あしおさん とうろくかつて むぢなうち いまりゅうめいの やくしどうかな
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魔臼乗せれば句の出でて
栗駆すごとに
長楽寺本堂前に
すすみゆきたり
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右肩の落つ階段をぢつと見る仁王の門にくれなひの匂ひほのかな本堂を仰げば鎮むわが心なり 丹人
みぎかたの おつかいだんを ぢつとみる におうのもんに くれなひの
にほひほのかな ほんだふを あおげばしづむ わがこころなり
本堂ゆ仁王の門を見返れば陽炎が中に坂崎磐音 丹人
ほんどうゆ におうのもんを みかえれば かげろうがなかに さきさかいわね
陽炎の辻の撮影にて
はじめて長楽寺を訪れてより
半年が過ぎぬ
撮影は深夜に行はれれば
照明に浮かび上がりし本堂の美しき姿の
瞼に焼き付きて離れず
いまいちど拝したきおもひを
抱ききたれり
一月二十五日のことなり
前日の淡雪の残れる吾国山の道祖神峠を越へて
足尾山東麓なる長楽寺へ向かへる
冬の白き日を浴びて
本堂の屋根瓦の瑠璃色に輝く
人一人としてをらず
千年の時の一日として在るがごとき尊さなり
*画像:2009. 1.29 10:30-11:00 長楽寺(石岡市龍明)にて