大島堅一・立命館大学教授が、電力各社が公表している有価証券報告書総覧をもとに算定した、電源別の発電単価(kwhあたり)によると、以下のようになります。
原子力 火力 一般水力 揚水 原子力+揚水
7.3円 8.9円 3.5円 41.8円 8.4円
揚水発電は、原発の建設と共に作られてきており、夜間に余る電力で水を高所にあげ、電力が不足する日中に水を落下させて発電するため、原子力とあわせて発電コストを考えるのが適切だということです。
上記の発電単価に、各電源の技術開発や立地対策に充てられてきた費用をプラスすると、
原子力 火力 一般水力 揚水 原子力+揚水
8.9円 9.0円 3.6円 42.8円 10.1円
となります。さらに、原子力発電は稼働率80%で計算されており、福島第一原発事故前の2010年の稼働率55%で計算すると、原子力+揚水の発電単価は12.2円。現在の稼働率2.9%で計算すると、278円になります。これは、高コストとされている太陽光発電の40円と比べてもはるかに高コストで、たとえこれから安全性が確保されたとして再稼動が進んだとしても、廃炉費用積立金の不足や放射性廃棄物の管理・処分、使用済み核燃料の中間貯蔵や核燃サイクルに関する費用(大島教授によると、18.8兆円)など、また福島第一原発事故の収束や補償についても、これからいったいいくらかかるのかが不透明です。原子力発電のコストは決して安くはありません。
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