先日の休みに、ふらりとドライブ日帰り旅行。
朝早くに家を出て、大分県の国東(くにさき)半島の付け根あたりを目指す。
まずは大分県宇佐市。
そこにある神社、宇佐神宮へと向かった。
全国にある八幡神社の総本宮で本殿は国宝に指定されている。
うちの近所にある正八幡神社も、ここからの分社ってことなのか。
西参道入り口の大鳥居
この日、朝からどしゃぶりの天気。
自分の見事なまでの雨男っぷりに笑うしかない。
国道201号線を下り、田川から みやこ町、そして行橋市へ。
行橋ICから東九州道に乗る。
かつてこの区間は椎田道路という有料道路だったが、
2年前に大分道と繋がって、大分・宮崎へのルートがぐっと速くなった。
その東九州道を通って宇佐へ。
1時間かからなかったかもしれない。
太平洋戦争のさなか、政府が不足した金属を回収した際、
かつてここにあった、銅で作られ鉄輪で固定されていた鳥居も、問答無用で持っていかれたとか。
その基礎部分だけが残っていた。
戦争のため神社仏閣からも金属を取っていく・・・。
こういうの見るだけでも、先の戦争がトンでもないものだったんだなあと窺い知れる。
宇佐ICで降りて、車を走らせること10分たらず。
大きな鳥居と、波打つように湾曲した萱ぶき屋根の付いた橋が見えた。
駐車場に車を止めて、どしゃぶりのなか鳥居をくぐり、人がほとんど居ない参道を歩きだす。
日曜日とはいえ、この雨、朝っぱらから参拝に来るひとも居ないか。
そんなことを考えながら、本殿を目指す。
西参道の入り口にある呉橋。
県指定有形文化財。
湾曲した独特の形状が目を引く。
がっちりと施錠されていて、中に入ることはできなかった。
10年に一度、扉が開けられるのだとか。
途中、参道で大きな交差点。
社務所のような場所もあり、地元の高校生か?
かわいくて若い巫女さんが、いっぱい居る!
さすが大きな神社は巫女さんのレベルもダンチだな~。
そんなことを思いつつ、手水舎へ向かおうとすると、
交差するもう片方の参道は人がいっぱい!
どうやら、そちらの参道が表参道。
自分が通って来たのは、西参道でメインではなく、いわば脇道からの参道だった。
まあ昔は勅使街道と呼ばれ、そっちがメインだったらしいので、まあいっか。
手水舎
かわいい巫女さんが居た案内所。
なんか案内されたい!
砂利で整備されていた参道。
ここから先は、いよいよ階段と岩の道がはじまる。
苔生した石の階段などもあり、雨なので滑らないように気を付けて歩かねばならない。
道の両脇にはうっそうとした森。
見ると、立ち並んでいる木がでかいのなんの。
クスノキやイチイガシだったが、どれも巨木で樹齢数百年はいってるだろう。
この宇佐神宮の森は天然記念物に指定されている。
力石。
かつて、神社で男たちが力自慢を競い合い、
その際に使用されたという重さの異なる大中小の石。
小でも90kgとか・・・持てるかよ!
昔の人、どんだけ力持ちなんだよ。
巨大なクスノキやイチイガシが群生している。
宇佐神宮の社叢(しゃそう)と呼ばれ、天然記念物に指定されている。
森を抜けると、階段の上にでかくて派手な門が見えてくる。
宇佐神宮 上宮本殿の入口、西大門(さいだいもん)だ。
大分県指定の有形文化財だ。
西大門をくぐると、ずらーっと神社の建物が続いている。
おみくじ売場から絵馬売場、破魔矢やお守りなんかも売られている。
本殿に行くまでの境内にたくさんの売場が並ぶ。
太宰府天満宮も、こんな作りだったな。
売り場といえば、たくさんの巫女さんがずらーっと!
壮観だ。
階段を上りきって、鳥居の奥に見えるのが西大門(さいだいもん)。
ここをくぐれば、いよいよ上宮本殿。
たくさんの売り場とたくさんの巫女さん。
破魔矢や熊手,お守りなどたくさん売られていた。
いよいよ本殿。
国宝に指定された荘厳な雰囲気の建物。
なぜかお参りする場所が三ヶ所あった。
宇佐神宮は一之御殿,二之御殿,三之御殿と三つの建物からできており、それぞれ祭神が異なる。
よく解らないので、一番空いている場所でお賽銭を投げ入れてお参りした。
よく見ると、賽銭箱を外れ、そこらじゅうに硬貨が落ちている。
この距離で外すんじゃねえよ。
本殿だと思っていたら、その手前の南中楼門(なんちゅうろうもん)という場所。
本殿はこの奥に一之御殿から三之御殿まで並んでいる。
一般の参拝者はここからのお参りとなり、本殿へは入れない。
じっくりと本殿を観察。
奥の方にはさらに社が立ち並んでいるのが見える。
複合構造というか、なんとも豪華で、さすが格式高い神社は違うのう・・・。
なんて思っていたら、帰宅して判ったのだが、
お参りしたのは本殿前にある、南中楼門という、ただの門だった!
奥の方に見えていたのが、国宝に指定されている宇佐神宮・上宮本殿だったのだ。
一般の参拝者は、前にある門越しでしかお参りできず、本殿のある場所には入れないのね。
宇佐神木。
樹齢約800年の巨大なクスノキ。
株元に賽銭箱が設けられ、幹を触れられるようになっている。
健康長寿のご利益があるとか。
本殿で参拝を終え、かわいい巫女さんから、
今年の干支、酉の置物と誕生月の花の根付きお守りを購入。
「よう御参りくださいました。」
そう言って商品を手渡してくれる巫女さん。
神社で買い物すると、「ありがとうございました。」じゃないのよね。
購入した酉の置物と誕生月の花のお守り。
12月生まれってカトレアになるのか・・・自分はどう見てもカトレアって感じじゃないんだけどな。
ちょっと欲しくなった、木製の酉マスコット、"木っころ"。
愛・地球博だったっけ、キッコロってキャラ居たよね。
神社で恒例の、"絵馬のぞき見”をやろうと思い、絵馬が吊るされた場所へ行くと、
どれもこれも裏返し(祈願書いてる側が裏だっけ?)でぶら下げられている!
さすがに絵馬に手を伸ばし、裏返してから読むわけにもいかず・・・。
巫女さんの視線も気になるし、警備員さんもたくさん配置されているので、
いらん行動はやめておこう・・・。
絵馬、ほとんどが図柄の面を表にして下げられていて、読めなかった。
ひょうたんのなかに願い事を書いた紙きれを入れる、ひょうたん絵馬。
「奉納してある瓢箪ですので持ち帰らないでください」の張り紙が。
これ持ち帰る人って、もらえるものだと勘違いしてんの?
だが、もっと面白い場所を発見。
購入した絵馬に、祈願を書きこむスペースなんだけど、ここの台や壁に無数の落書き。
よく見ると、願い事ばっか書かれている。
祈願を書くためのペンが置かれているのだが、
誰がやったのか、そのペンで びっしりと願い事が書かれている。
絵馬買わないでご利益あるかよ!
というか、フザけた願い事が多い。
いや、そういうヤツらは、ハナから落書きという確信犯。
逆に真面目な願い事書いている奴らは、
ここは、そういう場所なんだと、本気で勘違いしているとか?
ここで絵馬に願い事を書いてくださいって場所だと思うのだけど・・・。
この場にびっしりと、いろんな願い事が書かれていた・・・。
残念、お前ら一生童貞!
盛大に漢字間違えちゃってる時点でアウトーーー!
宇佐神宮には上宮本殿とは別に、下宮という場所もあり、
やたら「下宮にも御参りください」と書かれた看板が目に付いた。
宇佐神宮では、上宮を参拝したら、帰りには下宮も参拝するのが正式らしい。
上宮のみの参拝だと、"片参り"となり、参拝の意味をなさないとか。
せっかくなので、参道を逸れて下宮の方も参拝。
ここにも小さめの社で巫女さんが物品を販売中だったが、客がまったくおらず、
また参拝客も自分含め3人程度。
降りしきる雨のなか、ひとり寂しく座っている巫女さん。
ああ、こっちで買ってあげればよかった。
宇佐神宮 下宮。
上宮と同じく、こちらも一之御殿~三之御殿と三つの社が並んでいる。
そして、こちらもまた本殿は奥にあって一般参拝者は入れない。
表参道沿いの場所で、"海賊とよばれた男&永遠の0原画展"なるものが開催されていた。
あんまり興味ないし、入館料が要ったのでスルー。
というか原画って?
原作って漫画じゃなくて百田尚樹の小説じゃあなかったか?
帰りは表参道を通って大鳥居をくぐって宇佐神宮を出た。
来たときに通った西参道とは違い、こっちは観光客が次々と入ってきて大賑わい。
とうもろこし,焼鳥,焼きそば,フライドポテト,etc・・・。
露店も立ち並んでいて、朝飯を食べていない腹が鳴る。
ふと目に付いた、"梅ヶ枝餅"のお店。
"太宰府名物"とまで書かれている。
まさか梅ヶ枝餅を大分で食べられるとは!
思わず一個買って食べた。
寒い雨のなか、アツアツの梅ヶ枝餅が美味かった。
福岡県民だと、思わず足が止まってしまう。
宇佐に中津からあげの露店が!
宇佐と中津、からあげで争ってんだろ?
いいのか?
敷地内には、なぜか蒸気機関車なんかが展示されていた。
明治から昭和40年まで現役で走っていたという、26号蒸気機関車。
宇佐駅から宇佐神宮まで、宇佐参拝鉄道として参拝客を乗せて走っていたらしい。
線路の一部も残されていた。
この機関車も、県指定の有形文化財となっている。
かつて参拝客を乗せてこの地を走っていた蒸気機関車。
明治24年のドイツ製。
国道10号沿いに土産物屋が立ち並んでいた。
宇佐神宮に来たら、買わないといけないのが宇佐飴と宇佐餅!
参拝土産として古くから親しまれてきた、この二商品。
絶対買おうと決めていたのに、宇佐飴を買い忘れてしまうという大失態。
朝食がまだだったので、先に食事をして、後から買おうと思っていて忘れていた。
宇佐飴を買い忘れる。
食事はというと、土産物屋のなかで食道も兼ねている店があり、そこへ入った。
大分へ来たら、とり天は外せない!
宇佐に来たら、唐揚げは外せない!
そう思っていたのだけど、メニューを見ていたら目移りする・・・。
けっきょく、しいたけ丼と、とりかぼすそばを注文。
しいたけと かぼすも大分の特産品だ。
しいたけ丼と、とりかぼすそば。
しいたけ丼は美味しかったが、とりかぼすそばは微妙だった。
というか、これかぼす?
かぼすってこんなデカくなるんだっけ?
宇佐神宮、なかなか面白かった。
天気のいい日に、また来てみたいな。
全ての施設を周っていないし、本殿もじっくりと見られていない。
今度は夏場に来て、池のハスを楽しむのもいいかも。
土産物屋でみつけた線香。
大分特産のかぼすの香り。
"軍師官兵衛"とデカデカと書かれていたが、商品パッケージには"真田丸"。
さては三年前の大河ドラマのとき、中津がクローズアップされたときに売り出して、
放送終了し、パッケージだけ変えて売ってやがるな・・・。
で、店のポップはそのまんまと。
おみくじは・・・末吉でしたとさ。
4万社余りの八幡神社の総本宮です。
ここの拝礼作法は、二礼・四拍手・一礼です。普通は二礼・ニ拍手・一礼なのです。
この作法は、宇佐神宮と出雲大社と鹿島神宮だけです。
宇佐の大分県立歴史博物館でも、神仏混合の歴史を学んでまいりました。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/b11f33e208120d63cfb4eaf19512f4c0
ああ、他と同じ二礼二拍一礼でお参りしてしまいました・・・。
作法の異なる神社もあるのですね、知りませんでした。
宇佐神宮へもまた行ってみたいと思っていますし、
出雲大社へもいつか行ってみたいと思っていますので、
その際には間違えないようにお参りしたいと思います。