渡津海乃豊旗雲爾伊理比沙之今夜乃月夜清明己曽 萬葉集巻第一之十五
今 吾庵に月上りきたる 今宵 満月なり
天智天皇御製なるこの御歌 壮大にして清澄なる世界あらはしたる
第四句の清明己曽には諸訓ありて定まらず
予 賀茂真淵が訓によりて これを あきらけくこそ と記せるも
斎藤茂吉著「万葉秀歌 上巻」(岩波新書赤版R2 1938.11.20 第一刷発行)によれば
次のごとき諸訓のありぬ
1 あきらけくこそ
2 すみあかくこそ
3 きよくてりこそ
4 すみあかりこそ
5 さやけしとこそ
6 さやけくもこそ
7 まさやけくこそ
8 さやにてりこそ
9 きよくあかりこそ
10 まさやけみこそ
11 さやけかりこそ
12 きよらけくこそ
13 まさやかにこそ
萬葉の時代には 月明の形容 きよし さやし なりて
あかし あきらか あきらけし は使われぬとう説あり
では「きよ」なる哉 「さや」なる哉
予 月夜に「きよ(くよ)」あれば 「つきよきよ・・・」と重ねていふはどうかとおもふ
ここでは やはり「さや」ならんかとおぼゆる
5 6 8 11 を読むに
11の さやけかりこそ もよきなるとおもへど 「かり」の響き固きがわろし
まるで煎餅または阿紋度貯固礼登かじりたるときの音の如し
いずれも今ひとつの感深し
予 考へるに
さやわかにこそ 如何? 「わかに」が わかんに(わからない)?
なれば
さわやかにこそ これ如何?
おお これ なかなかよき訓なり と 自画自賛せる丹人なり
丹人が訓にて 今一度・・・
わたつみの豊旗雲に入日さしこよひの月夜さわやかにこそ 天智天皇
皆様の拍手 お待ち申上候・・・・・・
*画像:予が武露倶の友「山口ももり」媛の作品なり
転載に快諾を得たることに この場を借りて厚礼奉上也
コメント一覧
あかひと
山桜
あかひと
あかひと
幽黙
noa
あかひと
あかひと
酒徒善人
山口ももり
最新の画像もっと見る
最近の「歌」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事