Tの時間

なんでもない日常のできごとや思いのなかで・・

『死都日本』を読んで

2021-05-04 23:00:07 | 本&鑑賞

書くことがない
何も思いつかない
しかたないので過去の備忘録から・・・
『死都日本』を読んで感じたこと ....... 
物語風にまとめた中から抜粋です



「雄大な浅間山を眺めながら彼女はいま火山爆発ということについて考えています」

霧島火山帯にある霊峰 “ 高千穂の峰 ”
その峰の麓で育ったという彼女は
ふるさとの山々についてなんにも知らなかったことを思い知らされたようです
地図にも載っていない
「加久藤カルデラ」「小林カルデラ」「姶良カルデラ」・・・
聞いたことも学校で習った憶えもないそれらの名前
阿蘇のカルデラが世界一大きいと教えられていたのに
それに近い規模の「加久藤カルデラ」「小林カルデラ」の中で子供時代を遊びまわっていたなんて
う~ん どうしても信じられないと後日話してくれた


先日読み終えた石黒燿氏の『死都日本』
緻密なデータや資料に基づくリアルな描写には不安すら覚える
霧島火山帯にあるこれらのカルデラは「じょうご型カルデラ火山」と呼ばれるようだ
これらの火山が噴火すると
破局的噴火となり山体を地下深部からじょうご型に破壊してしまう習性があるとか・・・
つまり元の形をほとんど残さないということ
阿蘇山はこの30万年間に4回も破局的噴火を起こしているとか
またこの10万年間には阿多・鬼界・阿蘇・姶良・鬼界など5回に及ぶらしい

物語は
大浪池に端を発した水蒸気爆発が南九州はおろか
沖縄と北海道をのぞくほとんどの都府県に影響を及ぼし
人民のみならず経済はもちろん行政や都市機能までをも壊滅させてしまう
最後には東海地震・東南海地震にまで見舞われる・・・
まさに『死都日本』となる展開
救いが全くないわけではないが厳しい状況に陥る

読み応えのある1冊だった

2004.1.29 記


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