こんばんは。寒くなってきましたね。今週からとうとうコートを着るようになってしまいました。フィルメックスで鑑賞した作品の感想をぽつぽつ書いて行こうと思います。
今回は東京フィルメックスのオープニング作品でもある園子温監督の新作『ひそひそ星』の更新です。開幕式とセットでの上映だったのですが、『ひそひそ星』の上演後はなんと園子温監督本人と主役であり監督の妻である神楽坂恵が登壇、質疑応答で会場を沸かせていました。監督の福島に対する熱い想いが伝わってきましたね。
今回の『ひそひそ星』もまた「記録」という切り口から東日本大震災に向き合った作品です。ベースとなった設定はメジャーになる何年も前に書かれたものだとか。古い構想が現代の問題と結びついて新しい作品になるなんてなんだか弁証法のようで素敵ですね。
<Story>
静かな平和に包まれた未来の宇宙。多くの災害によって大幅に人口が減少し、ロボットが8割人類が2割になった世界。アンドロイドの鈴木洋子は、相棒のコンピューターとともにレトロな宇宙船に乗り込み、様々な星を巡って人間たちに荷物を届ける宇宙宅配便の配達人だ。洋子は30デシベル以上の音を立てると人間が死ぬ恐れがあるという"ひそひそ星"に降り立つ……。
最新技術を用いればすぐに物を送ることができるのに、それをしない人間たちと、そうした人間たちに物を配達するアンドロイドの洋子。洋子が気にかけているのは、何故物質的には大したことがないものに拘るのか、という点です。ハイテクに対する人間のローテクへの拘りとも換言することができるかもしれません。人間たちの執着するモノにまとわりつく目に見えないアウラ的な何か、アンドロイドの洋子にはそれがわからないのです。
洋子は何もない宇宙で気の遠くなるような日常を積み重ね、銀河をまたにかけて人間への配達物を手渡しで渡していきます。何故、人類たちはこんな手間のかかることをするのだろうと疑問に思う洋子は、なかなか贈り物に込められた想い(聖痕的な価値)に気づきません。途中から部屋に置いてあったレコーダーで旅の様子を録音をしたり、配達先の少年からカメラをもらったりと、「記録」にまつわるキーパーツが出始め、アンドロイドの掴めないアウラ的価値が暗示される辺りニクいです。
そして最後に降り立ったひそひそ星は影絵で表現されているのですが、監督曰く影絵は過去の記憶を想起させるような効果があるということですので、やはりここでも記録・記憶に焦点が当てられているわけです。
今回も撮影は被災地で行われ、被災地の人たちが多く出演しています。被災地を舞台にして「記録」というテーマで制作された本作、監督の震災に対する熱い想いが込められているようでした。
今回は先行上映だったので、本格的には来年の中頃に順次公開されていくようです。今までの園監督の作品とは雰囲気が違いますので、是非観てみてください。
今回は東京フィルメックスのオープニング作品でもある園子温監督の新作『ひそひそ星』の更新です。開幕式とセットでの上映だったのですが、『ひそひそ星』の上演後はなんと園子温監督本人と主役であり監督の妻である神楽坂恵が登壇、質疑応答で会場を沸かせていました。監督の福島に対する熱い想いが伝わってきましたね。
今回の『ひそひそ星』もまた「記録」という切り口から東日本大震災に向き合った作品です。ベースとなった設定はメジャーになる何年も前に書かれたものだとか。古い構想が現代の問題と結びついて新しい作品になるなんてなんだか弁証法のようで素敵ですね。
<Story>
静かな平和に包まれた未来の宇宙。多くの災害によって大幅に人口が減少し、ロボットが8割人類が2割になった世界。アンドロイドの鈴木洋子は、相棒のコンピューターとともにレトロな宇宙船に乗り込み、様々な星を巡って人間たちに荷物を届ける宇宙宅配便の配達人だ。洋子は30デシベル以上の音を立てると人間が死ぬ恐れがあるという"ひそひそ星"に降り立つ……。
最新技術を用いればすぐに物を送ることができるのに、それをしない人間たちと、そうした人間たちに物を配達するアンドロイドの洋子。洋子が気にかけているのは、何故物質的には大したことがないものに拘るのか、という点です。ハイテクに対する人間のローテクへの拘りとも換言することができるかもしれません。人間たちの執着するモノにまとわりつく目に見えないアウラ的な何か、アンドロイドの洋子にはそれがわからないのです。
洋子は何もない宇宙で気の遠くなるような日常を積み重ね、銀河をまたにかけて人間への配達物を手渡しで渡していきます。何故、人類たちはこんな手間のかかることをするのだろうと疑問に思う洋子は、なかなか贈り物に込められた想い(聖痕的な価値)に気づきません。途中から部屋に置いてあったレコーダーで旅の様子を録音をしたり、配達先の少年からカメラをもらったりと、「記録」にまつわるキーパーツが出始め、アンドロイドの掴めないアウラ的価値が暗示される辺りニクいです。
そして最後に降り立ったひそひそ星は影絵で表現されているのですが、監督曰く影絵は過去の記憶を想起させるような効果があるということですので、やはりここでも記録・記憶に焦点が当てられているわけです。
今回も撮影は被災地で行われ、被災地の人たちが多く出演しています。被災地を舞台にして「記録」というテーマで制作された本作、監督の震災に対する熱い想いが込められているようでした。
今回は先行上映だったので、本格的には来年の中頃に順次公開されていくようです。今までの園監督の作品とは雰囲気が違いますので、是非観てみてください。
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