早春から初夏にかけ、長い間花を咲かせ続ける庭木、ボケ(木瓜)"Chaenomeles speciosa"。
春の早いうちは梅と共に、花をポツポツと咲かせ、
春も盛りになると、葉も開きつつ花も盛りになり、桃や桜と競演し、
初夏になっても茂った葉の間にびっしりと花を咲かせ続ける。
観る時期によって、その花姿の移ろいを楽しむことができる庭木だ。
ボケの木。
福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて
ボケという呼び名、バカ,アホとならぶ、悪口というかなんというか、
そういった類の形容詞と同じ音だけど、そんな意味からこの名が付いているわけではなく、
漢字表記で"木瓜”となっている理由からきている。
夏につける実が野菜のウリ(瓜)に似ていて、「木に生る瓜」という意味で木瓜となり、
その読みが、"もけ"あるいは"ぼっくわ"だったが、
それが訛って"ボケ"と呼ばれるようになったというのが一般的。
ふくち山麓はな公園にて
中国原産のバラ科の落葉低木。
本州・四国・九州ではクサボケという自生種があるが、自分は未だ見たことがない。
この時期、野山散策なんてしないからなあ。
予め自生地を把握して、狙って見に行かないと、クサボケには出会えそうにない。
ふつうのボケは鑑賞用として庭木として植えられている。
寺院の境内や公園の敷地内などに植えられていることも多く、
この時期、赤やピンク、白の花を鈴生りに付けて楽しませてくれる。
葉が出始める前の、花のみが咲いているときの方が花が目立ってきれいだが、
ボケは葉が出て、それが茂りだしても花が終わらない。
そのため4月頃にもなると、葉と花で枝が覆い尽くされる。
八重咲きのボケ
瓜に似ているという果実は、秋になると黄色くなって熟し、
カリンに似た芳香を放ち果実酒などに利用されるという。
ただ、近年は商業目的の果実の収穫はほとんどなく、ボケの果実酒はとても貴重だとか。
確かに、これまでボケのお酒なんて聞いたことも見たこともない。
それどころか、実際、実が生っているところを見たこともない。
花が終わると、特徴のない普通の木になってしまうので、あまり注視しないからなあ。
今年は夏~秋に意識してボケの木を観察してみよう。
盆栽仕立てのボケ
冬から春に園芸店に苗が出回る。
庭木用の大きめの苗よりも、盆栽仕立てになったコンパクトなものが売られていることが多い。
赤が主流だが、ピンクや白にオレンジなどもあり、最近はグラデーションの入ったもの、
斑入りのものや、接ぎ木されたものだろうか?ひとつの幹に紅白の違った色の花を付けるものなど、
以外と品種も多く、バリエーションが豊富だ。
育て方は容易だが、塩害に弱いらしいので、海岸近くや島嶼部では育てるのが難しいかもしれない。
鉢植えの場合は水やりを怠らず、剪定は秋になってから行うこと。
若い枝がけっこう伸びるが、これは切らずに、
根元から伸びたひこばえの剪定だけに留めた方がいいらしい。
つぼみがかわいらしいボケ。
また、あまり知られていないが、ボケには鋭いトゲがある。
秋になり落葉して初めてトゲの存在に気付くひともいるくらい。
バラほど密に付いているわけではないので、触れてケガをすることは滅多にないが、
小さな子どもの居る家庭では、庭のよく通る場所には植えておかない方が無難。
春の花木、梅・桃・桜にばかり目が行きがちだけど、
同じバラ科で花期が長く、これまた美しい花を咲かせ楽しませてくれるボケ。
公園やよそのお庭など、きっと身近に植えられていて、今まさに咲いているはず。
丈が低くて目立たないけれど、びっしりと花を付けてしっかりとアピールしている。
そんなボケ、自分は春の花のなかでも特に好きな花のひとつ。
なにげなく歩いていて、美しいボケの木に出会ったら、思わず立ち止まってしまうのだ。
ボケのトゲ
早春のつぼみ。
広島県呉市音戸町 音戸の瀬戸公園にて
苔の記事が気に入ったので、読者登録させていただきました。
ちょくちょく覗かせていただきますね。
ボケはこっちでは、もう花が葉っぱで隠れてしまい、
花を楽しめる時期もそろそろ終わりかな。
自分も植物が好きなので、植物の記事を上げることもありますが、
年数回くらいで頻度は低めなので、あまり期待しないでください。
このブログはご覧のとおり、ノンジャンルでごちゃ混ぜですので、
合わないと思われたら、読者登録いつでも解除なさってください。
この度は読者登録していただき、ありがとうございました。
素敵な花の写真が沢山ありますね。
ボケの花は「木瓜」というのは初めて知りました。
ボケの花にもいろんな種類があるのですね。
勉強になりました^_^