先日、仕事帰りに映画を観に行った。
橋本環奈 主演のドラマ、"セーラー服と機関銃 -卒業-"だ。
35年前に公開された、薬師丸ひろ子主演の伝説の映画、"セーラー服と機関銃"。
それを現代に蘇らせた、"その後の物語”という設定の作品。
キャッチコピーは、"卒業間近の女子高生がなぜかヤクザの組長!?"。
原作は赤川次郎氏のベストセラー小説。
角川映画40周年記念作品。
伝説の映画がリバイバル!?
最初にこの映画の公開を知ったとき、あの薬師丸ひろ子の映画を瞬時に思い出した。
セーラー服姿のまぶしい女子高生がマシンガンをぶっぱなし、
「カイカン・・・。」と恍惚の表情でつぶやく、有名なラストシーン。
公開当時、自分はまだ未就学児であり、この映画を観ていない。
だが、そのラストシーンは時にネタとされ、幾年も語り継がれてきているため、
自分よりもさらに若い世代であっても知っているひとは多いだろう。
ひょんなことから、女子高生がヤクザの組長となり、
敵対する組にカチコミする―そんなストーリーだったと思うのだが、
なにぶん観たことがないため、詳しいストーリーは知らない。
そんななか、今回のこの作品の公開。
薬師丸ひろ子に代わって、橋本環奈という平成生まれのアイドルがヒロインに。
よく知らない子だが、チラシの凛としたまなざしを観て、
あどけなさの残っていた、薬師丸ひろ子とは対照的だなあと感じた。
良くも悪くも現代的なヒロイン。
リメイク版でもいい。
この機会にせっかくだから伝説の映画を観てみようじゃないか。
そう思って鑑賞に臨んだ。
観終わるまで、リメイクだと勘違いしていたのだった・・・。
星泉(橋本環奈)は、卒業間近の女子高生。
ふつうに学校生活を送っているが、実は彼女はヤクザの組長!
両親を早くに失った彼女は叔父に親代わりのように育てられる。
その叔父・嗣夫(榎木孝明)が、実は目高組三代目組長。
泉にはヤクザであることを隠し、やさしいおじさんとして接していた。
だが、泉と一緒に居る時に、嗣夫は敵対する組によって狙撃され殺されてしまう。
血縁者が組を継ぐ習わしだった目高組。
泉はそのとき初めて、叔父がヤクザの組長だったこを知って衝撃を受けるが、
やさしかった叔父の意志を継ぎ、四代目目高組組長を襲名する。
たった三名の組員とともに、敵対する浜口組の襲名式にセーラー服姿でマシンガンでカチコミした泉。
だが、この事件を最後に目高組は浜口組と協定を結ぶ。
目高組先代が築いたシマ、街の古い商店街に、
浜口組は今後一切手を出さないという条件で、目高組を解散。
泉は普通の女子高生に戻る。
残った組員たちもカタギとなる。
さびれた商店街。
シャッター街となったその一角で、めだかカフェを経営する泉。
だが、店員は元組員だった三人。
いつまで経ってもヤクザ気質が抜けないため、客が寄り付かない。
クラスメートと新商品を考えたりと、カフェ経営に必死な泉だったが、
閑古鳥の鳴いている現状に頭を悩ませる。
そんなとき、ひとりの少女が助けを求めてくる。
商店街でモデル事務所が開業していたが、
その事務所、モデル募集という文句で少女たちを集めては、高い登録料を徴収し、
実際には夜の繁華街の飲食店で働かせたあげく、
建設会社の社長などを相手に、いかがわしい接待まで強要させているという。
その実態を聞いた泉は、すぐにそのモデル事務所へと殴り込みに。
ふつうの女子高生に戻っていても、商店街を守る正義感だけは誰よりも熱かった。
事務所のオーナーを問い詰めると、浜口組の名前をちらつかせる。
敵対していた浜口組が、協定を破って目高組のシマであくどい商売を始めた!?
だが、浜口組のシマでも妙な商売が行われていた。
麻薬入りのクッキーが闇で売りさばかれていたのだ。
売人からは、目高組の名前が。
浜口組の組長(伊武雅刀)は、泉ら目高組の面々を組に連れ込み、
麻薬入りクッキーの真相を吐かせようとする。
だが、泉たちは泉たちで、逆にモデル事務所の件を付きつける。
双方に覚えのない商売。
泉はまず、麻薬クッキーの真相を探るべく動き出す。
浜口組の若頭補佐、月永(長谷川博己)は、
モデル事務所と麻薬クッキー、浜口組と目高組を陥れるために仕組まれたことで、
この街に他の組が攻めてきているのでは?と、警戒する。
月永の読みは当たっていた。
介護施設,病院,製薬会社に学校,表向きは都市開発を進める巨大なグループ企業。
その実態は堀内組という巨大な暴力団組織だった。
その堀内組が、泉や浜口たちの街の開発(乗っ取り)にやって来たのだった。
堀内組のやり方は悪辣で、表向き健全な企業で街全体を掌握。
福祉施設や学校を充実させ、擁立した候補者を市長にし、
地域の警察とも連携して、元からの暴力団組織を潰したうえで、根こそぎ乗っ取る。
泉が麻薬クッキーの情報を警察に通報したが、
警察内部にも堀内組の息がかかっていたため、それを排することができず、
同級生のなかに、それが原因で犠牲者が出てしまう。
その巨大な組織、ホリウチ都市デザインの社長、安井(安藤政信)こそ、堀内組のトップにして黒幕。
その歪んだ支配欲と尋常でない言動と行動で、またたく間に事を運ぶ。
有無を言わさず浜口組を飲みこみ、傘下に収めてしまう。
残った目高組も、市民を扇動して排除しようとする。
その騒ぎのなか、泉を補佐していた若頭の土井(武田鉄矢)が不当逮捕されてしまう。
進退窮まった泉たちだったが、そこへ浜口組の月永が協力を求めてくる。
泉たちと月永、目高組と浜口組、元々は激しく敵対する組同士。
だが、叔父さんの作ったこの街を守るため、泉は月永に協力することに。
泉は解散した目高組を再び結成。
残った二人の組員、祐次(大野拓朗)と晴雄(宇野祥平)と共に、
月永が集めてくれた、ホリウチ都市開発の数々の不正な営業実態の資料をひっさげ、
安井たちが居る場所へと決死の覚悟でカチコミに行く――。
・・・・。
正直つまんなかった。
元々、ヤクザや不良たちが主役の映画が好きでないというのもあるが、
"気分爽快エンターテイメント"と謳い文句があったけれど、
全然、そんなんじゃなく、ドロドロネチネチした薄汚い極道ものだった。
まだ昭和の昔の任侠モノの方が、快活だったかもしれない。
いや、観たことないけどね。
まあヤクザなんか理由どうこう関係なく、抗争して共倒れしちまえばいい。
一般市民には一切、被害を及ぼさないでね。
終盤の銃撃戦のシーンは見応えあるけれど、
キャバクラというか、そういった狭いところでドンパチやっているので、
イマイチ派手さに欠けるし、ナイフひとつ持った殺し屋が、
ピストル持ったヤクザをタイマンで次々に殺していくとか、
無理のある戦闘シーンとかあって苦笑いしてしまう。
ダイナマイトで泉が無傷とかあり得ないし、もうめちゃくちゃ。
いや、女子高生がヤクザの組長って設定時点でむちゃくちゃだから、
この辺はスルーすべきなのかもしれないけれど。
ともかく観ていて思ったのは、あの大ヒットした伝説の映画って、こんな内容だったの・・・!?
・・・と、幾度も疑問に思っていたのだが、後からパンフレットで判ったのが、
あの映画の続編、というか、その後を描いた物語を現代風に作ったものだとか。
それでサブタイトルというか、"卒業"っていうのが付けられていたのだ。
そうそう、オープニングがいきなり、「カイカン・・・。」だったので、
おいおい、これってラストシーンじゃなくて、冒頭のシーンだったのかよ!?ってびっくりした。
その後のストーリーってことで合点がいった。
あとラストはいただけない。
"卒業"のとおり、まあ卒業式のシーンなんだけど、
そこからそのまま無理矢理エンディングに持っていかなくても・・・。
これは主演の子がアイドルが所以か?
この子、女優さんかと思ったら、アイドルだったのね。
どうりで、演技がイマイチだなあと思った。
声はハスキー気味でいいなって思った。
リアル女子高生の彼女、黄金のスケベイスとか見て、どう思ったのだろう?
月永役の長谷川博己がカッコよかった。
これまで、舞妓はレディで主人公に京ことばを指導する優しい教授役、
海月姫で童貞のエリート役など観てきたもんだから、
バリバリにアクションするヤクザ役はイメージになく、新しい姿を見ることができた。
安井役の安藤政信、これまでもドラマなどでイッちゃったような役を観てきたが、
こういう役をやらせたら、安藤政信か藤原竜也。
今作でも腹立つくらいに憎むべき悪役を演じてくれた。
市長を演じていた、鶴見辰吾を思いっきりひっぱたき、
浜口を演じていた伊武雅刀を平伏させるなど、大御所相手にやりたい放題。
いや、そういう役柄なんだけど、とにかく凄かった。
武田鉄矢、最後においしいとこ全部持っていきやがった・・・。
あと伊武雅刀のあの美味そうに食べるシーンを観て、
帰りにガスト寄ってステーキ食べたのは言うまでもない。
いつか薬師丸ひろ子の初代セーラー服と機関銃も観なきゃならんな。
購入したクリアファイルとポストカードのセット。
浴衣のシーンなんてあったっけ?
キャシィ塚本先生 ⑫ どちら様も笑ってお料理
ON THE ROAD / 浜田省吾 積み込み現行犯!?
セーラー服と機関銃といって思い出すのが、ごっつええ感じのこのコント。
これは浜田省吾バージョンだけど、これの薬師丸ひろ子バージョンがあったはずなんだけど、
見つけることが出来なかった・・・。
ごっつ世代の自分は今見ても腹がよじれるんだけど、
エレキテルとかクマムシとかラッスンゴレライとかで笑える今の若い人らは、
こういったコントじゃ笑えないんだろうなあ。
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