春夜喜雨<一>
降る時をわきまへて降る春雨に濡れて夢みる庭の木々かな 丹人 ふるときを わきまへてふる...
春夜<四>
日の暮は寂しきものと震はせる小さい肩の白いブランコ 丹人 ひのくれは さびしきものと ...
銀色の風
北山の森にみどりの萌へ初めて小楢若葉に銀色の風 丹人 きたやまの もりにみどりの もへ...
春夜<三>
高殿を賑はす音の残り香に酔ひて歌など口づさむかな 丹人 たかどのを にぎはすおとの の...
春夜<二>
春月の陰たほやかに花が香の闇を透かせて流れゆくかな 丹人 しゅんげつの かげたほやかに...
桜川沿ひ
やや早く目覚むる朝は川沿ひの道を選びて歩みゆくかな 丹人 ややはやく めざむるあさは ...
春夜<一>
春の夜の夢の醒めれば脱ぎ捨てし時をおもへり千金の刻 丹人 はるのよの ゆめのさめれば ...
かたくりの里
もののふの八十をとめらとをのこらがシャッターを切る堅香子の花 丹人 もののふの やそを...
落花落日
駐車場の車の屋根に落つ花は映れる空を舞ひつづけたり 丹人 ちゅうしゃばの くるまのやね...
江南春<六>
鳥 緑 紅 風 寺 雨 江南春 杜牧 千里鶯啼緑映紅 水村山郭酒旗風 南朝四百八十...