K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

アントワーン・フークア『サウスポー』

2017年08月13日 | 映画
こんにちは。これから奄美大島に行ってきます。そろそろ国内は行き尽くした感があるので、次の連休は海外に足を伸ばしてみようかな〜。

まぁ、旅行の話はさておき。今回はアントワーン・フークア監督『サウスポー』の感想です。
会社からチケットもらって初めて試写会で鑑賞したんですが、会場が広過ぎて印象的でした。




《Story》
 誰もが認める無敗の世界ライトヘビー級王者、ビリー・‘ザ・グレート’・ホープは、ボクシングの聖地マディソン・スクエア・ガーデンで行われた試合で強烈な右で逆転KOを決め、脚光を浴びていた。彼の武器は怒りをエネルギーにする過激なスタイルだが、妻と娘の心配は絶えない。そして、その怒りが引き金となり、最愛の妻の死を招いてしまう。悲しみに暮れ自暴自棄な生活を送るビリーは、ボクシングにも力が入らず世界チャンピオンの称号を失い、信頼していた仲間、そして娘まで失ってしまう。もはや何もない。明日の生活にさえ困るどん底の境遇の中、ビリーは第一線を退き古いジムを営むティックに救いの手を求める。彼は、無敗を誇った自分を唯一苦しめたボクサーを育てたトレーナーだった。(『映画「サウスポー」公式サイト』より)


児童施設出身でありながら妻のサポートと強烈な右手を武器にチャンピオンとなったボクサー ビリー・ホープの物語。
好戦的な性格が災いし、妻を事故で喪ったことをきっかけに凋落、財産や名誉はもちろんのこと、愛する娘の親権さえ失ってしまいます。
どん底にまで落ちたビリーが、再起をかけて奮闘する「逆転スポーツドラマ」で、所謂スポ根ものと言っても差し支えないかもしれません。



ボクシングと言えば、『ロッキー』シリーズやアカデミー作品の『ミリオンダラー・ベイビー』が自然と思い浮かびますが、それとはまた違った形のボクシングドラマです。

凋落後は左手(サウスポー)にスイッチングするという必殺技を携えて、妻と共にではなく、娘のために闘うというわかりやすい構成でした。男の愛情っていうのは、妻への愛情から娘への愛情にシフトしていくのが世の常なんですかね。
特に胸を打たれたのは、娘のレイラ役を務めたオオナ・ローレンスの演技です。粗暴な父親のせいで母親を失い、児童施設に入れられるという経験を踏まえた少女。父親が子供っぽいからなのか、レイラは児童施設でもどこか大人びていて、父親に対して母性すら感じさせる演技でした。
特に、父親のことを想いながらも、"I hate you"と泣きじゃくりながらビンタする姿には、思わず涙腺が緩んでしまいます。



ジェイク・ギレンホールを『ナイトクローラー』で知ったので、その時とは余りにも別人すぎたのが印象深いです。
実力のある俳優はやはり素晴らしいですね。演技をする上で、その「俳優」を感じさせないのは難しいことながら、非常に重要なことだと思います。


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