福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

薪割り日和

2020-04-30 22:45:27 | 日記

 福富町の有志でつくる「ふくらし応援団」というグループがある。「何もないからつくれる自分らしい暮らし」を合言葉にした、里山生活の魅力アップが目的。もともと町に縁がある人、まったく縁のない人たちが入り混じり、世代や出身地を超えて活動している。

 そのメンバーの一部が今日、町内の宮崎神社にチェーンソーや斧を携えて姿を見せた。
 目的は薪割り。ことし8月に催す計画だったキャンプファイヤーイベントが新型コロナウイルスの影響で延期となったため、使う予定だった丸太をとりあえずぶった切った。宮崎神社の宮司さんも、応援団メンバーの一人なのだ。

 新入団選手として「ふくらし応援団」に加わったばかりのアラフォー隊員も、生まれて初めての薪割りに挑んだ。屋外かつ互いに十分に距離を取りながらの約2時間。夏の気配さえ感じさせる強い日差しの下、みんなとひたすら切り割りして爽快に汗を流した。
 薪販売をして活動資金にするなど、今後の活用策を考えるという。

 参加して驚いたのが、みんなかなり高い確率でチェーンソーを持っていることだった。
 「草刈り機、軽トラの次はチェーンソーですね」とメンバーの一人が言う。
 山里の「三種の神器」のうち、アラフォー隊員が持っているのは草刈り機だけ。うーん、欲しくなる!

買うことで支える

2020-04-18 22:32:21 | 日記

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、福富町の二つの公設施設「道の駅 湖畔の里福富」「福富物産 しゃくなげ館」が本日18日から臨時休業に入った(道の駅は18日の営業時間を繰り上げて閉店)。そこで働く従業員だけでなく、関係する出荷者、製造業者にとって大きな痛手だ。
 町内にあるさまざまな個人経営の店も、厳しい決断を迫られている。ドックランカフェ「オンジーハウス」も、ひとまずこの土日の休業を決めた。

 「私ら、作って、買ってもらわんとお金が入らんのよ」「このままじゃ、うちなんて吹き飛んじゃうよ」。努めて明るく、切実な声。
 こうしたたくさんの施設、店に普段からお世話になっている身として、今できることは何かと考える。うーん。政府に休業補償を求めることか📣。激しく正論だが、動くべきステージがちょっと違う感じ🤔。身近な生活者として何か…。

 …あった💡。意識してお金を使うことだ。「消費行動を変える」というやつか。なじみのお店、親しい業者、顔を知った農家。そちらの商品やサービスを選ぶ機会を、いつもよりちょっと増やしてみることにする。微々たるお金かもしれないが、まずは第一歩🚶‍♂️。

よもぎ香る季節

2020-04-16 17:05:42 | 日記

 ヨモギの若芽がふく季節。
 東広島市福富町にある「福富物産 しゃくなげ館」のもち製造グループ「ふっくら福もち」のメンバーが、草もちなどに使うヨモギを採集した。 「年頃の女性たち」7人による、町内の農家の畑での「一斉捜索」に、アラフォー隊員も同行した。
   女性たちは急なのり面を上り下りしたり、水路に入ったり。約2時間かけて、30キロ入り米袋に4袋半を集めた。
 近くのお食事処の「コロッケ定食」でランチ。新型コロナウイルスの感染予防でみんなバラバラに席に着き、高倉健並に寡黙に箸を進めた。

 午後も摘みに戻ったが、「食べ過ぎて動けん」との声が続出して、1時間足らずで切り上げた。しゃくなげ館に戻り、水洗い、茹での作業へ。加工室は濃厚な薬膳の香りがたちこめ、まるでロシアのサウナのようだ。「コロナがおらんくなるかね」と軽口も弾んでいた。
 冷凍保存用に400グラムずつビニール袋に詰めると、56袋に。順次、もちに混ぜて使っていく。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「今後のもちの売れ行きは不透明」という。
 ただ、今日のヨモギ取りは、生えていた場所や周りの植生のおかげで「ほんまええヨモギ」と、みんな上々の手応えを語った。「年ごろの女性たち」のマシンガントークは、作業が終わってからも尽きることはなかった。


新型コロナ 医療現場に思う

2020-04-09 22:22:07 | 日記
 とある指定感染症医療機関の関係者に、新型コロナウイルスをめぐる現状を聞く機会があった。
 話は多岐に及んだ。細かいことは書けないのだが、乱暴に挙げると

〇広島県内の指定医療機関の一部でも病床は「手いっぱい」。一般病床での受け入れ体制をすでに整えている

〇マスク、防護服などの医療資材は今すぐに「ない」わけではないが、長期化が明らかな状況で底をつくのは目に見えている

〇人工呼吸器などの装置は十分にあっても、それをフル稼働させられる医療者の確保が難しい

〇今後、一般診療への一定のしわ寄せは生じる(すでに、緊急性のない手術の延期などが始まっている)

〇行政はもっとスピード感を挙げて対応するべき(医療機関の役割分担、医療資材の供給、国民・県民への呼び掛けなど)

〇指定医療機関だけで対応できないことは明白。他の医療機関に対する一定の強制力を伴う方針が要るのでは

〇「平時」を前提にしている今の感染症医療態勢の見直しも考えなければ。地域医療構想の方針の下で進む病床再編にも影響する

 ということだっただろうか。
 
 アラフォー隊員もここ数年、家族の闘病や看取り、治療などで、患者家族として医師や看護師と関わることが増えている。
 「生物」として、どうしようもなく衰弱したとき。命の有限さを思い知らされるとき―。そんなときにつかの間、出会うのが医師や看護師だ。ほれぼれする高い技能を持ちつつ、「人と人」としての温かい関わりを感じさせてくれる医療者たちにお世話になるたび、頭が下がった。「こういう分野にこそ、税金をきちんと使わんと」としみじみ思ったものだった(もちろん、そうでない医療者にも多々、出会い、バトルしたが!)。
 「医療崩壊」のリスクも高まる中、現場の動きにより注目せねば。

mikke青空作文教室 リターンズ

2020-04-07 16:51:45 | 日記


 先日、2回目の「mikke青空作文教室@福富」を開いた。新型コロナウイルスの感染予防のため、今回も少人数による屋外(田畑)だけでの実施。新小学1年~新中学3年の計4人が、コマツナやブロッコリーの収穫、草取り、落ち葉たい肥作りなどで体を動かした。
 気温低めの一日。体験をつづる作文の時間はビニルハウス内で換気しながら学んだ。1日の体験をすべて書きたい子、印象に残ったことだけ書きたい子。それぞれの志向に合わせて、シーンや気持ちをより具体的に表現する練習をした。

 文章のかたちはなかなか整わなくても、「へぇ、あの時こんなことを感じてたんだ」と感心させられる作文。「ちょっと難しいことを教えちゃったかな」とこちらが反省していたら、あっさりと飲み込みすぐに自力で校正する子。子どもの素朴な力に、こちらも教えられることが多くて楽しい。
 手洗いや消毒を促しながらの3時間。「早く子どもたちが気兼ねなく遊び回り、学びひたれる時が来ないものか」とあらためて思った。


 新型コロナで急に休校措置となった子どもや保護者向けの臨時企画として設けたこの教室。コロナをめぐる状況はいまだ、好転の気配はない。ひっそりと開いているとはいえ、いろいろと難しい要素もからまり、教室もしばらく動きを止めねばなと思う。