退職後ほぼ毎日欠かさず続けていたウォーキングを、再就職の仕事が決まった昨年の秋からすっかりやめてしまった。
当初、自宅から職場までの長い道のりを歩いて通勤していたのだが、冬場になり夫の車で送迎してもらうようになって、ますます歩かなくなった。その流れで、雪が溶けた今もお座なりに車の送迎に頼るようになってしまった。
仕事終わりの疲れた体には、車での送迎が心底ありがたかったのだが、それに反して気持ちは沈みがちになってしまった。
外にほとんど出ないから、“幸せホルモン”セロトニンが不足したのかな。
テレビのワイドショーでは桜開花の話題を連日取り上げている。
日本人はどれだけ桜が好きなんだろう。そう思いながらテレビの中の桜の風景を見ていると、やはり私も日本人だ。あの、淡いさくら色に霞む景色が、鬱を払うように幸福感を引き寄せた。
外へ出よう。セロトニンを得るんだ。
今年は雪解けが早かった。例年はジョギングのスタートは4月からと決めていたが、3月28日は朝から天気が良かった。走ろう。
軽い柔軟運動を済ませて、午前8時半過ぎに家を出た。
走れるかな?不安を感じながら、およそ時速6キロで走る。早歩きのほうが早い速さかも。でも、これでいいのだ。マイペース。
家を出て、久しぶりに豊平川の河川敷まで来ると、嬉しさが込み上げた。雲雀の声。川の流れ。風。こんなにも私は自然を求めていたんだ。野生の生き物みたいに。
ゆっくりゆっくり走って折返し完走。今年も走り切れたことに安心し、健康であることに感謝した。
翌々日、筋肉痛の残った足で、今度はゆっくり河川敷をウォーキング。すると、やけに殺風景だ。川岸をよくよく見ると、いつも生い茂っている木々が、無い。
えっえー!護岸工事?ゴ…ガーン!ショック。なかなか珍しい木もあったのにー。災害対策だろうか。それなら仕方ないけど…。
ミュンヘン大橋の上からだと、こんな感じ。
南側にはまだ手付かずの部分が残っていた。ちょっとホッとしたけど、ここもどうなるのか。
雪は無くなったけどワクワク度が少ない景色の中、何時ものように藻岩橋へ向かって歩いて行った。
最近、札幌では住宅街にエゾシカが頻繁に出没してニュースになっている。昨日だったか、高架から下の道路へ、2頭の鹿が落下するという事故もあった。
昨年鹿の親子を豊平川の河川敷で目撃したので、今年はどうだろうかと痕跡を探してみた。
サイクリングロードの未舗装部分を探すと…あった。鹿の足跡。
大きいのや小さいのがたくさん見つかった。すごく大きな足跡もあったので、角のある立派なオスもここを通ったのでは無いかと妄想してドキドキした。反対に小さな足跡もあったので、子鹿もいたんだろうなぁ。妄想は止まらない。
藻岩橋を過ぎたここら辺は、川の流れがダイナミックだ。飽きることなく見ていられる。
ちょっと汚いけど、手前に見えるのは雪捨て場に残る雪。まだこんなに溶けずに残っている。
桜の開花は札幌ではまだまだ先。4月の下旬頃。
京都、吉野山の三万本の桜が満開のテレビ映像を見ながら、札幌の桜を待ち遠しく思う。