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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

2016-07-24 23:57:13 | 映画

※本記事、"TOO YOUNG TO DIE 若くして死ぬ"には、下品な内容が含まれています。

苦手な方は、お読みになる際、ご注意ください。

 

先日の休みに映画を観に行った。

長瀬智也神木隆之介 主演のコメディ、"TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ"だ。

オリジナルの脚本を手掛けたのは、ヒットメーカーの"クドカン”こと宮藤官九郎

監督も同氏が務める。

キャッチコピーは、"地獄へようこそ!!"。

 

 

昨年末だったか、強烈な予告編とポスターで、もう観に行くことを決めていた。

クドカン作品は、以前観た、宮崎あおい主演の映画、少年メリケンサックで笑わせてもらった。

今回も少年メリケンサックと同じく、音楽がテーマ(っぽい)のハードコメディ。

しかも舞台は、死後の世界で地獄ときたもんだ。

こんなムチャクチャな設定のクドカンワールド、面白いに決まってる!

 

ただ、期待すると同時に一縷の不安もあった。

彼の作品でも、"舞妓Haaaan!!!"と、"なくもんか"は、つまらなかった。

この二作品は脚本はクドカンだったが、監督は別人だった。

今回は、監督もクドカン本人だから、たぶん大丈夫なはず。

大きな期待のなか、ちょっとだけ不安も抱いて公開を待った。

公開日は2月6日だった。

 

 

年が明けて、番宣で長瀬智也と宮藤官九郎が、色んなバラエティ番組に出演していた。

紹介される映像にどんどん期待が膨らみ、公開日が待ち遠しくなる。

ところが・・・1月中旬に軽井沢で起きたスキーツアーのバス事故。

この事件に配慮して、この映画の公開が延期となってしまう。

映画の冒頭がバス事故だから仕方がない。

既に映画館に設置されていたポスターやチラシも撤去されてしまう。

 

月日は流れ、一向に入ってこない、新たな公開日の情報。

まさか・・・お蔵入りなんてことはないよね?

そう思っていた時、ようやっと新たな公開日が決定!

今回やっと鑑賞することができた。

いやあ、すごく焦らされてしまった・・・。

 

 

 

高校生の大助(神木隆之介)はクラスメートの手塚ひろみ(森川葵)にぞっこん。

待ちに待った修学旅行、バスでひろみちゃんの隣でドキドキの大助。

ところが・・・バスはガードレールを突き破り、崖からダイブ!

大助が目を覚ますと・・・そこは鬼が亡者達をいたぶる地獄だった。

 

 

自身が死んだことが解らない大助。

その場にいた、赤鬼のバンドマン、キラーK(長瀬智也)に、

ここは死後の世界のひとつ、地獄だと教えられる。

大助はたったさっき、バス事故で死んだのだと告げる。

納得いかない大助。

他のクラスメートは?

なぜ自分だけが地獄!?

まだキスもしてないのに!

まだ童貞なのに!!

ひろみちゃんの想いも聞いていないのに!!!

 

 

どうしても天国へ行って、そこに居るであろう、ひろみちゃんに会いたい!

そう願い、大助は地獄の農業高校でキラーKの特訓のもと奮起する。

キラーKの説明によると、なんでも地獄に落ちた亡者でも、

がんばり次第で転生して他の世界や現世に戻ることが可能だという。

毎週金曜日に行われる、えんま校長(古田新太)の輪廻転生の試験。

その裁きで、進路が決まる!

ただし・・・そのチャンスは7回まで。

7回失敗すると、鬼になってしまい、永久に地獄から抜け出せないという。

しかし、未だかつて地獄から天国へ行けた者はひとりも居ないとか・・・。

 

 

なりゆきでキラーKが顧問を務める、軽音楽部に入部しギターを練習する。

現世でも軽音楽部で、ギターをかじっていた大助。

そもそも、吹奏楽部に居たひろみちゃんの気を引くために始めた音楽。

そんなだから、腕前は"ヘタクソ”。

 

 

より上の転生を目指すなら、"ジゴロックフェス"なる秘密のフェスで、

演奏テクでえんま校長を唸らさなければならない。

キラーKが所属する地獄専属ロックバンド、"地獄図(ヘルズ)”の一員となり、

メンバーのCOZY(桐谷健太)、邪子(清野菜名)らに応援されながら、

文句を言いながらも、必死に頑張る大助。

ひろみちゃんに、もう一度会って、はっきりと想いを告げたい、

そして、ひろみちゃんの気持ちを聞きたい!

でもって・・・キスを・・・!!

ただただその願いを叶えるために、ハチャメチャな地獄と現世往来の物語がはじまる――。

 

 

すっごい面白かった。

もうくだらな過ぎて、くだらな過ぎて・・・。

劇場内で噴き出す声や、笑い声が絶えなかった。

テッドほどではないけれど、全編下品なので女性はちょっと引くかも。

ただ、その下品さが思春期の男子にとっては、いたって正常なものだったりもする。

それがその年代の視点で描かれていて、やけにリアルなんで、

クドカンってひとは、40半ばのおっさんになっても、

中学高校時代の少年の心を未だに持っているひとなんだなあと感心させられた。

 

 

地獄という、恐怖と絶望の世界を、あんなふうにコミカルに描かれてしまうと、

そこへ落ちるのも悪くないかな・・・なんて気にさせられてしまう。

三谷幸喜監督の、ステキな金縛りが公開されたとき、

それを見たひとの感想で、似たようなものをいくつか見たのだけど、

死後の世界というものが、あんなにも明るいのであれば、

家族や大切な人と死別したとしても、悲しむことはないのかもしれないな・・・なんて思ったりもする。

 

 

神木隆之介も長瀬智也もよかった。

二人とも男前なシーンと、三枚目なシーンがあり、そのギャップが面白い。

神木隆之介は器用な俳優さんになったなあと感心した。

ちょっとモテキの森山未來を思い出した。

あのキャラも強烈だったなあ。

長瀬はぶっ飛んだ鬼の役のみならず、現世パートでの地味な役もいい。

あのジャニーズのイケメンが、音楽の夢を諦めかけたパッとしないフリーターを演じているのが見物。

力んで屁もこく。

 

 

強烈だったのが、皆川猿時

普通の見た目も強烈なこの俳優さんが、なんと女子高生役。

中盤にいきなり登場したときには、度肝を抜かされた。

このキャラが、最後まで深くしつこく絡んでくる。

そうして大助の大切なものを奪ってしまう。

 

 

驚いたのが、宮沢りえ

一昨年、紙の月で日本アカデミーはじめ、

いくつものコンクールで主演女優賞を獲った大女優さんが、

こんなくだらない作品に、よく出演してくれたなと思う。

そんな大女優さんに、犬に抱きつかせ腰を振らせたクドカンはやっぱり凄い。

尾野真千子もこれまでの快活なイメージと、180°異なる役柄を怪演していて良かった。

パンツずり下ろしたまま逃げ惑うシーンには驚いた。

 

さらに驚いたのが、Char野村義男

ローリー寺西に、マーティ・フリードマンら、実際のミュージシャンら。

ミュージシャンとして大物の彼らが、鬼や亡者のメイク・衣装で登場する。

序盤でいきなり映った、Charとヨッちゃんのセッションシーンには、思わずニヤリとしてしまった。

観客の半数は中高校生の若い子たちだったけれど、知らないんだろうなあ。

 

 

そうそう、神木隆之介効果か、長瀬智也効果か、

中高校生の若い子たちが多くて、圧倒的に女子が多かった。

自分の前も両隣も女子中学生くらいのグループで、真後がなぜかシニア夫婦。

劇中、修学旅行での女子風呂盗撮シーンや、夜這い未遂のシーン、

中学生男子のエロ本片手に自慰行為のシーンなんかがリアルにあって、

自分くらいのおっさんだと笑えるのだけど、

さすがに年頃の女の子たちや、年配の方たちには厳しいものがあったかもしれない。

「どけどけ!がまん汁様のお通りだ!!」・・・も、女の子には理解できなかったろうな。

最後のスタッフロールで、キャストに中村獅童ってあったが、

どこで登場したっけ?ってなったが、まさか、がまん汁役だったとは・・・。

あんな一瞬で、しかも顔だけで、誰も中村獅童だって気付かねえよ!

 

 

そんなワケで、コメディ映画が好きなひとには必見の映画。

突っ込みどころも多いけれど、まあ細かいことを気にしちゃ負けの作品。

死後の世界、地獄のイメージが変わってしまう。

あと、テッド同様、付き合いの浅いカップルや、父娘や姉弟の組み合わせで鑑賞すると、

下品なシーンで気まずくなってしまう恐れがあるので、お勧めできない。

この暑さのなか、炎で暑(熱)苦しい地獄の光景を見せらて、

観終わったら、無性に冷たい濃厚なスムージーが飲みたくなる・・・はず。

 

 

 

 

auが各映画館と割引キャンペーンやっているのは知っていたが、

CMで浦島太郎を演じている桐谷健太も出演しているからか?

なんかauショップで、この映画だけさらなるキャンペーンもやっていた。

まあ自分はドコモなんで無縁なんですけどね。

 



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