K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

『Silver Linings Playbook』

2013年10月05日 | 映画
はい、こんばんは。
もう映画はいらんとか言わないでください……
ぼくにはもうこれしかないんです……

というわけで、お次に紹介いたしますのは。
デイビッド・オーエン・ラッセル監督の『世界にひとつにプレイブック』です。
こちらも前回紹介した『天使の分け前』同様、痛快なスカッとする映画。
ヒューマンドラマもかなり良いですし、声を出して笑うほどコメディ要素も豊富。
ジャンルとしては所謂「ラブコメ」の王道でしょうね。

妻に浮気をされ正気を失ってしまった(妄想に囚われるようになった)パットと、
夫に先立たれて自暴自棄になっていたティファニーの笑えて泣けるラブコメです。
精神病にかかり、退院後も妻の影を追い続けるパットを必死に振り向かせようとするティファニーがいじらしかったですね。
そしてティファニーを演じたジェニファー・ローレンスの美しいこと!

ティファニーはパットを振り向かせる為に、競技ダンスのパートナーに誘います。
ダンスの練習中もモーションをかけるティファニーですが、パットは気づかず。
浮気して出ていった妻のことばかり考えるパット。
賭け好きな父親のせいで、競技ダンスに精を出さざるを得なくなり……
最後は思いっきりハッピーエンドで、余韻も哲学もへったくれもありませんが笑
スピード感があってショットのリズムも良く、非常に観ていて楽しい映画です。

最後の競技ダンスのシーンはとても妖艶でクール!
それまで割と笑い声に絶えなかった映画館が、このシーンだけピリッと引き締まった程です。
その他すべてのカットがこのシーンに集約されたかのような濃厚なシーンでした。

そしてパットの家族の愉快なキャラクター達がこの映画の良いスパイスになっていますね。
父は大の野球好きで、常に地元の野球チームの話ばかりしています。
息子の精神も野球を観戦することで落ち着くと信じている程の野球信者で、大の賭け好き。
自らの財産全てを賭けたりなど、破天荒な親父さんです。
母はクリスチャン的な、根からの博愛主義者。
優しすぎるが故にパットやパットの父の狂人ぶりに拍車をかけてしまいます。
家庭内でのやり取りまでも本当に笑えるので、やっぱりキャラクターって大事なんだなあとしみじみ。

少し極端な方がキャラ作りとしては正しいのかもしれないですね。
『シャイニング』のジャック・ニコルソンのように、現実離れしたキャラは本当に観る者を惹きつけます。
或いは天真爛漫な『アメリ』のオドレイ・トトゥのように。


ラストの決め台詞も非常にストレートな愛情表現で好き。
久しぶりにこんなポジティブな映画を観ました。
たまにはハッピーエンドも良いものですね!

hona-☆

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