妻が実家の所用で上京中のため、この週末は久しぶりに息子2人とどっぷり一緒に過ごす。保育園の発表会、サッカー教室、スポーツセンター、公園、将棋教室、スシロー…と目白押しだ。気持ち良い青空に、布団やクッションも太陽にさらしてすっきり。
2人が寝静まった後、こちらも久しぶりにテレビでもつけてみる。すると、「SONGS」に真心ブラザーズが出ているではないか! 隊員が大好きなアーティストの一組。やはり世の中、出会うべき人にはうまいこと出会えるようになっているのだ。
デビュー30周年なのだという。
自然体。使い古されたボキャだが、それがハマる2人だとあらためて思った。自然体を意識してやってるんじゃなくて、どうしようもなく自然。「その日のレコーディングを楽しくやりたいな、と思うだけ」(YO-KING)。かっこいい。
♪拝啓、ジョン・レノン
僕もあなたも大して変わりはしない
そんな気持ちであなたを見ていたい
どんな人でも僕と大差は無いのさ
拝啓、ジョン・レノン
そんな気持ちで世界を見ていたい
雨も雲も太陽も時間も目いっぱい感じながら僕は進む
(真心ブラザーズ「拝啓、ジョン・レノン」)
つぎはぎの情報にみんなで群がっては、ポイ捨てするのが主流の時代にあって、あわてず自分の感性で物事の本質を感じ取り続ける2人。隊員が好きな「素晴らしきこの世界」も、ライブ演奏していた。
♪夜道を一人で歩いていたら どこから何やらカレーのにおい
僕もこれから帰るんだよ 湯気がたってる暖かい家(うち)
素晴らしきこの世界
(真心ブラザーズ「素晴らしきこの世界」)
つぶやくようなYO-KINGのアルペジオの歌い出しから、しまいには激しいリズムで次のような世界へ展開していく。
♪僕の体にあふれるエネルギー あらゆる困難もぶち壊し進むよ
悟り顔の若年寄にケリを入れて バネをきかせて世界を変えるよ
素晴らしきこの世界
(真心ブラザーズ「素晴らしきこの世界」)
1人の中に併存するこんな2つの世界感に、大学時代の隊員もビビッとやられたのだろうな。コタツに入りながらひとり、分析してみる。
喜び、悲しみ、怒り…。それらをすべて含めた「真の心」を歌う。同じく真心ファンという又吉直樹が言ってた。共感。
「反骨精神とか、反社会性とか、自分には全くないと思ってた。けど最近、案外、人より強いんだなと思っている」。番組中のYO-KINGの話が耳に残る。
隊員自身、生業とする取材仕事で、「世の中をただす」「社会正義を守る」と思って動いたことは恐らく、一度もない。「楽しい」(知的にも心情的にも)というモチベーションで動いていてこそ、世界の楽しさを邪魔する無粋なやつらへの怒りが心底、わく。
その怒りを怒りとして、まっすぐぶつける表現の仕方もあるだろう。ただ、真心の2人は、時代や他人に左右されず、好きな音楽を自分の気持ちいいやり方で貫くということで、その価値観を表している。いろいろあっても、オレたちは「素晴らしきこの世界」を楽しんじゃうぜ、と。
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