ちいさい母のうた
年ごとに重みいよいよ増してゆくそのかみに母呟きしこと 丹人 としごとに おもみいよいよ...
天守閣
齢八十三を迎ふる老父いま安土城模型に取り組みてをり 丹人 よわいはちじゅう さんをむか...
鮟鱇鍋
磐城の海小名浜港に水上がる鮟鱇むまし吹の湯の夜 丹人 いわきのうみ おなはまこうに み...
暮里安
プリと切れムラむらとする日の過ぎておどけて咲けるポリアンの花 丹人 プリときれ ムラむ...
春大空
大犬のふぐり小さき花なれど春大空の色をうつしつ 丹人 オオイヌノ フグリちひさき はな...
南樓望 <一>
去國三巴遠國を去つて三巴遠し 翠崚書 盧僎(ロセン)の詩に南樓望(ナンロウノボウ)あり 五言絶句なれば一句を半紙一枚に書きてみたる...
南樓望<二>
登樓万里春樓に登れば万里春なり 翠崚書 盧僎(ロセン)の詩に南樓望(ナンロウノボウ)あり 五言絶句なれば一句を半紙一枚に書きてみ...
南樓望<三>
傷心江上客心を傷ましむ江上の客 翠崚書 盧僎(ロセン)の詩に南樓望(ナンロウノボウ)あり 五言絶句なれば一句を半紙一枚に書きてみ...
南樓望<四>
不是故郷人是れ故郷の人ならず 翠崚書 盧僎(ロセン)の詩に南樓望(ナンロウノボウ)あり 五言絶句なれば一句を半紙一枚に書きてみたる...
南樓望<五>
去國三巴遠 登楼万里春 傷心江上客 不是故郷人盧僎詩 南樓望 高 楼 わかれゆくひとををしむとこよひ...