1985年2月発行の「アンテナハンドブック」(CQ出版社)にヘンテナが紹介されていますので、ヘンテナはかなりの歴史があります。そして、バリエーションも色々と考えてられているようです。
一般的なヘンテナの形状は縦に長い長方形のループ状アンテナで、0.1~0.2λ長の水平エレメントが上辺と下辺、そして下辺から約0.1λ上に1本と計3本あり、その3本の水平エレメントの両端に0.5λ長の垂直エレメントが接続されています。そして、中央の水平エレメントから給電し、形は縦長の長方形ですが水平偏波のアンテナとなります。
ただ、垂直部分が0.5λ長なので、50MHzでも3mとなります。水平偏波ということは3本の水平エレメントが重要で、垂直エレメントを短縮しても良さそうです。
そこで、以下のような一辺1mの短縮50MHzヘンテナを考えてみました。
水平エレメントの上辺と下辺は両側のエレメントを支持するため、アルミパイプを二重にして強度を上げています。垂直エレメントは線長を稼ぐためプラスチックパイプにホルマル線をコイル状に巻いてあります。ただ、中央の水平エレメントとの接続位置を調整する必要があるため、垂直エレメントの下部(40cm)はコイル状でなく網線で直線状としています。上辺と下辺のエレメントは中央部で支柱にクロス金具で固定してあり、給電部のエレメントだけは中央部を浮かしてバラン(BALUN)に接続します。このバランの部分は以下のようになっています。
給電部はプラスチックパイプに添わせた網線をアクリル板で受け、バランに接続しています。バランはインピーダンス比が4対1で、50Ωの同軸に接続しています。実はアンテナのインピーダンスは50~75Ωと考えていたのですが、実際に測定器(MFJ-259B)で測定してみるとリアクタンス(X)がゼロとなるところでは抵抗分(R)が150~160Ωとなったので、4対1のバランを入れることにしました。その結果、同軸を接続する側では50Ωよりやや低いインピーダンスとなっていますが、MFJ-259Bをバランのごく近くに置いて測定したところSWRが1.5の範囲は50.44~50.98MHzとほぼ500kHz幅となりました。SWRが2.0以下であれば1MHz程のバンド幅となります。
比較のため、ダイポールアンテナ(DP)を作り(注1)、ローカル局の協力を得て飛び具合を調べたところ、残念ながらあまり差がありませんでした(注2)。
<参考資料、検討事項>
1.アンテナ・ハンドブック(CQ出版社)
2.スイスクワッドアンテナとヘンテナの放射特性(電子通信学会、アンテナ・伝搬研究技術報告資料)
3.垂直エレメントの短縮方法
(注1)DPアンテナ:アルミパイプでエレメントを作り中央部を支柱に直結するためガンマ・マッチにしたのですが、エレメント長をほぼλ/2(296cm)としたもののどうしても高めの周波数でしかリアクタンスがゼロとなってくれません。当初理由が分からずショートバーの位置を何度も変えてトリマ(VC)で調整を行ないましたが、やはりうまく行きませんでした。その後、高い方にリアクタンスがゼロのところがあるのだから、エレメント長を長くしてみようと左右5cmずつ長くして306cmとしたところ、やっと50.8MHzでリアクタンスがゼロとなりました。DPは短かめにしてリアクタンス分をゼロとする、という先入観があり、全くの盲点でした。
(注2)水平エレメントが3本あり、3本とも中心部分に電流腹があります。つまり、電波の放射が多いところが3ヵ所もあるのでヘンテナの性能が良いと考えられます。このため、短縮ヘンテナでも3本の水平部による電波の放射の合計がDPよりも多くなると考えた訳ですが、もう少し検討の余地がありそうです。
一般的なヘンテナの形状は縦に長い長方形のループ状アンテナで、0.1~0.2λ長の水平エレメントが上辺と下辺、そして下辺から約0.1λ上に1本と計3本あり、その3本の水平エレメントの両端に0.5λ長の垂直エレメントが接続されています。そして、中央の水平エレメントから給電し、形は縦長の長方形ですが水平偏波のアンテナとなります。
ただ、垂直部分が0.5λ長なので、50MHzでも3mとなります。水平偏波ということは3本の水平エレメントが重要で、垂直エレメントを短縮しても良さそうです。
そこで、以下のような一辺1mの短縮50MHzヘンテナを考えてみました。
水平エレメントの上辺と下辺は両側のエレメントを支持するため、アルミパイプを二重にして強度を上げています。垂直エレメントは線長を稼ぐためプラスチックパイプにホルマル線をコイル状に巻いてあります。ただ、中央の水平エレメントとの接続位置を調整する必要があるため、垂直エレメントの下部(40cm)はコイル状でなく網線で直線状としています。上辺と下辺のエレメントは中央部で支柱にクロス金具で固定してあり、給電部のエレメントだけは中央部を浮かしてバラン(BALUN)に接続します。このバランの部分は以下のようになっています。
給電部はプラスチックパイプに添わせた網線をアクリル板で受け、バランに接続しています。バランはインピーダンス比が4対1で、50Ωの同軸に接続しています。実はアンテナのインピーダンスは50~75Ωと考えていたのですが、実際に測定器(MFJ-259B)で測定してみるとリアクタンス(X)がゼロとなるところでは抵抗分(R)が150~160Ωとなったので、4対1のバランを入れることにしました。その結果、同軸を接続する側では50Ωよりやや低いインピーダンスとなっていますが、MFJ-259Bをバランのごく近くに置いて測定したところSWRが1.5の範囲は50.44~50.98MHzとほぼ500kHz幅となりました。SWRが2.0以下であれば1MHz程のバンド幅となります。
比較のため、ダイポールアンテナ(DP)を作り(注1)、ローカル局の協力を得て飛び具合を調べたところ、残念ながらあまり差がありませんでした(注2)。
<参考資料、検討事項>
1.アンテナ・ハンドブック(CQ出版社)
2.スイスクワッドアンテナとヘンテナの放射特性(電子通信学会、アンテナ・伝搬研究技術報告資料)
3.垂直エレメントの短縮方法
(注1)DPアンテナ:アルミパイプでエレメントを作り中央部を支柱に直結するためガンマ・マッチにしたのですが、エレメント長をほぼλ/2(296cm)としたもののどうしても高めの周波数でしかリアクタンスがゼロとなってくれません。当初理由が分からずショートバーの位置を何度も変えてトリマ(VC)で調整を行ないましたが、やはりうまく行きませんでした。その後、高い方にリアクタンスがゼロのところがあるのだから、エレメント長を長くしてみようと左右5cmずつ長くして306cmとしたところ、やっと50.8MHzでリアクタンスがゼロとなりました。DPは短かめにしてリアクタンス分をゼロとする、という先入観があり、全くの盲点でした。
(注2)水平エレメントが3本あり、3本とも中心部分に電流腹があります。つまり、電波の放射が多いところが3ヵ所もあるのでヘンテナの性能が良いと考えられます。このため、短縮ヘンテナでも3本の水平部による電波の放射の合計がDPよりも多くなると考えた訳ですが、もう少し検討の余地がありそうです。