』と思えるが、アラファト暗殺の隠された内容を知っているものには『イスラエルに対する厳重な警告』になる不思議な印象操作を行った。
だから、(非科学的な子供騙しの)無理筋のポロニウム210でのリトビネンコ暗殺が、欧米メディアで大々的に宣伝されたのであろう。
リトビネンコは反プーチンの寡頭資本家オリガルヒの頭目的なユダヤ系のベレゾフスキーの下で働いていたが、知ってはいけない事柄を運悪く知ってしまったので誰にも分からない方法でイスラエルに消されたのしょう。
『8年前のパレスチナ自治政府議長の暗殺』
中東のアルジャジーラが今年7月3日、パレスチナ自治政府のアラファト議長(国家元首)がポロニウムで毒殺された可能性を報じる。
アラファトは2004年10月にイスラエル軍に完全包囲された軟禁状態のヨルダン川西岸ラマラの議長府で体調を崩し11月11日搬送先のパリ郊外の病院で75歳で死去。
アラファト議長が死ぬ8ヶ月前の、2004年3月22日にはハマスの精神的指導者であるヤシン師がイスラエルのミサイル攻撃で爆死している。
ヤシン殺害をアナン国連事務総長が『不法な暗殺』と非難したが、当時のイスラエルのシャロン首相はイスラエルの安全保障に資するなら『アラファト殺害の選択肢を排除しない。』と公言していたので、当初からイスラエル政府による毒殺説が噂されていた。
スイスの放射線物理学研究所が議長の遺品を分析したところ毒性の強いポロニウム210を検出。
当時のパレスチナ自治政府の議長府はイスラエル軍戦車に直接攻撃され全壊に近い状態で、電気を止められた議長府内で、辛うじて残っていた執務室に立て篭もって籠城していたアラファト議長の周りを欧米人権擁護組織の人々による『人間の盾』が守っているという、最悪の危機的な極限状態だったのである。
この極限状態で体調を崩してアラファトが死ぬ。
直接的な毒殺でなくても、アラファト議長の死に対してイスラエル政府の責任は免れない。
通常の放射能測定装置では検出不能なアルファ線(ポロニウム)でのアラファト暗殺が真実であるなら、イスラエル(極右政党リクードのシャロン首相)による暗殺の可能性が一番高い。
『ユダヤ教(旧約聖書)原理主義』
現在、イスラエルの首相はアラファト死亡時の2004年当時と同じで極右リクード(ネタニヤフ)である。
リクード党首のシャロンは2000年9月に聖地エルサレムの岩のドーム(イスラム教の三大聖地のアル・アクサモスク)にイスラエルの武装警察2000人と共に無理やり押し入る。
ヨハネ黙示録(聖書)の記述によると、神殿の丘の上のユダヤ教の第三神殿の建設(アル・アクサモスクの破壊)はメシア(キリスト)降臨の絶対条件なのです。
そして旧約聖書の記述を唯一の根拠に、欧米の白人のユダヤ教徒(本来のユダヤ人はアラブ人のセム族)によって半世紀前に建国されたのがイスラエルである。
シャロンによるあからさまな『聖地の冒涜』にイスラム教徒の堪忍袋の緒が切れて、怒り狂ったパレスチナ人の抗議行動(第2次インティファーダ)を引き起こす。
イスラエル全体が騒乱状態に陥って当時の労働党バラック政権を崩壊させて、まんまと自分が首相に納まったとんでもない人物(狂信者)が当時の極右政党リクードのシャロンである。
第2次インティファーダ(イスラエルの軍事占領に対するパレスチナ民衆蜂起)では死者数はイスラエル側が1200人に対してパレスチナの犠牲は7倍に上り、合計1万人近い死亡者を出している。
2004年にヤシン師を爆殺。8ヶ月後にはアラファト議長をポロニウム210で毒殺。
2006年には同じポロニウム210でリトビネンコを暗殺。
2007年末にイギリスが不思議な誤報を流してリトビネンコ暗殺が発覚するが、当時は好戦的なアメリカのブッシュ政権下であり、核疑惑を口実にしたイスラエル軍によるイラン奇襲攻撃が差し迫っていたのである。
2012年7月3日中東の衛星テレビ、アルジャジーラがアラファト議長の死因について、致死性の放射性物質ポロニウムで毒殺されたと報じたが5年前のイギリスの意識的誤報(リトビネンコ暗殺)と同じ理由で、矢張りイスラエル軍によるイラン奇襲攻撃の可能性が高まっているからだろう。
『パレスチナ「国家」格上げを採択』
国連総会(193カ国)本会議は29日午後(日本時間30日午前)、パレスチナの国連での資格を「オブザーバー組織」から「オブザーバー国家」に格上げする決議案を採択した。アラブ諸国のほか日本、フランスなど138カ国が賛成した。反対はイスラエルやその同盟国の米国など9カ国、棄権は41カ国だった。
格上げされても実質的権利の拡大は伴わず、象徴的な意味にとどまる。ただ国際社会の圧倒的な支持を見せつけたことで、中東和平問題でイスラエルに大きな圧力になるのは確実。一方、イスラエルや米国が態度を硬化させ、和平交渉の道が厳しくなる可能性もある。
2012/11/30 【共同通信】
『今、そこにある危機』
『パレスチナ「国家」格上げを採択』は、『国連、イスラエルに和平圧力』とのサブタイトルが付いた共同通信の記事なのですが、極右政党リクード(ベンヤミン・ネタニヤフ第32次首相)の現政権が『選挙戦で圧倒的に不利になった』と考えれば、よりイラン奇襲攻撃での軍事冒険(選挙で有利になる)の誘惑に駆られる危険性が高まる。
これからの数週間が、世界の運命を大きく揺るがす中東発の大戦争勃発の山であろう。
(たとえ大戦争に発展しなくとも、ホルムズ海峡が封鎖されればエネルギーを絶たれた日本は否応なく原発50基全ての稼働に追い込まれ、『脱原発』が完全に吹っ飛ぶ事態になる)
今回のパレスチナの国家格上げに日頃は対米追従で『核廃絶決議』にまで反対する日本が賛成に回る。
常任理事国ではフランス中国ロシアも賛成、イギリスが棄権して反対したのは唯一アメリカだけ。
アメリカは240年前にイギリスの少数派清教徒が迫害を逃れて新大陸に『新イスラエル』として建国した、国家としての出自が影響して今でも必ずイスラエルを無条件で支持しているのです。
アメリカですがオバマ大統領に代表されるプラグマティズム的な世界一の合理性を重んじる先進国としての顔と同時に、それとは相反する公的健康保険制度や中絶、銃規制、進化論を否定する草の根宗教右派のティーパーティなどに代表される何世紀も前の政教一致の神聖国家としての出自に由来する禍々しいDNAも根強く残っているのです。
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パレスチナ自治区の国連での「オブザーバー国家」昇格に賛成します。
パレスチナ自治区の事実上の国家認定はこれで可決される可能性が高いみたいです。
この流れも米国ネオコン勢力の弱体化の表れなのでしょうか?
リクードやオバマ政権は国連決議案を批判しているようですが。
アメリカにとっての戦争とは、日本の無駄に大きい箱物造りと同じ構造であり、公共事業なのですよ。
昔はこれで経済全体が潤ったのです。
ところが、古き良き時代は過ぎ去り、今では一部のゼネコンだけが請け負っているので、公共事業をいくらしても経済が良くならない。
アメリカの軍産複合体ですが、日本のゼネコン以上に専門化した特殊な分野であり、幾ら大規模に戦争をしても昔のように社会全体の好景気ではなくて、ごくごく少数だけが潤う。
第二次世界大戦時のアメリカですが、軍国主義だと言われていた日本の倍の1200万人も動員したのですよ。
根こそぎ徴兵したと言われているが実は日本では動員率は8%です。
対してドイツは25%イギリスは20%アメリカは13%。よほど軍国主義?なのです。
日本ですが、徴兵制にはなりません。日本ですが先進国としては例外的な人口大国なので徴兵制なら100万人もの無駄に大きい軍隊が出来てしまうのですね。
アメリカの軍産複合体は今でも大きな力を持っているのは事実ですが、彼らが儲けた分だけ他に皺寄せが来る。
日本のゼネコンなどの無駄な八ッ場ダムなどの公共工事の話とそっくり同じ構造ですね。