そのまま捨ててしまうのは、もったいない。老舗の菓子舗等の紙製の手提げ袋は、もはや見た通りの美術品である。とても捨てられない。
そのようにして何年も経つと、家の中は紙袋や紙箱がたまりにたまって、自分でも「こんなにためて、一体いつ使うというのか…」と自問することも多かった。
しかし、それが役立つ日というのが何年かに一度訪れる。
子供が小学生だった頃、学校でバザーを開催した。その時に、バザー品を買った方に手渡すための袋が必要となったのだ。私は喜々として紙袋を持参したのだった。
またある時は、テレビ局が主催するフリーマーケットに家族で参加した時も、売れた品物を渡すのに役立った。
子供たちが小学校を卒業してからは、また利用する機会がなく、紙袋等がたまりにたまり始めたのだったが、10数年前に再び良い機会があった。
当時所属していた空手の会で、クリスマスの催しをすることになった。
私は家にある不用品で、子供たちにプレゼントをしようと企画した。その時に大活躍したのが、これまでためこんだ例の紙袋や包装紙だったのだ。
空手の会の子供たちが喜びそうな、うちの子供たちが使った不要なおもちゃや、喜ばなそうな台所の新品の不用品など、プレゼント30個近くを包むのに、盛大に包装紙や紙袋を使った。
包装紙の中には、過去のクリスマスの包装紙がたくさんあって、クリスマスムードを大いに盛り上げてくれたのだった。
クリスマス会はプレゼントを開けて喜ぶ子や、台所用品を見て、ガックリきている子など、見ている私も楽しかった。
現在は、菓子箱もネットのフリーマーケットで売れた品物の発送の際、梱包資材として随分と役立っている。
紙袋も持ち手の部分を取り外し、開いて包装紙や封筒に作り直すことで、様々な利用ができる。
ドンドン使っているので、足りなくなりそうな勢いである。
最近はお店での包装も簡素になり、紙袋を頂ける機会もめっきり減った。
使わずにため込んでいる人の家の紙袋が、これからは価値が出るかもしれない。
これまでため込んできた紙袋類、使う機会があって良かった。
よく、お婆さんの家の押し入れから、包装紙と菓子箱が山のように出てくるという話を聞くけど、私はそのお婆さんの一人にならずに済みそう。
SDGsにも、少しは貢献しているかな、なんて思う。
いつかは役立つと、これまでため込んだできた物、使うのは「今でしょ!」と、ひとり古い流行り言葉をつぶやいている。
ため込んだまま、使わないでいる人いませんか?それ、欲しいなあ。