和田寺だより 

住職のよもやま話し

(有)オンタイムジャパン様からスリッパ2600足を拠出!!

2011年04月14日 | 和田寺だより

昨年末に私の中高時代の同級生から電話がありました。彼は輸入雑貨等の商いをやっており、夏ものスリッパを製作、輸入したのですがその製品がいわゆるアウトレット商品で日本では売り物にならないとのことでした。しかし、もったいないのでお寺の授与品等で利用してもらえないかとのこと。もちろん無償で。「どのぐらいの数かな?」「ざっと3000足かなあ2tトラック1台分はあるかなあ」「・・・・・・・・・全部引き取るのは無理やけど。必要な分だけやったらいいかなあ。住職に相談するわ」ということでスリッパの件は保留になりました。年があけて3月初旬「あれからスリッパはどうなった」(住職)ということで3月9日に友人が段ボール1箱分の見本を持参。「これはいろいろと使えるわ授与品に利用させてもらいましょう」「必要な数だけ少しずつ持ってきます」と両者合意に至りました。その2日後・・・・・・3月11日あの東日本大震災が起こってしまいました
世間は暫く地震、大津波、原発事故一色になってしまいましたいや今でも。悲惨かつ凄惨な報道を毎日見聞きしていくうちに何か共感疲労というか悲しくて暫く鬱状態のような感じになってしまいました。みなさんもそうではありませんでしたか?そう日本国中が鬱状態になってしまったという感じでした。もうスリッパのことはどうでもよくなってました。・・・・・・・・・しばらくして報道で飲料水、食料品、衣料品等々物資のリストの後半部にスリッパがあがっているよと妻から聞きました。「今はもっと必要なものがあるからもうしばらく様子を見て、必要な頃に支援物資として拠出出来ないか」提供者の友人にその思いを伝えると快諾してくれ「なんとか全部、物資として拠出しよう!!」と意見が一致。しかしその友人曰く三田市にいろいろ物資を持参したけど受付物資以外のものは受け取ってもらえなかったと。どうしたものかと思案していたところ宗門の義損金、物資の担当「天台宗務庁、一隅を照らす運動本部内」配属の地元出身の僧侶さん、タイミングよく帰省中でした。すぐさま現物1足を見本として持って帰ってもらいました。数日後「全部送って下さい。大量に送ってもらってかまいません」との返事が。というわけで新品の段ボールも友人に提供してもらい数や色を整理しながら梱包作業をすることになりましたが、3000足のスリッパは本当に半端な量ではありません。これを友人と寺の家族だけで作業するとなると膨大な時間がかかってしまいます。宗、物資の締切りもすぐそこに迫ってました。作業予定日の前日にこれまたタイミングよく当寺の毎月のご詠歌の学習会がありました。スリッパのいきさつから支援物資として送りたいとの思いを檀家さんの詠歌会員さんにお伝えしました。「5分でも10分でもいいのでもし空いてたらお手伝いいただけませんか?」でも急なお願いなので少人数になっても仕方ないなと思ってました。翌朝、詠歌の会員さんが続々とお寺に。急なお願いにも関わらず20人以上の詠歌会員さんに集まっていただきました。何か胸が熱くなりました。ありがとうございました。友人からのスリッパの提供に端を発し、物資送付を思いついてからいろいろな人たちに関わっていただくことが出来、些細な支援かも知れませんがまごころも添えながら送り出すことが出来ました。遠い地で現地に行くのは無理でも義損金の支援以外に何かの役に立ちたいというみなさんの思いがひしひしと伝わってきました大勢の方に集まっていただき、梱包作業も何と午前中に終えることが出来ました。そして宗の受付けにも間に合うことが出来ました。こわいぐらいとんとん拍子に縁が繋がっていくのを肌で感じた数日でした。不思議な数日でした。なにか神仏の導きすら感じます。
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作業真っ最中
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畳生地と竹模様生地の二種がありました。
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梱包の段取りを打ち合わせ中
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色もいろいろありました。デザインは提供者の黒田氏。
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マンパワーのおかげで昼前には作業終了130足×20箱を送付することに。
写真は黒田氏(少し、ちゃらさの残る40うん歳
さらに事前に黒田氏会社の倉庫から寺本堂まで大量のスリッパを車やトラックの提供と共に運搬の手伝いをいただいた今西さん親子、藤原Tちゃん本当にありがとう
当日の梱包作業に合流いただいた観明院の正圓様、後日被災地に送付いただいた天台宗務庁関係の皆様方ありがとうございました。そして、オンタイムジャパン(三田市下田中)の親友(悪友)の黒田良治(よしはる)君、本当にありがとうスリッパ以外に「ついでに送ろうかいな」と洗剤の要らない売り物のメラミンスポンジ数箱の提供も有難うございました。
※後日、宗務庁、先の担当者さんからスリッパは宮城県石巻市の被災者の方々のもとに送られましたとの連絡をいただきました。行き先がわかるとさらにうれしい気持ちになりました。今後も出来る支援を考えて続けて行っていくことが大事だとつくづく感じます。 合掌