見出し画像

ポジティブな私 ポジ人

ブリタニカの行方

本棚に鎮座するブリタニカ国際大百科事典。もう、誰もページを開くこともない、使われることのない不要な物となってしまった。

今から45年ほど前、私の不確かな記憶だが、確か27万5,000円位で購入したものだ。
自分のお金で買うのだからと、親に相談もせずに購入した。
全部で30冊程の百科事典は、確か5箱の段ボール箱で届き、突然の多量の荷物の到着に母はアタフタし、父からは叱られた。「そんな大金、もっと他に使い道があるだろう!」と。

ネットの検索で何でも知ることが出来る現代になって、父の言葉を今更ながら思い出す。

さて、この百科事典どうしたものか。
古本屋にでも売ろうかと思ったけれど、よく利用する古本の買取業者さんの「お取り扱いできないもの」の項目の中に「百科事典」があった。売ることは出来ないのかー。事典の内容は現在では古すぎる。確かに買う人もいないだろう。

心苦しいがゴミとして処分するしかないと思い、どのように処分したら良いか札幌市に問い合わせてみた。すると、
「指定ごみ袋に入れて、燃えるゴミの日に出して下さい」とのことだった。

27万5千円で購入したものが、もはや0円に。
いや、ゴミにして出す場合は、札幌市の指定ごみ袋を購入しなければならない。
百科事典は合計で30冊ほどある。10リットル入りのゴミ袋一枚に4冊入る。とするとごみ袋8袋ほど使用しなければならない。一枚20円のゴミ袋8枚。トータルで160円の負担だ。
ゴミ袋は買ってきてあるものの、いつ処分を実行しようか、なかなか踏ん切りがつかない。なにせ若い頃、大金をはたいて手に入れた百科事典。おまけに大して利用していないから新品同様だ。

処分前に念のため、ネットのフリーマーケットをのぞいてみた。
「ブリタニカ国際大百科事典」と検索してみると、何と5,000円で出品された物に“SOLD”の表示が!それも出品してわずか2日目にして、送料購入者着払いで売れていた。更に、その日の数時間前に出品した人の2,500円の物も売れていた。買う人いるんだ!今でも需要があるのか。

購入された内容の古い百科事典の用途を想像してみた。

リモートワークの昨今、画面に映し出される背景を書斎風に装飾するために本棚に飾る為とか?

或いはアート用だろうか。
書物のページを折り畳んで造形物を作り出す作品をテレビで見たことがある。

または、災害等で書物が駄目になった何処かの図書館で購入したとか。まさかね。

百科事典のあの重さを昔押し花作りで利用したこともある。何かの重しとして使用するのか。

昭和レトロの流行りで、ブリタニカ国際大百科事典も脚光を浴び始めたとか…。

用途の妄想はともかく、「捨てればゴミ、生かせば資源」。ゴミにならずに誰かの役に立つのなら、SDGsにも貢献することができる。ネットのフリマに出品してみようかと心が動いた。

参考までに、百科事典を売った人の掲載内容を確認してみると、「30冊を3箱に分けて送付します」と記載されている。
早速、家にあるダンボールで、売れた場合の荷造りをシミュレーションしてみることにした。
サイズ120のダンボール箱に10冊収めてみた。すんなり収まり、あら、行けそう!
ここまでは良かったのだが、発送する箱のサイズによってフリマでは重量が決まっている。
荷物の重量を確認してみると、サイズ120の重量は15キロ。
事典一冊を体重計に乗せて重さを計ってみたら、2.2キロ。10冊だったら、軽く20キロを超えてしまう。完全なる重量オーバーだ。

万一そのままコンビニへ持ち込んだ場合、コンビニでは計量しないので発送手続きをしたら受け付けてしまう。その後、配達業者の集荷先で重量がオーバーしていることが判明すると、購入者のところへは届かずに、出品者に戻ってくることになるらしい。
だめだなこりゃ。
でも、実際には売った人がいるのだから、何か方法はあるはずだと思うが…。

結局、解決策も見いだせないまま、フリマの出品をあきらめた。
今はまだ置いといても構わないか…。また、いつか考えよう。

こうして、ブリタニカ国際大百科事典は先行き不明のまま、再び本棚に鎮座することになったのだった。




コメント一覧

ポジ人
@duchsparadise ミオ様、今晩は
神田川の世界…あの歌は貧乏でも幸せな二人
ラブラブだったんじゃないですか?ふふ

世間知らずのはたちの娘は、百科事典が欲しくなっちゃったんですよね
今じゃ、邪魔者になっちゃったけど
あれこそ、衝動買いですね
自宅から通っていたからこそ出来たことですね
45年前にあのお金を投資信託に預けていたら、今頃300万円になっていたでしょうかねー
duchsparadise
45年前に30万円近くのお値段なら、今だと300万円(*_*)くらいですよねっ。

ブリタニカの名前は聞いた事がありますけど、45年前だと、「結婚しようか、でも、カネが無いし、家も無い」と夫となる人と嘆きあっていた頃で、買うとか買わないなんて余裕もなかったです。

まさに「神田川」の世界でした~、二度と戻りたくないです(;^_^A
ポジ人
@donmac-life ドンマックさん、こんにちは~。

ブリタニカあるあるな出来事なんですねー。
セールスに押し切られましたか。断れない人の良さがにじみ出ていたんですね、きっと。

同じ思いの同世代の方、全国に沢山いそうですね。
困った困った…。
donmac-life
ある、ある、ありますよ、私にも。
40年以上前の結婚間近の時に職場に来た百科事典のセールスのオジサンに買わないかとしつこく勧誘され、結婚するから金がないと言っても、これから妊娠のこと、子育てのこと、子供の学習に必要なんだとか何とか乗せられて、同じく30巻30万円近くのローンを組まされて買ってしまいました。
その結果、妻には結婚早々のローンを怒られ、引っ越す度にいくつもの重たいダンボールを運ばねばならず、結局、ページを開くことも殆ど無く、甥っこに無理やり押し付けて後はどうなったことやらです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事