新型コロナウィルス感染が拡がり始めて早1年。
おさまるどころか、新規感染者数は増え続け、現在は第三波の真っただ中にいます。
相手は目に見えない未知のウィルスです。
ウィルスは環境に応じて容易に変異もしたりするので非常にやっかい。
ですが、日夜専門家が研究・調査を行ってくれていますので、1年前に比べればわかってきたことも多いです。
研究によれば、新型コロナウィルスは、感染者の鼻腔ぬぐい液よりも、だ液のほうに10倍も多く含まれているそうです(※1)。
このことから、このウィルスを「新型だ液コロナウィルス」と呼んで、注意喚起してもいいのではないかという専門家もいます。
分離可能なウィルス量(感染成立のために必要なウィルス量)は新型コロナの場合は1万~100万個/mlくらい(※1、2)。
そのいっぽうで、インフルエンザウィルスは千個/ml、ノロウィルスにいたっては100個/mlだといいますから、新型コロナはインフルエンザやノロウィルスに比べればずっと感染しにくいウィルスであるはずです。
ところが、新型コロナでは感染者の飛沫中、とくにだ液に含まれるウィルス量がとても多く(700万)(※1)、くわえて、ウィルス量は症状が出る2日前から発症初期にピークがあるため、このように世界中に感染が拡がってしまったのですね。
体に入るウィルス量が多いほど重症化しやすいことも実験で確かめられています(※3)。
やはり、みんなが普段からマスクをきちんとして、人との距離を保ち、密閉空間では換気をするという基本的なことがいかに大切かがわかりますね。
-------------------------------------------------------------------------
※1)Nature, 2020 May;581(7809):465-469
※2)J.Clin Microbiol.2020 July 23;58(8):e01068-20
※3)Clin Infect Dis. May30; ciaa644