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大阪消防設備協同組合事務局のブログ

ご存じでしたか?(41) / 対岸の火事

2008-05-16 13:17:04 | ご存じでしたか?シリーズ

『対岸の火事』とは、「川の向こう岸の火事はこちらまで燃え移らないから、安心していられる」ということから、「自分に関係がなくて、痛くもかゆくもないこと」というときに用いる諺です。

しかし、実際の火事は、たとえ対岸であっても安心して見ていられないから注意が必要です。

火事で発生する火の粉の大きさは様々で、数mmのものから数cmに及ぶものもあります。飛距離は、普通は50mから200m位ですが、2km以上の遠くまで飛ぶこともあります。ですので、風の方向によっては、どこから飛んできたかわからない火の粉によって、火が燃え移ってしまう・・・などということもありえるのです。

 昭和27(1952)年4月17日、午後2時55分に発生した「鳥取の大火」は、蒸気機関車の火の粉が飛び火したことが原因でした。出火当日の鳥取市はフェーン現象下にあり、南南西の風が13m、湿度は28%という気象条件でしたので、火はまたたく間に燃え広がって5228戸を焼き、死者3人、傷者3963人を出して翌日の午前3時ごろようやく下火になりました。この鳥取の大火のときにも2.5km離れた場所で、40cm四方の亜鉛鉄板と、10cm四方の炭化した木片などが発見されたと記録されています。
 また、火災現場で発生するものとしては、火の粉のほかに旋風があります。これは一般には火事場風といわれているものです。大正12(1923)年の関東大地震のときにも、数多くの旋風によって熱風が発生し、安全な場所に避難していた多くの人命を奪ったものとして広く知られています。
 
もしご近所で火事が起こった場合、「距離が離れているから安心」と家に閉じこもって無関心になるのではなく、消火が確認できるまでは常に注意を払っておく必要があります。

事務局 農澤

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