こんにちは。
栄カップルが多すぎで普通に心折れそうなただけーまです。
またもや映画の更新であります。
先日の三連休に地中海映画祭に行ってきました。
映画業界に入った友人に誘われたマニアックな映画祭です笑
誘われなかったら知らなかったであろうマイナーな映画祭。
なんと今回で二回目のようです。
なのに今年パルムドールを受賞されたアブデラティフ・ケシシュ監督が訪問されるという……
第一部と第二部、其々2週間で催される映画祭で、
今回は第一部の最終日に訪問しました。
当日のプログラムタイトルは以下の通りです。
ついでに短いレビューも記載しておきます。
①ジャン・ヴィゴ監督
『ニースについて』
ニースというリゾート地における貧困の差をシュールな手法でシニカルに表現した作品だそうです。
が、個人的に最も感じたのは性的なメタファーですね。
富裕層の描写は娼婦のような女性たちを下のアングルから撮影したカット、
貧困層の描写は恐らく工場野様子を写したカットでした。
娼婦は正に器として、そして工場は煙を吐く煙突が明らかな男性器の象徴になっています。
娼婦と煙突のカットが交互に織り込まれていたのも、性的メタファーを明示していますね。
若干の皮肉が漂う無声映画です。無機的なモンタージュにエイゼンシュテインの『オデッセイ』を想起しました。
②ジャック・ロジエ監督
「短編三作品」
『ブルー・ジーンズ』
個人的には中身のない青春映画のような印象。
ポップミュージックが頻繁に流れ、作品に大衆性が感じられました。
『バルドー/ゴダール』
ゴダール監督と彼の『軽蔑』の主役を務めたブリジット・バルドーのドキュメンタリー短編。
完全なるドキュメンタリー映像でフィクショナルな面白さや「記録主義」的な狙いもなかった印象。
『パパラッツィ』
この辺りはとても眠かったが、上作との連作で再びバルドーの話。
撮影中のバルドーとパパラッツィのやり取りを捉えたドキュメンタリー映像。
(パンフレット曰く)現実をロマネスク的な手法で捉え直していたらしく、前作よりも実験的試みのなされた作品。
友人は、前作は映画界でのバルドーを内側から撮ったものであるのに対し、本作は外側から捉えたものであると指摘していた。
なるほどふむふむ、思いつかなかった視点。見事。
③ビクトル・エリセ監督
『マルメロの陽光』
昼食につき鑑賞できず。
アントニオ・ロペスのドキュメンタリーということもあり、前々から観たかっただけに至極残念。
④アニエス・ヴァルダ監督
『コート・ダジュールの方へ』
非常にディストピアを感じる映画です。
「エデン」というキーワードを軸に、仮想ユートピアとしてのコートダジュールを論じていたような印象。
音声フランス語の英語字幕で、語学憎悪派閥の私としましてはなかなか理解が追い付かなかったですが。
人々は理想を追い求める。
エデンという名称が溢れる現実世界。
それは逆に現実がディストピアでしかないことを裏付けるものでもあります。
ユートピアとしてのコートダジュールが現実を否定している。
私はそのように解釈致しましたが、語学苦手なのでとんでもない勘違いをしている可能性大、です笑
⑤ジャック・ドゥミ監督
『天使の入り江』
これは普通に良作の映画でしたね。
オープニングがものすごくインパクトがある。
華やかで疾走感あるピアノのBGMとともにカメラが道路を高速で逆走していく映像。
道路に吸い込まれてしまいそうなほどインパクトのあるオープニングでした。
内容としては、男がギャンブルの旨味を知ったのをきっかけとして、ギャンブルをする女に惹かれていく話。
ほぼずっと女は男よりギャンブルを選ぶのだが、最終的には男を選ぶ。
その【男>ギャンブル】に転換する契機が不明瞭で割と展開は意味不明。
なんて無理やりなハッピーエンド感……
恋に溺れて破滅していく男が哀れで、自分と重ねながら観ていました笑
この作品の特徴はとにかく音楽。
オープニングで用いられたピアノのBGMが要所要所(?)で挿入されます。
BGM Michel Legrand - La baie des anges
要所のBGMは常にこの音楽だったので、テンションがそぐわないことしばしば。
ヴィジュアル的にはものすごく静かなシーンにも関わらず、このテンションで来られたときの違和感と言ったら!
まあ、好きか嫌いかって聞かれたら、この作品は好きですけどね!笑
まあ、感想はこんなもんかな。
非常にマニアックな映画祭でありました。
来年も機会がありましたら是非……。
hona-☆
栄カップルが多すぎで普通に心折れそうなただけーまです。
またもや映画の更新であります。
先日の三連休に地中海映画祭に行ってきました。
映画業界に入った友人に誘われたマニアックな映画祭です笑
誘われなかったら知らなかったであろうマイナーな映画祭。
なんと今回で二回目のようです。
なのに今年パルムドールを受賞されたアブデラティフ・ケシシュ監督が訪問されるという……
第一部と第二部、其々2週間で催される映画祭で、
今回は第一部の最終日に訪問しました。
当日のプログラムタイトルは以下の通りです。
ついでに短いレビューも記載しておきます。
①ジャン・ヴィゴ監督
『ニースについて』
ニースというリゾート地における貧困の差をシュールな手法でシニカルに表現した作品だそうです。
が、個人的に最も感じたのは性的なメタファーですね。
富裕層の描写は娼婦のような女性たちを下のアングルから撮影したカット、
貧困層の描写は恐らく工場野様子を写したカットでした。
娼婦は正に器として、そして工場は煙を吐く煙突が明らかな男性器の象徴になっています。
娼婦と煙突のカットが交互に織り込まれていたのも、性的メタファーを明示していますね。
若干の皮肉が漂う無声映画です。無機的なモンタージュにエイゼンシュテインの『オデッセイ』を想起しました。
②ジャック・ロジエ監督
「短編三作品」
『ブルー・ジーンズ』
個人的には中身のない青春映画のような印象。
ポップミュージックが頻繁に流れ、作品に大衆性が感じられました。
『バルドー/ゴダール』
ゴダール監督と彼の『軽蔑』の主役を務めたブリジット・バルドーのドキュメンタリー短編。
完全なるドキュメンタリー映像でフィクショナルな面白さや「記録主義」的な狙いもなかった印象。
『パパラッツィ』
この辺りはとても眠かったが、上作との連作で再びバルドーの話。
撮影中のバルドーとパパラッツィのやり取りを捉えたドキュメンタリー映像。
(パンフレット曰く)現実をロマネスク的な手法で捉え直していたらしく、前作よりも実験的試みのなされた作品。
友人は、前作は映画界でのバルドーを内側から撮ったものであるのに対し、本作は外側から捉えたものであると指摘していた。
なるほどふむふむ、思いつかなかった視点。見事。
③ビクトル・エリセ監督
『マルメロの陽光』
昼食につき鑑賞できず。
アントニオ・ロペスのドキュメンタリーということもあり、前々から観たかっただけに至極残念。
④アニエス・ヴァルダ監督
『コート・ダジュールの方へ』
非常にディストピアを感じる映画です。
「エデン」というキーワードを軸に、仮想ユートピアとしてのコートダジュールを論じていたような印象。
音声フランス語の英語字幕で、語学憎悪派閥の私としましてはなかなか理解が追い付かなかったですが。
人々は理想を追い求める。
エデンという名称が溢れる現実世界。
それは逆に現実がディストピアでしかないことを裏付けるものでもあります。
ユートピアとしてのコートダジュールが現実を否定している。
私はそのように解釈致しましたが、語学苦手なのでとんでもない勘違いをしている可能性大、です笑
⑤ジャック・ドゥミ監督
『天使の入り江』
これは普通に良作の映画でしたね。
オープニングがものすごくインパクトがある。
華やかで疾走感あるピアノのBGMとともにカメラが道路を高速で逆走していく映像。
道路に吸い込まれてしまいそうなほどインパクトのあるオープニングでした。
内容としては、男がギャンブルの旨味を知ったのをきっかけとして、ギャンブルをする女に惹かれていく話。
ほぼずっと女は男よりギャンブルを選ぶのだが、最終的には男を選ぶ。
その【男>ギャンブル】に転換する契機が不明瞭で割と展開は意味不明。
なんて無理やりなハッピーエンド感……
恋に溺れて破滅していく男が哀れで、自分と重ねながら観ていました笑
この作品の特徴はとにかく音楽。
オープニングで用いられたピアノのBGMが要所要所(?)で挿入されます。
BGM Michel Legrand - La baie des anges
要所のBGMは常にこの音楽だったので、テンションがそぐわないことしばしば。
ヴィジュアル的にはものすごく静かなシーンにも関わらず、このテンションで来られたときの違和感と言ったら!
まあ、好きか嫌いかって聞かれたら、この作品は好きですけどね!笑
まあ、感想はこんなもんかな。
非常にマニアックな映画祭でありました。
来年も機会がありましたら是非……。
hona-☆
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