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どうする?放射性廃棄物  (1)  ~高レベル廃棄物と使用済み核燃料の処分~

2014年07月20日 | 原発ってなに?
 

昨年の3回目のシンポジウムでは放射性廃棄物の現況やこれまで検討されてきた処分の方法やまだ結論がでていない高レベル放射性廃棄物の処分方法などを、お話させていただきました。

放射性廃棄物(2013年度第3回原発シンポジウム)   http://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/4ea3a25a2e3131c90fe29e5a775e0d05

 

今回は、もっと具体的に、これから取り組んでいかなければならない放射性廃棄物の処分のお話をさせていただきます。

 

放射性廃棄物は、いくつかの種類に分けられていますが、その中でも最も危険度が高い、高レベル放射性廃棄物と使用済み核燃料の処分について考えていきたいと思います。

 

今日、最初にお話させていただいた、再処理工場が稼動しますと、プルトニウムを取り出す際に、高レベル放射性廃棄物が発生することになります。もし、稼動を阻止できたとしても、使用済み核燃料の処分を考えなければなりません。これは、原発即ゼロを実現できたとしても、日本全体で取り組んでいかなければならない問題です。

 

政府や電力会社は、高レベル放射性廃棄物の処分を、地層処分にするとして、2000年に原子力発電環境整備機構(NUMO)を設立し、2002年から建設地の公募を始めましたが、実現せず、今後は国が候補地選びを主導するとしています。しかし、国が候補地を指定したとしても、地元の同意は不可欠です。国がたとえ安全を保障したとしても、そんなことは信用できるはずがありません。また、交付金をばらまいて、地元の理解を得ようとするのでしょうか。

 

使用済み核燃料は、プルトニウムを含んでいるため、プルトニウムを取り出したあとの絞りかすともいえる、高レベル放射性廃棄物よりさらに放射性レベルが高く、安全なレベルまでになるまで、高レベル廃棄物は10万年、使用済み核燃料は100万年かかるといわれています。

 

となると、再処理したほうがいいような感じがします。政府も再処理したほうが、放射性廃棄物を減容化できるとしていますが、これにはまやかしがあります。確かに高レベル廃棄物は、使用済み核燃料より量は減り、プルトニウムを取り出した後なので、放射性レベルも下がりますが、取り出されたプルトニウムは、さらに危険なMOX燃料を作る原料となるわけで、このMOX燃料を使用すると、使用済み核燃料より、放射性物質の寿命が長く、2倍の熱を発する、さらに処分がやっかいな使用済みMOX燃料を生み出します。そして、製造過程では、150倍もの容量の低レベル放射性廃棄物を生み出します。

 

高レベル放射性廃棄物で検討されている地層処分は、さらに危険な使用済み核燃料では、実現不可能でしょう。もんじゅの延命措置として持ち出された放射性廃棄物の減容化もさきほどお話しましたように、実用化の目処がたっていません。

 

つまり、現在の技術では、使用済み核燃料を安全に処分できる方法はないと言えます。

 

2014年7月19日  「脱原発四日市市民の集い」2014年度第3回原発シンポジウム  園田淳


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