K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

エリザベス ペイトン:Still life 静/生

2017年04月15日 | 美術
こんにちは。土曜日なのにスーツを着て電車に揺られています。ただけーまです。

先日、久しぶりに美術展に行ってまいりました。原美術館で開催中の『エリザベス ペイトン:Still life 静/生』。



新鋭の女流画家ということで、全く知らない作家さんでしたが、弟に勧められるがままに訪問。素晴らしい作品群でした。

彼女の作品の多くは、白く見せたいときは敢えて色を塗らなかったり、ある部分はベタ塗りしたりなど、とにかく筆致が大胆でした。それでいて構成は繊細さを極め、大胆な筆遣いながらも安定したバランスを保っています。


エリザベス・ペイトン ≪Georgia O‘Keeffe after Stieglitz 1918≫
「ART iT」より拝借

そして、輪郭線がない作品が多いため、部分的に切り取ると図地が同化してしまいそうでさえあります。
「象る」という機能を線ではなく、面に付与しているのです。その結果、図を描きつつ地を固め、地を描きつつ図を象る、実に平面的な作品になっているわけです。しかし、構成は平面的でありながら、その大胆な筆致で図と地には立体感が伴っているのも素晴らしい。


エリザベス・ペイトン ≪Flaubert in Egypt (After Delacroix)≫
「ART iT」より拝借

色面を中心に描かれた作品は、ぱっと見の印象ではセザンヌ的だな、などと個人的には思ったり。


ポール・セザンヌ ≪La montagne Sainte-Victoire≫


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