K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

ピーター・ゼルキン ピアノ・リサイタル《ゴルドベルグ変奏曲》

2017年08月12日 | 音楽
こんにちは。お盆休みの突入で心が安らいでいる
ただけーまです。

先日、アメリカのピアニストであるピーター・ゼルキンのピアノ・リサイタルに行ってまいりました。場所はすみだトリフォニー、錦糸町はよく映画を観にいく街です。



この会場でDan Tepferの生ゴルドベルグ変奏曲を聴いたんでした。いやぁ、あれは鳥肌モノでしたね。まさかピアノの弦を弾く奏法でアリアに回帰させるとは……(そういえば感想書いてないな)

チケットは父親が知人のツテで入手したものでした。事前にピーター・ゼルキンの《ゴルドベルグ変奏曲》の音源は聞いていたのですが、特別な感想はなく、全体的にゆったりした演奏という印象でした。
今回のリサイタルもかなりゆったり……というか早いパッセージが苦手なのでは?と思ってしまうほど細かいミスが気になりました。
楽章によって得手不得手があるなぁという印象でしたが、テンポの遅い楽章は抜群の表現力。特にこの作品の肝である"Aria"は素晴らしかったです。
装飾音を装飾のように聞かせず、敢えて一音一音はっきりと粒立たせているような弾き方。言葉で表現するのは難しいんですか、真珠がポロポロ溢れるような丸みと透明感のある音でした。
後は、和音の作り方というか響かせ方が独特で、楽章の中で曲の一部のように、和音を敢えて強調せずに弾く弾き方はよく耳にするのですが、彼の演奏は和音を非常に重視しているような弾き方でした。
和音を打つ前に敢えて少し力むというか構えることで和音を十全に鳴らし、響きの余韻を長めにとっていたのが印象的でした。
これは賛否両論ありそうな表現ですが、個人的には「新鮮」で良かったかな。あまり数を聞いていない分際で何をほざくか!という感じですが……

まあ、なんであっても無条件で《ゴルドベルグ変奏曲》は好きなので、生演奏で聞けて満足です。
なかなかリサイタルに行く機会は少ないので、チケットをくれて父親に感謝感謝。


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