よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

慈恩の滝

2015-09-07 18:59:35 | 旅行・まち歩き

先月はじめ、休みを利用して大分県日田市にある、とある滝へ行ってきた。

その滝の存在を知ったのは数年前。

もうその名前だけで行かなければいけない衝動に駆られ、

いつか行ってみよう!いつか行ってみよう!!

・・・そう思いつつも、なかなか行けないでいた。

今年の夏、その思いがとうとう実現した。

 

国道沿いから既に見える。

 

滝の名前は、"慈恩の滝"。

そう、そのまま音読みで、"ジオンの滝”と読む。

こんな名前・・・ガノタならば行かないわけにはいかない!

しかもお隣の大分県で福岡と隣接している日田市ときた。

車で一時間ちょいくらいか。

うだる暑さが続き、熱中症注意報が出ていた日の真昼間に出かけた。

 

 

福岡県嘉麻市から国道211号線を大分県日田市方面へとまっすぐ進む。

途中、日田市内で、国道210号線に。

日田市から大分市へ向け、210号線を東へ進む。

だが、一向に看板とか案内表示とかそれらしき目印が出てこない。

カーナビなんか搭載していない。

出かける前に見た大まかな地図の記憶だけを頼りに車を走らせる。

そして天ケ瀬温泉郷を抜けて、もう間もなく町境。

おいおいもう日田市出ちまうぞ?

通り過ぎたか?わき道に入らないといけなかったか?

不安にかられるなか、もう間もなく玖珠町(くすまち)という場所で、その滝は忽然と姿を現した。

日田市ギリギリ、本当に玖珠町との真っ境にあった。

 

滝より下流の方では水遊びをしている親子連れの姿も。

  

国道からその滝がはっきりと見える。

道路を挟んで反対側に駐車スペースが設けられていたので、そこに車を止める。

車を降りると、トラックなど大型車がガンガン通り、

その音もすごいのに、それに負けないような、ごうごうと滝の流れ落ちる音が聞こえてきた。

これは・・・けっこう大きな滝だぞ!

駐車場から国道をくぐるように遊歩道が整備されていた。

遊歩道は川をまたいで、滝まで続いていた。

川では地元の親子連れが気持ち良さそうに水遊びを楽しんでいた。

 

 

 

滝の正面に欄干の付いた観光客専用の橋もあり、真正面からその雄姿を見ることができる。

欄干の脇に、"慈恩の滝"と書かれた大きな石碑があり、またその横には、

名前の由来や、この滝にまつわる逸話などが掲載された看板などが設置されていた。

あまり自然の滝には似つかわしくない、まがまがしい龍のオブジェが目を引く。

どうやらこの滝の誕生エピソードに龍が関連しているらしい。

 

滝の脇にあった龍のオブジェ。

なんか趣味悪いよな、このデザイン。

 

この滝の穴倉に龍が棲んでいて、村人と仲良しだった。

あるときから、龍は病にかかってしまい、すっかり元気がなくなった。

心配になった村人たちが、高名な旅の僧に相談すると、

その僧は、この滝ではこの龍の余命が長くないと悟り、龍を説得して天に昇らせた。

その際、滝の周りの岩にぶつかり、一段だった滝が二段になり、

飛び散った岩の破片は鯉となって川を泳ぎ始めた。

自分の命を救ってくれた村人たちに感謝した龍は、このとき大粒の雨を降らせ、

今後、この地に潤いを与え続け、水に困ることがないよう約束したという―。

 

滝壺の側面から。

 

で、混同してしまいがちだが、名前の由来は別にあって、

こっちは龍ではなく、大蛇が主役。

ずっと昔、この滝の滝壺に大蛇が棲んでいた。

ある収穫の時期、この大蛇が滝壺から出てきて、

収穫目前の麦畑の上でのたうちまわり、

村人が丹精込めて育てた麦が台無しになってしまった。

次の年も、そのまた次の年も収穫前に畑が荒らされ村人たちは困窮した。

大蛇の対策をあれこれ試してみるも、どれも失敗に終わり、

人々はこの地を捨ててよその地へと離れていった。

 

滝壺の真下から。

  

あるとき高名な旅の僧がこの村に立ち寄り、

村の荒んだ様子を見てたまりかね、残っていた村人から事情を聞いた。

話を聞いた僧は、力になろうと滝壺へ赴き大蛇を説得する。

すると大蛇は滝壺から出てきて、己の体を僧に見せた。

その巨大な体の鱗の間に無数の寄生虫が居た。

そのかゆみと苦しさでのたうちまわり、畑を荒らしていたのだった。

僧は大蛇の体に経文を擦りつけ、大蛇の苦しみを解いた。

苦しみから解放された大蛇は、二度と悪さをすることがなくなり、

以後、村の田畑は豊作に恵まれた。

のちに僧への感謝を込めて、慈恩寺が建立され、この滝も慈恩の滝と呼ばれるようになった―。

 

滝壺の真裏から。

 

いい昔話だが ふたつの逸話、ところどころ被るところがあるので、

元はひとつだったんじゃないかな?

なんにせよ、歴史のある自然の場所にやってきた。

さっそく遊歩道を降りて、滝壺に向かう。

慈恩の滝、滝壺の裏側をくぐれるようになっているのだ。

 

 

だが、側面に差しかかる前に、水しぶきがすごい。

滝の正面に居るときから、霧のような飛沫を浴びている感はあったが、

もう下に降りると、霧どころじゃない。

髪も衣服も濡れるの覚悟じゃないと、ここは通れない。

デジカメや携帯電話にも水しぶきがかかる。

防水加工されていないものは注意が必要だ。

 

下がってみると滝が二段なのが判る。

 

「キャーーー!」

先に滝壺をくぐりに行った若い女性二人組の叫び声が聞こえてくる。

頭と顔に手をやり小走りで滝壺から抜け出してくる。

これは・・・写真撮るどころではないかもしれない。

足場の岩は苔むしていて、濡れていて滑りやすい。

慎重に歩を進めながら、滝壺の裏側へと進入。

なんだ・・・真裏は安全じゃないか。

 

 

滝の裏側なんて初めて入った。

ごうごうと音を立ててとめどなく注ぎ落ちる水。

水壁の向こうに、ぼやけて青空が見える。

いいなここ・・・なんだか すごく癒される。

この時期仕事で精神的に色々と参っていたので、それらが滝で浄化される。

そういや入り口付近に、滝壺くぐれば無病息災みたいな看板があったような。

 

 

滝壺を出て、遊歩道をぐるりと一周する。

ここに来るまでの間、うだるような暑さだったのに、

この滝周辺はひんやりとして涼しくて心地いい。

顔にひんやりと冷たい天然の霧を浴びながら、真夏のつかの間の避暑。

しばらく、その滝を見つめながら涼しさを楽しんでいた。

「ギャー! ワーーー!!!」

今度は母子連れの叫び声だ。

あの若いギャル母さん、ヒールでよくもまあ・・・。

 

この近辺にまだまだ滝がいくつかあるらしい。

散策できるようマップがあったが・・・それぞれ離れていて距離が長すぎ!

 

昼過ぎてもう午後2時半くらいだったろうか、

朝から缶コーヒーとクリーム玄米ブランしか食っていなかったので腹も減って来た。

滝のすぐそばに、美味そうな手打ちそば屋があった。

ちょうどいい、ここでそば食って帰ろう。

ちょっとその前に最後にもう一枚、記念撮影。

ジオンの滝に来たのだから、これは撮っとかないと!

家から用意していた、おもちゃを橋の欄干の上に並べて滝をバックに記念撮影。

だがその光景を不思議そうにシニア夫婦が眺めていた。

見せもんじゃねえぞ!

 

滝といえば水。

水といえば水陸両用MSだろ?

 

記念撮影を終え、そば屋へ行こうと思ったら、

さっきのシニア夫婦が、そば屋へご入店。

・・・・もういい、そばはやめた。

けっきょく腹グーグー言わせながら一時間かけて福岡へ戻って、うどん食べましたとさ。

 

 

ジャブロー攻略戦・・・っぽくない?

 

とにかく水しぶきが激しくて、ちゃんと写真が撮れない。

岩とかでも立ちそうなの選んで持ってきたのに、立ってくれなかった。

「慈恩の滝でジオンMSを並べて写真を撮る!」

この数年越しの願いが叶った瞬間でした。

バカな大人だなあ・・・。

「エロマンガ島でエロ漫画を読む!」というのを果たした、ファミ通編集者よりはマシだと思うけれど。

 

 



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みそぱん)
2015-09-08 10:38:55
ジオンとな…
読めんσ^_^;

なんか色々ほんわか?ですかね

自分は水陸両用はズゴック派です
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Unknown (れいな)
2015-09-08 11:04:08
先日はルーム戦主催ありがとうございました。
ジオンの滝ですか。これは見応え有りそうですね。水しぶきが心地よさそう。
そっち方面に出かける事があれば立ち寄るリストに入れておこうと思います。
滝の裏側というと、よくRPGなどで行けなさそうで実は入れる場所でたいていそこに良い宝箱がある。ってイメージです。
レンダーシアのワルド水源の東の方にも滝の裏側に出る洞窟みたいな所が有りましたね。
大蛇が住み着いているのはプクランドですが(^_^;)

おもちゃを置いて撮影とは・・・
積年の願いとはいえ誰かが見ている中でそれを実行するのはなかなか難易度が高そうですね。
子供と一緒とかならできそうですが・・・
その老夫婦がモビルスーツの事を知っていたなら「ほう。あいつぁ筋金入りだな。」と解ってくれそうですが、知らなければそりゃさぞかし奇異に映った事でしょうね~
蕎麦を食べながら有る事無い事勝手に想像して噂されているかも(^_^;)
先に食事してからラストに撮影大会をしてトンズラするのが正解でしたね。
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ズゴックだとベルファスト襲撃ですね ()
2015-09-08 21:52:15
みそぱんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
 
読めない!?
ふたつとも中学くらいで習う漢字だと思うのですが・・・。
慈愛の"ジ”、謝恩の"オン”ですよ!
 
当初、みそぱんさんの言うズゴック含め、
ゴッグにハイゴッグ,ザクマリナー,カプールなんかも含めて、
水陸両用MSたくさん持っていくつもりでした。
・・・が、現実的に大量に持っていってもセッティングに時間かかる、
外れるパーツのない一体化したもの、不安定な場所でも立ちやすいもの、
濡れてもいいやつを持ってかなきゃならない。
そんなわけで厳選して写真のアッガイとゾックになりました。
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ただしチョップは届かなかった・・・。 ()
2015-09-08 22:04:09
れいなさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
先日はルーム戦ご参加ありがとうございました。
 
見ごたえあるといっても、自分が他の有名どこの滝を見たことがないので、
それらと比べると見劣りしてしまうと思います。
全国めぐって目が肥えていそうなので、あまりお勧めしません。
天ケ瀬温泉やら日田天領に観光に来たときのついでくらいにどうぞ。
 
ワルド水源の滝って、ガニラスが居たとこかな?
グレンゼドーラの郵便局の便せんクエストで、
なんか滝の裏から滴とって来て!みたいなの受注したまんまなんですよね。
れいなさんのコメントで思い出した。
行くのが面倒で放置してら・・・。
 
イストリーの滝だったかな?
FFⅤで魔法のランプが隠されてましたよね。
第三世界でボコが活躍できる数少ない場所でした。
 
さすがに恥ずかしいので人目を盗んで撮影に勤しんでおりました。
付近に人が居なくなったタイミングを見計らって・・・。
この老夫婦は不意に後ろに居て気付きませんでした。
こいつら隠密か!?とか思ってびびりましたね。
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