あごなし地蔵の由縁を探っていると、ラフカディオ・ハーンにまでたどり着いた。
元々「あごなし」は「顎無し」ではなく
「阿古那地蔵」あるいは「阿古直し地蔵」であり、それぞれに物語が伝わるのだが、
どうも逆算的に後付けされた感がぬぐえない。
ラフカディオ・ハーンによる脚色あるいは創造であるというほうが説得力がある。
ハーンが隠岐に渡ってから、120年であることから、物語ができたのは明治中頃と推定する。
その後、顎の無いお地蔵さんを「あごなし地蔵」として祀られるようになるほどに
この歯痛に対する霊験が固定化されていくわけだが、歯痛というのは今も昔も
仏にもすがりたいほどの悩みの種なんだね。
よくわかります。