夢野久作『ドグラ・マグラ』 2014年07月10日 | 文学 「…………ブウウ――――――ンンン―――――――ンンンン……………。」 夢野久作の代表作、そして日本一の奇書でもある『ドグラ・マグラ』の冒頭は、このような奇妙なボンボン時計と思しき音からスタートします。 この音は物語の終盤、小説の循環構造を支える決定的に重要な音と成ってくるのですが、小説を読み終えたところで我々読者はこの音の正体を見失ってしまいます。「はて?この音は果たして本当に . . . Read more