“ママノリア日記

ママノリアの独り言

風のじゅうたんⅨ

2006年12月16日 | アリノママノリアの日々
渦を巻いたブラックホール。
一歩ずつ近づくたびに震える心。

まるで憑依されたかのごとく、悲しみが募って。
僕は泣いていた。

いつの間にか泣いていた。

ブラックホールは、渦を巻いている。
強い強い風が吹いている。
吸い込まれそうな自分を必死でこらえて。


肩を叩かれた。

振り向くと・・・・・・


てんとう虫の老人。
てんとう虫の老人は、おもむろに語る。

「残骸じゃ。これはすべて、残骸じゃ。年をとるとな、捨てなきゃいかんものがあるらしい。」
僕は、老人から背を向けもう一度ブラックホールを覗いた。