福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

サイゴンの熱

2021-05-22 21:19:22 | 日記

見知らぬ携帯番号から、スマホに着信が入った。
「あのぉ、きょうれんくんですか?」
 うら若き女性の声だ。ドキッ。ワクワク。
「はいっ」
「あのぉ、私、〇〇です」
「…ん? え? おおっ、〇〇さん!?」
 大学時代に渡ったベトナムの留学仲間からだった。
ほぼ20年ぶりの音信。(ということで、「うら若く」はなかったのだが)

「たかまさん(留学時代のベトナム人からの呼ばれ方)、元気そうだね。私まだ、ホーチミン(HCM)で暮らしてるんだよ」
 当時付き合っていたベトナム人男性と結婚し、子どもも大きくなっているという。
「おめでとう。…ってことはこれ、ベトナムの携帯電話から?」
「そうそう。HCMにはユニクロもあるんだから」
 なんと!
    場末の公衆電話屋で係員に「ニャット・バン(日本)」とコール先を告げ、ボックスにこもってから、しばしば音声の途切れる国際電話をかけていた90年代とは隔世の感がある。

 うら若くもない女性からの突然の電話は、訃報だった。
 当時、留学仲間みんなでお世話になった駐在員の男性が先日、亡くなったのだ。まだ72歳だったという。
 彼女と僕の共通の悪友が「たかまさに知らせたい」と言い、彼女があの手この手で僕の連絡先をみっけてくれたそうだ。

   僕と彼女と悪友の3人は、HCMの下宿先が近かった。年齢も立場も違ったが、どこか気が合い、暇さえあれば一緒に遊んだ。
    まぁ今思えば、全面的、圧倒的に地味でしょーもない「遊び」だったが、僕にとっては間違いなくかけがえのない、ぜいたくな時間だった。

 あの時の仲間が、クソ暑くカオスな町に根を下ろしている。人間の営みがちっぽけに思える圧倒的な南国の自然の中で、傍若無人かつ屈託のないベトナムの人々に囲まれながら、今この瞬間もアホ面ぶらさげて暮らしている。
 そう思えただけで、なんだかうれしくなった。
 生暖かい梅雨空の福富の空気が、HCMでの青春の1年間をプレイバックさせる。
 好きなものは多いほどいい(BY中村一義)。


草刈りマサオ

2021-05-20 01:29:12 | 日記

 暖かくなり、梅雨にも早々に突入した。
 高温と水。そりゃ畑の草もすくすく伸びる。うっとうしい。
 「うーむ、今日やるか」。思い立ち、出勤前に農園の草刈りに繰り出した。
 雨に濡れた畑の草を、ナイロンコードの草刈り機でバリバリと刈る。一瞬にして全身泥まみれになった。

 刈りだすと勢いづく。1時間余り、マシンを振り続けた。こざっぱりとした農園を見渡し、気持ちもさっぱりする。どうせすぐ、草ボーボーになるけど。
 そういえば自分も日曜、下の息子とともに、奥さんに髪を刈ってもらったところだ。こざっぱりの一週間。
 勢いついでに、田植え機で植えてもらった田の端にも、残りの苗を手で植えておいた。

   泥と草をシャワーで洗い流し、仕事へ向かった。お昼どき、早々に腹が減った。


手植え断念

2021-05-18 21:33:21 | 日記

 4月から記者に復帰したかと思いきや、コロナの濃厚接触者となり、ふたたび長いお休みをむさぼっていた。
 その間にアラフォー記者は、アラフィフ記者となった。自宅待機の誕生日もまた、いい思い出。 か!?

 ともあれ、コロナはまだまだ、勢いを増している。
 先週末に計画していたmikkeの「田植え&サツマイモ植え体験会」はあえなく、中止の運びとなった。
 だが、苗たちは待ってくれない。ふむ、どうしよう。
 全部ひとりで植えて、話のネタにするか!
 転んでもただでは起きぬライター魂が燃えてきた。

「腰を壊すで。今年はしゃーない。手植えはあきらめさんさい」
金曜の日中、農家さんからLINEが入った。田植え機で植えてくれるという。
「ですよねー。お願いしますぅ」
あっさりとお言葉に甘えた。ちんけなライター魂。

 翌日の朝。起き抜けにわが田んぼに行ってみると、見事にきっちりと苗が植えてある! ぐぐっと感動。
 去年のぐにゃぐにゃ手植えとは趣は違うが、世話を焼いてくれる農家さんたちに感謝。

 田をしみじみ眺めていると、春からコミュニティー農園mikkeを利用してくれることになった福祉施設の代表者さんが来園。おっさんふたりで、サツマイモ植えに汗を流した。
 みやげにもらったイシダイ2つ(吉田拓郎「落陽」風)は、昨夜のわが家の豪華な晩餐となった。
 コメもイモも、秋の収穫まで「伸びやかに しなやかに(ふたたび拓郎風)」育てよ。
 …育てろよ、か。


記者ときどき農夫

2021-05-04 14:20:46 | 日記
 「記者ときどき農夫」暮らしも6日目(4月6日投稿!)。
 西条の新聞社へ出勤する前の早朝に福富の畑で一仕事するルーティンは、3日坊主では終わらなかった
 今朝は、ニンジンの種まき追加とナス植え付け用のマルチ張り。それに、マルチを押し上げ始めたジャガイモの芽の周りのマルチに、穴をあけてやった。
 「おはよう日本」の高瀬アナが「今朝はコートがほしいぐらい」と言っていたので、こちらも着込んで畑に出ると、すぐに汗ばんできた。
 ウインドブレーカーを脱いで運搬車に置こうとすると、ポケットから携帯がポトリ。牛ふん堆肥の中へ落ちた。やはり、におう。コロナ対策用の除菌シートでふき取った。