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トラ技(2014年9月号)特集「フルディジタル無線」を"読む"(その2)

2015-01-06 18:15:17 | Ham(RX,TX,Ant)
§0(イントロダクション) 無線はもうフルディジタルで行ける

P40 <無線技術の今昔 ・・・・ そして未来>

 ここには以下の項目と人の名が図(漫画)入りで掲載されています。
 「のろし」
 「火花送信機とコヒーラ検波」マクスウェル、ヘルツ、マルコーニ
 「3極管~増幅」ド・フォレスト
 「スーパーヘテロダイン」シャノン、アームストロング
 「データ通信~インターネット」フーリエ
 「SDR~I/Q変復調」

 名前等は聞いたことがない人もいるようです。

 また、P40には数式や図がありますが、このブログではどのように書くか悩むところです。
 例えば、説明的に書くと以下の数式が書いてあります。

  自然対数の底(e)の(iθ)乗=cosθ+isinθ

 右辺は一般的な書き方ができますが、左辺の乗数のところの表し方が問題です。
 また、波動方程式として分数表示になっているものもあるので、これをどう表示すかも考えておかなければなら
ないようです。

P42 <今どきは電波直結でフルディジタル処理!>
「電波と言う目に見えない電気信号は(従来は)職人だけが作ることができる巧みなアナログ回路でこれらの
電波をとらえ、音声や映像などを再生していました。この技術は非常に難易度が高く、経験の浅いエンジニアに
はなかなか手が出ませんでした。」と、あります。
 アマチュア的に考えみると、ローパワーであれば7MHzでCWの送信機と受信機を作るのはそれ程難しいこと
ではないと思います。もっともプロ(メーカー)として、製品を作るのであれば、そうかも知れません。

 「フルディジタル無線機はすでにある」と言うことで、PERSEUS製のSDR(Software Defined Radio)が紹介
されていて、A-D変換された信号はUSBインターフェースを通して、ディジタル化した信号をパソコンに取り込
み、パソコンのソフトウェアで信号処理してアナログと同様の音声や映像を復調します。」また、「§1 で
紹介されているAR6000のようなディジタル受信機が出力するI/Q信号は、USBを使ってパソコンに送り込まれま
す。受信機のUSBに対応するドライバは、アイソクロナスで送り込まれる受信機のI/QのデータをDMA(Direct
Memory Access)でリアルタイムにパソコンに取り込みます。このデータをパソコンのソフトウェアで信号処理
して、スペクトル表示や信号の復調を行ないます。」とあります。
 まず、「I/Q信号」と「アイソクロナス」とは何かと言うことになります。
 「I/Q信号」を調べてみると、I:In-phase、Q:Quadrature-phaseと言うことで、信号の位相が90度異なるる信
号のことのようです。また、「アイソクロナス」は、特定の通信に対して必ず一定の転送量を確保する方式で、
USB等で実装されている、とのことです。

P44 <フルディジタルは素晴らしい>
 「TRX-305MBのようなSDRは、ハードウェアだけあっても何の役にも立ちません。その中に、FPGAやDSPにソ
フトウェアを入れることで、初めて無線機として機能します。」とあります。
 さっそく調べてみると、FPGA:Field Programmable Gate Arrayは、現場(Field)で、書き換え可能(programmable
プログラマブル=プログラム可能な)、LSI(論理ゲート(Gate)が格子(Array)状に並んでいるセミカスタム
LSI)という意味で、またDSP:Digital Signal Processorは、デジタル信号を専門に処理するマイクロプロセッ
サーで、積和演算を高速に処理できて画像や音声の処理に向いている、とのことです。

 「SDRの狙いの一つは、同じハードウェアの内部のソフトウェアを書き換えることで、いろんな受信機に
変身させられる点です。」そして「性能はアルゴリズムを作るエンジニアの技量に大きく依存します」、また
「応用は無限に広がり、はんだごてを使ってハードウェアを作り変える必要もほとんどありません」とありま
す。うーん、アナログ人間としては、ハードを作りあげて行くことが面白いと思っているのですが・・・。

P45 <どうして無線機のフルディジタル化が可能になったんでしょうか>
 「半導体の進歩はすばらしいものです。スーパーヘテロダインに頼らなくても、30MHz以下の電波なら、十分
な低ひずみとダイナミック・レンジを確保してアンテナからの信号をストレートにA-D変換できるようになった
のです。」とあり、さらに「ディジタル信号の基本、サンプリング定理は皆さんご存知でしょう。サンプリン
グ・クロックの半分以下の周波数の信号しか取り込めません。0~30MHzといった広範囲の信号を一挙に取り込
むためには、サンプリング周波数は65M~80MHzといったA-Dコンバータが必要です。特に無線100dBといった広
いダイナミック・レンジが必要です。」とあります。

 昔、音声のA-D変換の時に学んだのは数十kHzのサンプリング周波数でしたがそれが1000倍の数十MHzとは、
ICが高速動作するようになったのには驚かされます。なお、アナログ信号をデジタル信号に変換する際、ア
ナログ信号に含まれる最大周波数の2倍以上の周波数で信号を標本化(サンプリング)すると、もとのアナログ
信号の連続波形を再現でき、これがナイキスト・シャノンの定理(標本化定理)と呼ばれています。

P47 <Appendix>
 "TRX-305"の紹介ですが、ここでは省略します。もし、「§8 1GHzダイレクト変調! フルディジタル無線
機実験キットTRX-305誕生」まで進むことができた時に"読む"ことができるのではないかと思います。

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