帰宅してからも、気分は落ち込み気味。疲れて少し寝た。
夕食後、夫がお風呂に入っている間、久しぶりにアカペラで歌を歌った。
以前なら、家族の前でも、家事をしながら大きな声で歌っていたけれど、いささか夫と二人きりだと、歌を歌うのは憚られた。それで“鬼の居ぬ間に洗濯”じゃないけれど、昔のヒット曲をあれこれ歌ってみた。
映画タイタニックの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」をわかるとこだけ適当に。八代亜紀の「舟歌」。森山良子の「この広い野原いっぱい」。
「やっぱり年をとったら、演歌がこの年に似合う歌だなー」と思ったり、「フォークも良いわー」と思ったり、歌えば歌うほど、楽しくなって元気になってきた。単純な私。
お風呂から夫が上がってきて、お風呂のボイラーの音が鳴ると、
「スイッチを切ったはずなのに」と夫が言う。
自分で切ったはずのスイッチが入ったままであることに、「こんな事、今まで無かったのに。ショックだ」と言った。
忘れん坊の私とは違い、夫は確かに記憶も良ければいつも忘れないように注意を払う質だ。だから、ささやかなそんな事にも、ショックが大きかった様だ。
「私も同じだよ。そんなのしょうが無いよ、老人なんだから」と、私は言った。
夫に、と言うよりは内心自分に向けて言っていた。たまに忘れるのは仕方が無い。
「忘却の彼方へ」
物忘れして、落ち込んだり、ショックを受けたことも忘れましょう。
ガハハハ…と笑って、吹き飛ばしたいけれど、そこまで豪快にもなれず…。
夫の後にお風呂に入って、湯船に浸かりながらまた歌った。
声はかすれるし、出ないけれど、久保田早紀の「異邦人」、マービン・ゲイの「what's going on」を歌う。歌詞を忘れたところはハミングで。
歌はいいなぁ。当時のヒット曲を歌えば、気持ちも当時に戻っていく。
子供の頃の通信簿には、「明るい性格」と父も、担任の先生も書いていたけれど、年を取るに従いどうしても暗くなってしまう。
そんな時はまた歌って元気出そう。