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Reisinより書道の魅力をお伝えします

―長恨歌― 白居易 その1

2009-06-04 | 書道
こんにちは Reisinです

梅雨が近いのか、なんだかジメジメ湿気が多い今日この頃。
髪の毛が短くなって、くせっ毛が全快です
「ぁれ?パーマですか?」 って、何度も言われちゃったりしてます。

さて。

本日の話題は今月24日から開催されます同人展の出品作品としました
『長恨歌』作者の白居易にまつわる話題です。

今年の1月、私は在籍する日本教育書道藝術院で年に一度開催される
「長恨歌ゼミ」に参加しました。その際にいただいた資料や先生のお話、
その他資料をもとにお話します。


作者である白居易は、名を「居易」、字を「楽天」といいます。
名は本名、字とは雅号のようなもので、ペンネームとでも言いましょうか。
ちなみに。多くの方がご存知の詩人杜甫や李白、杜甫の名は「甫」、字を「子美」
李白の名は「白」、字を「太白」と言います。

白居易(772-846)は、唐(618-907)を四期(初唐~盛唐~中唐~晩唐)に
わけると、中唐の時代を代表をする詩人です。
河南省に生まれ、75歳のとき洛陽で亡くなりました。
生まれた年、772年は、李白の死後10年、杜甫の死後2年、
日本ではあと20年で平安京遷都という時代です。
なんだか歴史の教科書を思い出しますね。
「鳴くよ鶯平安京」の時代です。

白居易はとにかく頭がめちゃめちゃ良かったんです―
ゼミの資料によると、「生後6・7ケ月で「無之」の二字の意味を知った」
「5歳で初めて作詩を学ぶ」‥等驚きエピソード。
半信半疑ではあるものの、実際、
二十代で郷試に及第、その後あっという間に進士に及第しています。
35歳の時には、制挙(天子みずからの試験)の試験を請け、
四位で及第したとなっています。どれだけ勉強したんでしょうね。

私が以前はまっていた浅田次郎さんの『蒼穹の昴』の前半にも
科挙の試験が主人公の運命を変える見所として盛り込まれています。
小説とわかっていながらも、何ページにもわたる試験会場の様子、
描写は読者の私が気分が悪くなりそうなほど。
想像を上回る過酷な状況で試験が行なわれていたことと思います。
知識と努力のみならず、何日にもわたる試験に耐えうる体力、
全てが備わっていなければ及第することは出来なかったのでしょう。

中国の歴史を題材にしたお話ではよく登場する「科挙制度」。
隋(580年)~清(1905年)までの約1300年間続きました。
政治や経済、文化等様々なものが中国から日本に伝わってきましたが、
残念ながら科挙制度が日本に取り入れられることはありませんでした。
身分に関わらず(一部、賎しい職業等は受験出来ず)、
努力次第で将来が保障されるという、実力主義の世界。
中国から広まらなかったのが不思議です。

最近、日本の政治界では世襲議員が云々と取り上げられていますが、
科挙のような実力主義の試験が政治家にもあったなら‥ とも思ってしまいます。
世襲議員であっても、豊富な知識と政治家としての実力・天性が備わっており、
国民のために頑張っている人なら問題ないと思います。私個人の意見としては。


‥と。話が、白居易からどんどんずれてしまいましたが。


とにかく。
そんなに賢い頭脳をもった白居易が詠った『長恨歌』とはどんな内容だったのでしょう。
同人展も近づいて参りました。
ゼミのお陰で、今年も沢山の『長恨歌』作品が出品されているようです。
詩の内容に触れてから会場で作品を目にしていただけると
いつもよりもうちょっと楽しめるかもしれません。


次回は『長恨歌』の詩について触れたいと思います