福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

JAへGO

2019-12-06 08:46:43 | 日記
 わが家の郵便ポストに、「JA主催の水稲栽培説明会」なるものの案内が入っていた。ここひと月余り、にわかに地元の米作りに首を突っ込ませてもらい、来春も関与を狙っているわが身。無料でレクチャーしてくれるなんて、願ってもない機会だ。
 ぺーぺーのアホづらぶらさげ、地元のJAに足を運んだ。数カ月前には「業界団体の参院選支援」取材でよくJAに出入りしたが、作り手の立ち場でお邪魔することになるとは。

 「おっ! おまえがなんでおるんや」。入り口で出くわした顔見知りの兼業農家の親分が、大声で言う。「勉強ですよ」「ほう。百姓になるんじゃけ、そりゃ来にゃいけんのぉ。わははっ」。親分は笑い飛ばして、席に着く。軽くバカにされているが、「農家になるんじゃけ」んじゃなくて「百姓になるんじゃけ」ってのは、言葉のセンスがいい。そう、米を作って稼ごうとも、稼ぐ能力があるとも思っちゃいない。生活の糧はあくまでライター仕事。要は、生きるためにあれこれやるのが楽しいのだ。

 空回りの意気込みを見せ、最前列に座る。
 役員さんの冒頭あいさつによると、広島県内は今期、凶作。記録的冷夏で「平成の米騒動」といわれた1993年以来の落ち込みらしい。春夏の天候不順と、秋のうんか発生が大きな要因。平年の収量に対する割合を示す「作況指数」は今年、全国は99%だけど、広島県は94%だそうだ。ド素人隊員は「けっこういいじゃん」と思うが、ダメらしい。ちなみに、隊員が大好きなタイ米がこっぴどく嫌われた93年は、広島県86%だった。

 話は「2020年 水稲栽培ごよみ」と題したマニュアル本に沿って進む。「組合員のみなさん、来年1年間はこんな手順で作ってくださいね」「JAが来期におすすめする農薬、肥料はこれですよ」ってことを、懇切丁寧に伝えるのが趣旨のようだ。化学肥料、病害虫を防ぐ薬、除草剤…。まぁ種類の多いこと。会場でQ&Aが交わされる。隊員にとっては異国語だ。
 「この中でコシヒカリを作られている方、いますか?」「田植えと同時に〇〇をまく人は?」。職員さんのどんな問いかけにも首を振り、じっと座り続ける隊員。だって、作っていないんだもの。しかし、こうした慣行農法と、福富町でも何戸かある自然農法の対比が分かり、おもしろかった。「雑草の図鑑」なんて小冊子までもらった。マニアックだ。
 ずうずうしく関わり始めた近所の田んぼ。この小さなフィールドから見えてくるだろうあれこれが、さっそく楽しみになる。捕らぬタヌキの皮算用。来年のことを話すと「親分」が笑う!


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