AKB48の前田敦子 主演の映画、“もしドラ”。
正式なタイトルは、
“もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら”
長過ぎるので、以後、“もしドラ”と表記する。
前売券やパンフレットを買うときに、さすがにタイトル全部言えないので、
「もしドラの前売券を一枚・・・。」みたいに言って購入したが、なんとなく恥ずかしかった。
座席券も「もしドラ」と略される・・・。
何ヶ月か前から、映画館で予告編が流れていた。
なかなか面白そうだな~と思い、迷わず前売券を買っていた。
ところが、公開直前、主演の前田敦子が、AKBの人気投票みたいなので、
見事一位になり、メディアで注目されるようになった。
それでちょっと気が引けてしまい、観に行きたくなくなっていた・・・。
実のところ、AKB48をあまりよく知らない。
「エーケイビー」をほんの最近まで「アキバ」と読んでいた。
ようやっとメンバー4・5人の顔と名前が一致するようになった。
リリースしている曲も、テレビで聴いたことある程度で、ほとんど知らない。
そんなだったので、主演がどうとか気にしていなかった。
だが、その前田敦子を含め、最近異様なまでにメディアに取り上げられ、
同時にAKBの熱狂的なファンも目にする機会が増えた。
その熱狂ぶりたるや、あのモーニング娘のファンなど遙かに凌駕しており、
初めて見たとき、ドン引きした。
モーニング娘のファン層の多くが、大人の男性だったことは知っていたが、
AKB48のファン層も、そうだったとは思わなかった。
メンバーが制服のような衣裳を着ているし、なんとなくブリッ娘(死語?)っぽいし、
アダルトな雰囲気の曲も歌っていたモーニング娘に比べ、
AKBは子どもっぽい明るいイメージの曲のように思えるし、
(もしドラのエンディング曲はAKBで、「カチューシャ♪ カチューシャ♪」言ってて、なんやこの歌!?と思った・・・。)
てっきり、小~中学生くらいの女の子と、
高校生~二十歳前後くらいまでの、男子が支持層だと思っていた。
話を映画に戻して・・・。
映画自体は、けっこう面白かった。
こういう青春学園モノでは、今のところトップに立った。
(もしドラ>書道ガールズ>スゥイングガールズ>ウォーターボーイズ>おっぱいバレー)
AKBが全面に出る映画だと思っていたが、そういうわけではなく、
野球部の面々それぞれもきちんと描かれていて、ちゃんとスポ根している。
ただ、まったく期待はずれだったのが、「ドラッカー」関係あった?ってとこ。
一応、ドラッカーの「マネジメント」を参考にしながら、
企業の営業を、野球部の運営に当てはめ、適当にこじつけ解釈しながら、
堕落していた顧問と部員を奮い立たせ、周りにも影響を与えながら、
一致団結し、甲子園をめざすというストーリーだった。
部員達にそれなりの実績や素質があり、元々実力はあるが、
いろんなことがあって、結束なく練習もまじめにせず、やる気を失くしていたという野球部。
それを「マネジメント」で立て直すみたいな感じか。
なのでふざけたストーリーではなく、けっこうまじめなストーリー。
素人レベルの弱小野球部が、「マネジメント」を参考に、ぶっ飛んだ発想で練習したり、
試合をしたり、本当にあり得ないようなことをしながら、どんどん勝ち進んでいくという、
“少林少女”みたいなものかと思っていたが、実にまじめで普通だった・・・。
だけど、それが期待はずれで面白かった。
これが期待していたような内容だったら、間違いなくクソ映画だった・・・。
(少林少女のように・・・)
意見の対立、思いのすれ違い、仲間の・・・。
スポ根モノにありがちな内容をもれなく含み、物語は進んでいく。
だが試合の見せ方、テンポが異様に上手かったことと、
設定上あったらしいのだが、登場人物の恋愛感情などを明確に表現しなかったこと、
これらはすごく良かったと思った。
ヘタな恋愛劇を挟むと一気に中だるみして興ざめするから、これはすごく良かった。
俳優だが、主演で新マネージャー役の前田敦子、よく判らなかった・・・ヘタではなかった。
その親友で元マネージャー役の、川口春菜、
AKBじゃないけど個人的にはこっちの娘の方がカワイイと思った。
さらに、もうひとりのマネージャー役、AKBの峰岸みなみ、
女の子の中じゃこの娘が一番上手かったかな?
引きのシーンだけど、気を失うシーンは迫真の演技だと思った。
顔がシーズーに似てると思うのは自分だけだろうか・・・?
野球部員の面々も個性的だった。
自分はほとんど初めて観る俳優さんだったが、
それぞれ主演映画や、ドラマもあって、けっこう豪華な面々だったよう。
際立っていたのは、やっぱり池松壮亮。
キャッチャーで前田敦子&川口春菜の幼なじみという役。
童顔の子だが、だいぶ大人っぽくなってきた。
男たちのYAMATOや、UDON,夜のピクニックのときと比べ、ずいぶんたくましくなっていた。
あとは顧問役の大泉洋!
事なかれ主義の、頼りのないコーチだったが、前田らに触発され、
一変、陳腐化した高校野球の歴史を塗り替えてやらんと、熱血コーチになる。
その演技はさすが!
大泉洋の大ファンのRBさんには、ぜひ観ていただきたい。
今でこそ、おしゃべりタレントになっているが、この人こそ生粋の劇団員。
北海道以外のひとはあまり知らないかもしれないが。
それにしても、こういうの観ると、
自分の高校時代って何だったんだろう・・・と凄く悲しくなってしまう。
もっと青春すべきだった・・・。
部活もそっちのけで、ただひたすら公務員試験の勉強・・・・。
努力が実って競争率の高い難関を突破し、現役合格を果たしたけれど、
自分の抱いていたものと、あまりにかけ離れていた現実に失望し、
たった数年で自ら放棄してしまう・・・。
戻れないけど、戻りたい。
高校時代に。
そういえば青木さやか・・・ものすごく久しぶりに見た。
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