私はお杉ともうします。歳は十六。生まれは長門の国、赤間関。
よろず小間物屋、京屋の娘です。
私が近所のお寺のお坊さんにひとめぼれしたというお話が歌になって、
日本のあちこちに広がっているそうです。
私が生きていたのは、三百年以上も前のことですから、
若い娘がお坊さんに恋するということなど、
とんでもないことだったわけで、
それだけに人の噂が噂をよんで、
おもしろおかしく、語りつがれ、歌いつがれたのでしょう。
しかも、今でも歌っている人がいるというではありませんか。
しかし、どなたが、歌にして、
どのようにしてあちこちに広がっていったのでしょう。
私がとりもつ縁で、たくさんの人が
ふれあいを深めていただければ私も本望でございます。
それでは、時空を超えて歌い継がれる
お杉のラブロマンスの世界へどうぞ。