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大阪消防設備協同組合事務局のブログ

ご存じでしたか?(40) / 千日デパートビル火災

2008-05-13 15:18:45 | ご存じでしたか?シリーズ

 1972年(昭和47年)の今日、大阪千日前の「千日デパート」で出火、死者118人・重軽傷者78人を出す大惨事となりました。一般に『千日デパートビル火災』と呼ばれています。
 

 閉店直後の22時27分頃、3階婦人服売り場より出火。延焼は5階まででしたが、建材の燃焼による有毒ガスが階上に充満し、避難設備の不備と従業員の不手際も重なって、多くの犠牲者を出してしまいました。出火原因はたばこの不始末。逃げ道であるはずの階段室が煙突の役目を果たし、被害が大きくなったと言われています。更にエレベーターが火災による停電で停止。閉店後も最上階の飲食店にいた客の逃げ場がなくなり、多くはやむなく窓ガラスを割り、15m下の地上目掛けて飛び降りました。しかし無事飛び降りた客はほとんどおらず、飛び降りた24名の内22名が全身挫折や頭蓋骨折などで死亡。これも結果的に被害を拡大させる1つの要因となったと言われています。
 

 また、この事件後、大型ビルの消防用設備設置の不備が指摘されるようになり、建築基準法に対し「既存不適格」といった判断が下され、こういった物件を早急に無くすために建築基準法及び消防法の大改正が行われる契機となりました。【HP「ウィキペディア(Wikipedia): フリー百科事典」より抜粋】

 たばこを消すのはほんの数秒で済むことですが、確認を怠ったため、多くの犠牲者を出してしまいました。もちろん火の始末も大切なことですが、このような事故が起きると、施設管理者側の管理責任が問われます。実際に、このビルの施設管理者には後の裁判で重い判決が下っています。
 

 このような大規模火災が起こるたびに法律が改正され、現在では消防用設備の種類は多岐に渡り、性能も非常に優秀なものが出てきていますが、施設によっては消防用設備の設置がまだまだ不十分なところも多く、消防庁などでも早期に法律に沿った消防用設備の設置、施工・点検を呼び掛けています。

 起きてしまった後で事の重大さに気づくのでは、遅いのです。

事務局 農澤

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