デスクワーク、町へ薬の調達、畑仕事、自治会の会合、お隣さんちで夕食―。我ながら何をしてるんだかよく分からない土曜日の締めくくりは、気持ちいい音楽で心身ともに弛緩した。アフリカの民族楽器「コラ」奏者のライブが今夜、福富のお寺であったのだ。
コラは、瓜の実に羊(ヤギだったっけ)の皮を張ったボディに弦が21本並ぶ。「ひょうたんハープ」とも呼ばれるそうだ。奏者の川岸宏吉さんは関東を拠点に、全国をツアーで巡っている。
「アフリカ音楽は激しい打楽器を乱打」。隊員は、そんなきっぱりと乏しいイメージしか持っていなかったが、コラはポロロンポロロンと極めてやわらかい音色だった。川岸さんのオリジナル曲やビートルズのカバー、地元の「歌姫」小学生とのセッションなど、2時間ほどの気持ちいいステージだった。
こんな山あいのお寺で上質の音楽が聴けるとはぜいたくだなぁ。でも、ここまで来てくれるんだからすごいなぁ…。
なんて一人で感心していたら、学生時代にモンゴルで知り合った日本人の馬頭琴奏者がふと頭に浮かんだ。首都ウランバートルのドミトリーで彼が練習していた馬頭琴の音色に惹かれ、「僕も弾きたい」と突如やけくそ気味に直訴。数日一緒に過ごすうち、モンゴル人師匠のレッスンに同伴させてもらえることになり、マイ馬頭琴もゲットさせてもらった。帰国後は、彼がよく弾いていた高田渡の「生活の柄」を必死で練習した。
🎵歩き疲れては夜空と陸との
隙間にもぐり込んで
草に埋もれては寝たのです
所かまわず寝たのです
(「生活の柄」)
隊員の馬頭琴はすっかりインテリアとしての地位を確立しているが、彼は高知を拠点に今も、全国の気分のいいカフェなどで馬頭琴とホーミー(2つの音程を同時に発声するモンゴル伝統歌唱法)のライブを続けている。数年前、広島市内のライブを聴きにいき、十数年ぶりに再会した。モンゴルの宿で出会ったときと変わらず、風のような雰囲気でかっこよかった。福富で彼の演奏を聴きたいな。
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