相聞<大小>
大いなる管理の下で私たち小さな自由を楽しんでいる 乃姫 大いなる乃姫の歌に我が胸は小さ...
秋雨<ミズヒキ>
みずひきの水をたたへて咲きにけり 奮太 木の枝にちひさき鳥のとまりゐて歌ふがごとき水...
秋の野<舞・語・唱>
ながむればちぢにもの思ふ秋の野にイヌタデの花くれなひの舞 丹人 この庭の枯れ茎草の間...
月待心<中秋>
あかあかと熟れいく柿のまろくして今宵の月を待つも楽しき 丹人 栗いがの眼(まなこ)開き...
花薄<ススキ>
小松寺ふもとの野辺の花薄(はなすすき)ほのかに揺るる秋の夕暮 丹人 名月を待ちて佇むス...
燃へる<運動会>
熱戦に見入る視線も熱くして炎と燃ゆる校庭の木々 丹人 走り終へてしやがみて待てる五歳...
拍手<白秋>
しろさとの丘の真白きサルスベリ風とたはむれ空にうたへる 丹人 白亜紀の黒き巌に寄する...
里の秋<稲架>
稲架(おだかけ)の横一線に並び立つ瑞穂の國のありがたきかな 丹人 刈りし穂をただ黙々と...
夕の光<磯崎漁港>
磯崎ゆ打ち出でて見れば赤き灯に横雲の空あをき夕暮 丹人 三日月の光すがしも磯崎の港に...
欅<葉のほの紅く>
春に藤が根元に芽出したるケヤキ 葉を秋の日にほの泳がせつ 丹人 折り目深き葉はほの紅...