その人は韓国の女性。
名前はチェウニさん。
職業は歌手。
彼女の歌をほぼ毎日聞いている。
一曲だけを聞いているのなら、
「ああ、この歌が好きなんだな」
と思うけれど、アルバムの中の複数曲を熱心に聞いているので
「ああ、この人が好きなんだな」
と思う。
時々はネットで韓国語で歌う彼女の歌なども聞いている。
私は知らなかったが、チェウニさんは2000年、第42回日本レコード大賞新人賞を受賞している。それからかれこれ23年経ってからの、夫の中での突然のブレイクである。
チェウニさんの母親は韓国では日本における美空ひばり的な国民的歌手だという。尋ねてもいないのに、夫が教えてくれた。
先日NHKの歌番組で、たまたまチェウニさんが出演した。
画面に登場するなり、夫はテレビの前まで行き、画面を指さしながら
「これ、この人がチェウニ!」
と大興奮。ちなみに私は尋ねてもいない。ピュアな人である。
NHKの番組は後日再放送がある。それもしっかり夫は見ていた。
夫お気に入りの数曲をほぼ毎日聞いているうちに、思わず私も口ずさんでしまう。
今日も甘く切ない声の”愛の歌“が茶の間に流れる。切々と「あなたに会いたくて」と訴える歌声を聞いていると、私は「二人の愛を邪魔する人」であるかのような錯覚におちいる(笑)。
老夫婦二人の変化のない毎日だ。夫は特に趣味もない。そんな中で、チェウニさんの歌声で夫が楽しいなら、それも良いことかも知れない。
夫の“推し活”をこれからも見守って行こうと思う。