動中静
はためける那珂の台地の日の丸に動中一点静あるを見る 丹人 はためける なかのだいちの ...
帽子
飛ばされし土手の帽子の真白くて主あらはるを待ちてゐるらん 丹人 とばされし どてのぼう...
玉川に
玉川に育ちゆく子等玉のごと身も心をも磨かんとこそ 丹人 たまがわに そだちゆくこら た...
薔薇
この校の子等にそそげるまなざしの温みを映すくれなゐの薔薇 丹人 このこうの こらにそそ...
鈴懸
高笹の山懐の小学に白妙の時刻む鈴懸 丹人 たかささの やまふところの しょうがくに し...
学舎
降る時の重みに堪へて黒沢の学舎に満つ懐かしさかな 丹人 ふるときの おもみにたへて く...
錆猫
わが庵を棲家としたる錆猫の車の下にしのぐ五月雨 丹人 わがいおを すみかとしたる さび...
城址
江畔寺の階を行き山門ゆ曇れる朝の城址を見る 丹人 こうはんじの きざはしをゆき さんも...
小灰蝶
緒川より大場を巡る日の朝の車に一羽蝶の舞ひ来る 丹人 おがわより おおばをめぐる ひの...
鹿柴
鹿柴 王維 空山不見人 但聞人語響 返景入深林 復照青苔上 空山人を見ず ただ...