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オデッサデイ

2022-02-25 22:52:48 | 日記・エッセイ・コラム

 

昨日からこのブログ内で閲覧数が急上昇している記事がある。

元々閲覧数が高く他所で画像転用されたり、引用されたりする記事ではあったが、

一週間ほど前からじわじわと上がり、昨日からダントツの勢い。

理由はすぐに判った。

 

当該記事はアニメ、機動戦士ガンダムの記事。

劇中に登場する人物、マ・クベに焦点を当てたもの。

知らないひと向けに、このマ・クベというキャラクターを簡単に説明すると、

作中、主人公側と敵対する勢力、ジオン公国軍に所属する軍人。

 

宇宙で興ったジオン公国が地球に向けて独立戦争を仕掛けてくるストーリー。

ジオン公国軍は地球に侵攻し、瞬く間に広範囲を制圧する。

地球侵攻における重要拠点のひとつが、オデッサ鉱山基地。

その基地司令として、このマ・クベという人物が登場する。

 

マ・クベ

 

ガンダムの作中屈指の激しい戦いが繰り広げられた、オデッサ作戦。

その記事に例の時事ニュース絡んできての閲覧数の伸びだ。

なので、実際にウクライナ情勢を知りたくて検索し、

この記事へたどり着いてしまった方々には本当に申し訳ないばかり。

まあ、すぐにブラウザバックしたとは思うけれど。

 

オデッサ基地および、周辺の黒海沿岸部では数々の激戦が繰り広げられた。

 

地球連邦軍がヨーロッパ,東南アジア,極東方面から部隊を集結、

ジオン軍のオデッサ基地を包囲する。

 

連邦軍によってどんどん狭まるオデッサ基地の包囲網。

 

アニメ、機動戦士ガンダムで繰り広げられたオデッサの戦い。

最後は包囲されたマ・クベが条約を無視して水素爆弾を放つ。

 

オデッサ基地から次々と脱出するジオン軍。

 

基地司令のマ・クベはオデッサ基地を放棄して早々に宇宙へと脱出。

脱出できなかった前線の兵士らはオデッサ基地から散り散りになって敗走する。

そのジオン兵を追撃する連邦軍。

この辺のストーリーはOVA、第08MS小隊で描かれる。

 

ガンダムの話からリアルへ話を変えよう。

 

昨日、日本時間の正午過ぎ、ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始した。

アメリカの情報開示によって、ロシアのウクライナ侵攻は今月上旬から噂されていた。

北京五輪が閉幕すると同時に事が起こるであろうと思っていたが、

案の定、これに至ってしまった。

 

  

正直、ウクライナ情勢に疎い。

もちろん2014年のロシアの一方的なクリミア半島の併合は記憶に新しい。

これに準じた動きが、ウクライナ東部の親ロシア派が多く住まう地域でも起こりつつある。

そんなふうには理解していた。

 

プーチンという化け物はいったい何なのか?

太平洋戦争時代のようなアナクロニズムな帝国主義思想を持った男が、

ロシアという強大な国のボスであるという事実に呆然とする。

ひと昔まえは、アメリカのトランプに失笑したが、それがかわいらしく思えてくるほど。

 

日本でもカレンダーや写真集などのグッズが売れるほど人気だとか。

韓流ドラマやK-POPアイドルに夢中になる人も理解できないけれど、

プーチンを好きになる日本人も理解できない。

 

北朝鮮はじめ韓国や中国なんかが、

国際ルールが通用しない話にならない国だということは判っている。

技術が発展し経済も成長し、先進国の仲間入りできたとしても、

国家としての精神や国民性が礼節をわきまえていないのだから仕方がない。

だが、これまでこのなかへロシアを混同してはいなかった。

 

自分の世代だと記憶に鮮明なのが、1991年のソビエト崩壊。

米ソ両間の冷戦が終結し、第三次世界大戦の危機は免れることができた。

それまではニュースや特番で、しょっちゅう核戦争のシミュレーション映像などが流れていた。

その危機がなくなり、これで世界は平和でより良い方向に向かうだろう・・・。

子どもながらにそんな楽観的な感想を持ったのを覚えている。

 

ところがどっこい、世界情勢はその後も不安定なまま。

大規模な戦争は避けられたものの、あちこちで紛争は絶えない。

もとより湾岸戦争やユーゴスラビアの内戦は続いていた。

 

ソビエト崩壊後もコソボ紛争やチェチェン紛争が起こり、西側諸国も安定しない。

湾岸戦争以降も、中東からアフリカ、トルコ,東南アジアに至るまで、

イスラム過激派などが次々と台頭し、自爆テロや紛争は絶えない。

イスラエルやパレスチナ情勢など、中東の情勢は落ち着くことがない。

アフリカでもルワンダ虐殺のようなジェノサイドが起き、民族紛争が絶えない。

 

アジアでも東ティモール紛争、タイやミャンマーのクーデターは記憶に新しい。

弾道ミサイルや核実験を続ける北朝鮮、何かにつけては日本に難癖をつけてくる韓国、

チベット弾圧やウイグル虐殺、台湾の併合をもくろむ中国。

隣国も油断ならない状態で世界の広域に目を向ける余裕がないのが現状。

北海道で国境を隣接しているロシアもまたしかり。

 

幸いにも自分が生を受けてこの方、

経済的に影響は受けているだろうが、日本は直接 紛争に巻き込まれていない。

太平洋戦争に敗北し、GHQの管理下のもと新たに発布された日本国憲法の第9条によって、

戦争放棄が明記され、侵略目的の軍隊を保有できない。

9条の解釈が色々変えられて、紛争地帯へ平和維持活動名目で派兵しても、

後方支援活動や現地のインフラ修復活動は行っても、戦闘への直接参加はしていない。

 

 

日本の控えめな行動は同盟諸国から非難されているようだが、

先の大戦で大敗を喫しつつも、先人たちの血と汗の努力で這い上がった日本。

憲法云々ではなく、軍事的にも経済的にも、これが精いっぱいの対応であり、

どれだけ避難を浴びせられようが、この境界を越えるべきではないと思っている。

とはいえ、領土を脅かす韓国や中国に、丸腰無抵抗ではいけない。

矛盾しているけれど、これには徹底的に抗うべきだと思っている。

 

だが、今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、

日本政府の反応は苛立ちを覚えるほどパッとしない。

経済制裁がどうのなんて言っているが、

日本のそれは痛くもかゆくも思っていないであろうロシア。

それをすることによって、逆に日本経済が受けるダメージの方が大きいように思える。

 

 

北方領土のことを考えて、あまり大きなことを言えない。

なので、ロシアに対し有効なダメージを与えられるような大胆な経済制裁を行えない。

弱腰の日本政府に対し、専門家のひとたちはそう分析する。

北方領土を握っているかぎり、ロシアはもとより日本なんて眼中にないのだ。

 

報復に核兵器を口にするような相手。

こんなジャイアンみたいな野蛮な考えの化け物が、20年以上もボスとして君臨している独裁国家、

こんな国に対し、かすめ取られた北方領土なんて未来永劫戻って来るわけがない。

故郷を追われた北方四島の方々には申し訳ないけれど、

現ロシアが存在する限り、北方四島の返還は夢物語であることは間違いない。

こうしてみると、沖縄を返還してくれたアメリカには本当に感謝するしかない。

 

 

一連のロシアの行動、国際ルールもなんてあったもんじゃない。

こんな国が常任理事国で議長国を務めている国連なんて意味がない。

しかもその開催真っ只中での侵攻開始ときた。

世界の秩序が一気に崩壊したように思えた。

もとから秩序なんてなかったのかもしれないが・・・。

 

ウクライナの歴史もロシアや西側諸国との繋がりも詳しくは知らない。

今回の事件をきっかけに、さらっとその歴史を追ってみた。

ロシアの横暴なやり方は許されるわけないが、

多くの支援を受けていながら、ウクライナ国内が安定していなかったのも、

ロシアにつけ込まれる要因のひとつかもしれない。

だが、それすらもロシアの工作だとする専門家もいる。

クリミア半島併合の際も、先に傀儡政権を誕生させたのちの出来事だった。

 

 

プーチンは否定しているが、今回もそれと似たような手法で、

けっきょくはウクライナ全域を掌握するつもりだとか。

NATOやアメリカ、そしてその同盟国がこのままそれを許してしまい、

これがまかり通ってしまえば、今度は中国が似たような手法で、

台湾や日本の尖閣諸島を狙ってくるのは明らか。

ロシアに北方領土を、韓国に竹島をかすめ取られ何も抵抗できない日本の現状。

あの中国が尖閣諸島をいつまでも放置しておくはずはない。

 

 

これまで内戦がないだけマシだったのかもしれない。

もう国際紛争が対岸の火事で済む時代じゃなくなったように思う。

経済に打撃を受け、生活に支障が出てくるくらいなら、正直なんてことはない。

けれど、実際に戦禍にさらされれば、

日本は為すすべなく、もう立ち直ることはできないかもしれない。

いささか悲観的に見えるけれど、今回のロシアのウクライナ侵攻、どうしても楽観視できない。

 

リアルオデッサデイ・・・。

ガンダムで知ったウクライナの都市、オデッサ。

ウクライナ東部や首都キエフばかりがフューチャーされるが、

ここもまた今回、ロシアの攻撃にさらされている。

黒海に面する湾岸都市であり、大規模な穀倉地帯、

近代は製鉄産業も盛んな工業都市でもあり、

古くから幾度となく戦争の舞台となったようだ。

 

高校のとき、現代社会の授業でオデッサが実在する都市だと知った。

同時にベルファスト,ヒッコリー,ダブリン,ラサ,ドレスデン,タンピコ等、

他にもガンダムの世界に登場するいくつかの都市が実在するのだと知る。

ジャブローは架空みたい。

 

ロシアや国際社会の思惑云々は別として、

被害が最小限にとどまり、早期に事態が収束して欲しい。

・・・そんなふうに思っていること自体、対岸の火事として見ているだけなのかもしれない。

なによりもアニメきっかけで戦争を語っているのが、不謹慎に捉えられるかもしれない。

 

だけど逆もあるはず。

今回の戦争のニュースで、“オデッサ”という地名を目にして、

ガンダム好きだったひとが、「オデッサって、あのオデッサ!?」

「オデッサって実際にあったんだ!」となり、この戦争へ関心を持つきっかけになる。

きっかけは何であろうが、世界の争いごとに少しでも関心を持つことができたなら、

それはそれで良いことだと思う。

  

詳しい情報はまだ判らないが、

オデッサは飛行場や耕運機の工場などが標的となったようだ。

 

オデッサ作戦にも参加したとされる、MSVデザインの陸戦用ジム。

ヨーロッパ戦線で運用された機体。

市街地戦や林野戦を重視して防御力を上半身に集中させている。

 

 

米国務長官、ロシアの狙い「政権転覆と確信」キエフへ進軍との見方
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/world/ASQ2T3FXSQ2TUHBI00D



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