逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

「許容できない」安倍晋三首相

2016年09月10日 | 政治
『ミサイルに続く5回目の核実験。なぜか、確実に進歩しているらしい北朝鮮の軍事技術』

9月9日のYahoo!ニュースに『首相「断じて容認できない」』とあるので、とうとう3年以上続けていたアベノミクスが限界に来たことを認めたのか、それとも福島第一原発事故の放射能被害の蔓延で高濃度汚染地域からの住民の強制疎開が始ったのかと、疑問に思って見に行ったら、北朝鮮でマグニチュード5.3クラスの5回目の核実験を行ったことに対する第一報だった。
何故か、『見出し』の中に北朝鮮の文字も核実験の文字も無いのである。(今までの報道なら逆に、『北朝鮮』や『核実験』がメインであり、タイトルから抜くなど論外)
翌10日の新聞紙面は北朝鮮の5回目の核実験一色の感があるが、前日の第一報の摩訶不思議な見出しと同じで、微妙に今までとは違っているのです。(今までと違わないのは志位和夫共産党委員長の『糾弾する』発言ぐらい?)

孫崎 享
‏@magosaki_ukeru
北朝鮮核開発への対応。第2次大戦後北朝鮮は世界で最も核兵器攻撃の恐怖下。対抗措置で核開発考えるは自然。
ではどうするか。
北朝鮮の政権国家を軍事的手段で崩壊を求めない国際的枠組みを作ること(キッシンジャーの『核兵器と外交政策』)

『アメリカ軍の核兵器による先制攻撃』 昔懐かしいアメリカ製西部劇の世界観

世界最大の軍事力を持っているし、もちろん核大国でもあるアメリカの軍事ドクトリンが、和平交渉中に突然真珠湾を奇襲した旧日本軍と同じ先制奇襲攻撃なのですから怖ろしい。
半世紀前の1960年代には日本のお茶の間のテレビで放送されていたアメリカ製西部劇の世界では、0・1秒でも早く撃って相手を殺した方が勝ちで、勝った者が正義だとの摩訶不思議なルールが何の疑いも無く主張していたのですが、実は仮想空間の西部劇だけではなくて現実世界の米軍自体が同じ道徳原理と行動様式を採用していた。
奇襲攻撃用に水爆を搭載して上空で待機しているB52戦略爆撃機などが事故で世界中のあちらこちらで墜落したり、キューバ危機時には誤ってソ連への核攻撃命令が日本の沖縄米軍に出されたりと、アメリカ軍の核兵器の先制使用によって、人類の生存自体が危ぶまれているのです。
余りにも危ないのでアメリカ軍による核兵器による奇襲攻撃をやめることを模索していたオバマ大統領ですが、報道によれば軍産複合体との暗闘に敗れて断念した模様。

『世界最大の脅威は米国にほかならず、朝鮮だけでなく露国や中国も核戦争で脅す「成ならず者」国家 』 2016.09.09 櫻井ジャーナル

東アジアは言うに及ばず、全世界にとって最大の脅威はアメリカである。自国の軍隊を使って侵略することもあるが、NATO軍、アル・カイダ系武装集団、ネオ・ナチなどの手先を利用することも少なくない。各国に築いた手先のネットーワークを使ってクーデターも繰り返してきた。

『アメリカ支配層が最終的に使う脅しの手段は核攻撃』

第2次世界大戦後、アメリカは先制核攻撃を計画している。例えば、JCS(統合参謀本部)は1949年に出した研究報告の中で、ソ連の70都市へ133発の原爆を落とすと想定、54年にSAC(戦略空軍総司令部)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという計画を考えていた。そして1957年初頭には300発の核爆弾でソ連の100都市を破壊するという「ドロップショット作戦」が作成されている。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

『アメリカは1963年にソ連を先制核攻撃する予定だった』

ライマン・レムニッツァーJCS議長やSACの司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりにソ連を先制核攻撃する予定だった。その頃にアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。この攻撃を成功させるためにもキューバを制圧し、ソ連の中距離ミサイルを排除する必要があった。1963年11月、この計画にとって最大の障害だったジョン・F・ケネディ大統領はテキサス州ダラスで暗殺され、暗殺の背後にソ連やキューバがいるとする噂が流されたが、新大統領のリンドン・ジョンソンはFBIからの情報もあり、核攻撃を承認していない。

現在、アメリカの好戦派は挑発をエスカレートさせ、核戦争勃発の可能性は高まっている。戦争ビジネスや巨大金融資本を後ろ盾にし、ネオコン/シオニストやイスラム同胞団とも緊密な関係にあるヒラリー・クリントンが大統領になった場合、かなり危険な状態になるだろう。

『先制核攻撃の放棄をバラク・オバマ大統領は断念』

アシュトン・カーター国防長官やジョン・ケリー国務長官を含む政府高官が先制核攻撃を主張、日本や韓国の首脳も同調し。こうしたアメリカの動きに呼応するかのようにして、9月9日に実施されたのが朝鮮の核実験だ。ちなみに、アシュトン・カーターは好戦派として有名な人物で、2006年にはハーバード大学で朝鮮空爆を主張している。

1963年や83年などに核戦争の可能性は高まったが、そうした時期に比べても、今は非常に危険な状態にある。そうした状況になった最大の原因はソ連の消滅にともない、アメリカ支配層が自分たちを「唯一の超大国の支配者」だと思い込んだことにありそうだ。

『国防総省の先制攻撃理論 1992年ウォルフォウィッツ・ドクトリン』

旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配すとしていた。この草案は国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に作成されたことから、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれ、今でもその方針に従ってアメリカ政府は動いている。
このドクトリン後、1995年に発表されたのが「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」。1997年には「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」が作成された。

2003年3月にアメリカ軍はイギリス軍などを引き連れてイラクを先制攻撃するが、その頃に空母カール・ビンソンを含む艦隊が朝鮮半島の近くに派遣され、また、6機のF117が韓国に移動、グアムには24機のB1爆撃機とB52爆撃機が待機するという緊迫した状況になった。

2010年3月、米韓が合同軍事演習「フォール・イーグル」を実施している最中に韓国の哨戒艦「天安」が沈没する。
この沈没に関して5月頃から韓国政府は朝鮮軍の攻撃で沈没したと主張し始めるが、CIAの元高官でジョージ・H・W・ブッシュと親しく、駐韓大使も務めたドナルド・グレッグまで韓国政府の朝鮮犯行説を疑っている。

アメリカの情報機関とも緊密な関係にある統一協会(勝共連合)から多額の資金が北朝鮮へ流れ込んでいるので、アメリカと北朝鮮が敵対関係にあると単純には言えないのだが、2000年頃からアメリカが朝鮮で戦争を始めようと考えていることは確かだろう。そうなれば、戦果は中国や日本を含む東アジア全域に広がる。見方を変えると、朝鮮はアメリカにとって重要な「火種」だということだ。
2016.09.09 櫻井ジャーナル(抜粋、要約)

『米退役軍人、トランプ氏を支持』2016年09月08日 Sputnik

約90人の退役将軍や退役提督が米大統領選共和党候補ドナルド・トランプ氏を支援する公開書簡を書いた。書簡はニューヨークタイムズで公開された。
88人の軍高官による書簡では、彼らは軍事指導部の活動に疲れており、国防保証へのアプローチを変える必要を見ていており、アプローチの変換は現政権に関係を持たない人物のもとでしか起きる可能性はないと述べられている。 退役軍人らはトランプ氏と「国境の安全確保、米軍回復、イスラムショービニズム(排外的愛国心)からの敵への勝利、国内法と秩序の回復に関するコミットメント」支持を表明した。

『アメリカ政府の核の先制使用ドクトリンに疲れ果てる軍人たち』何かを変えてくれそうなトランプ候補に期待

今までのアメリカ軍の核兵器による先制攻撃論ですが、これに一番困っているのは実際に核弾頭を扱っている軍人たちなのです。先制攻撃を主張するクリントンではなくて実業家でリアリストのトランプの方を提督クラスの軍高官が支持する理由は簡単で、ニューヨークタイムズの公開書簡にあるように、人類滅亡に直結する核爆弾の管理に『疲れて』おり、『国防保証へのアプローチを変える必要』(アメリカ軍の先制核攻撃の停止)を考えているのです。
これ等のアメリカ軍の元高官だけではなくて、現役のアメリカ軍人と退役軍人の両方での世論調査では大統領として、今までと同じ路線(現状維持)のクリントン候補よりも、(日本で維新の橋下徹が支持されているのと同じで)『何かを変えてくれそうな』トランプ候補がダブルスコアの大差で勝っているのです。


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