福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

ワーク・ライフ・ミックス

2019-08-30 23:57:44 | 日記

 「『働き方と生き方の人体実験するぞ!』と思って協力隊を選んだんです」。パネリストの女性の発言に、激しくうなづいた。そうそう。隊員(僕)もずばり、そんな思いが源だわ。

 女性は地域おこし協力隊員OG。年の頃は、隊員と同じ40代か。昨年3月まで3年間、岡山県和気町で活動していた。米子市で今日あった協力隊員の研修会で、自身のキャリアとともに、「人体実験」としての活動経験も語ってくれた。

 OGは学習塾関連会社で企画などに携わった後、リクルートで教育メディアの編集者として勤務。退社して協力隊となり、和気町にある県立高校の魅力アップに取り組んだのだそうだ。

 「『協力隊になるぞ』というより、『活動を機にフリー(の編集者)になるんだ』って心に決めましたから」と言い切るOG。お、ますますいいね。リクルート退社前に自ら企画した業務を、協力隊として自分で受注する手も使ったという。なるほど! 道を切り開くには、これぐらいの戦略と図々しさは要るな。新聞記者もたいがい図々しい人種だけど、まだまだだ。

 OGは協力隊を終えた今も和気町に暮らしながら、県内外をフィールドにフリーランスの編集者、講演活動、調査・研究、シェアハウスオーナーなどを合わせ技してしっかり食っていけてるらしい。

 パネル討論後につかまえて話をしたが、地に足の付いた話を、飾らないしゃべり方でする落ち着いたすてきな人だった。「協力隊として」ってより、「1人間として楽しく生きるための働き方」って目線でいろいろ語ってくれたけど、ざっくり言うと「自分の強みを知って、それを強引に打ち出せばいいよ」「やりたくないことを無理にやらない」ってことだろうか。隊員が描く仕事につながる、「なるほど~」って具体的な情報も教えてくれ、ほんと感謝。

 懇親会では、他のパネリスト(もうひとり、とっても勉強になる人がいた)や、濃厚キャラな隊員とも、案外ゆっくりと話せた。「また会いたいな」「きっと会うだろうな」と思える人と知り合え、満足。来る前は「ゲゲゲ。米子、遠い」と気乗りしてなかった研修だが、物は試しで転がり込んでよかった。

 遠くを見ながら歩くと、足跡はまっすぐになる。1泊2700円のタバコくさい安宿の夜も、気分良く更けていきそうだ。



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