身体の多少の不具合は、老化のせいだろうと思う事にしているのだが、それにしても、親指の付け根が何やらこっているような気もする。
コリを揉んでほぐしてみたり、右手を握ったり開いたりグーパー運動もしてみた。
そんな折、テレビを見ていたら「スマホ腱鞘炎」が増えている、と言う話を整形外科の医師が話していた。
スマートフォンを使用する際、多くの人は親指でスクロールをする事が多い。それが長時間に及ぶと、筋肉や関節に負担がかかって発症するという。
自分はこのスマホ腱鞘炎なのじゃないだろうか。
その、判断方法が親指を内側に握ってグーの状態にし、小指側に手首を倒してみて、痛みを感じたら、スマホ腱鞘炎の疑いがあるのだという。
やってみたら、ちょっと痛い。腱鞘炎一歩手前といったところだろうか。
確かにスマホをいじりすぎだ。
私の様な暇な老人は、ゲームに、調べ物に、動画にと、ひっきり無しに画面を開いては、親指でタップしたりスクロールしたりして、日がな一日使い過ぎだ。
それを分かって反省しながらも、新聞や本を読んでいたら、やっぱり知らない言葉に出会うと、スマホが必要になる。
利き手の右手を休ませながら、不器用に左手を使って操作してみる。
スマホ首にスマホ腱鞘炎。IT機器に関わらざるを得ない現代人の定番の病になりつつあるみたいだ。
私とは縁遠いと思っていた腱鞘炎。
子供の頃読んだ少女漫画で、ピアノを練習するヒロインが腱鞘炎になってピンチに陥るなんてストーリーが思い起こされた。美しいヒロインの白い華奢な手の痛々しい病と感じていた「腱鞘炎」。
自分の血管が浮き出た無骨な手を眺めながら、これまで抱いていた「腱鞘炎」のイメージが、ガラリと変わった。
それにしても、頂点を目指して激しい練習の末の「腱鞘炎」や、仕事で忙しくキーボードを打った結果の「腱鞘炎」。みな、尊い。暇な婆さんの腱鞘炎と大違い。
少なくとも、スマホのゲーム回数は減らそう。恥ずかしくなってひとり反省した。