きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

タバコ規制枠組み条約とスポンサーシップ

2019年03月26日 | 広告
禁煙の仕事をするようになって、院外で人と会うことが多くなり、名刺を持つようになりました。

大学の教授先生や大病院の院長先生などは例外ですが、医者という職業人は名刺を持っていないという人はめずらしくありません。


初めてネット上の名刺会社で自分の名刺を作ってから、以来ずっと、デザインも10年以上変えないまま、追加注文しています。

可愛いデザインなので、既知の友人にも所望されることがあります(笑)


あるときラジオで、障がい者が描いた絵をデザインに取り込んで名刺を作っている会社があると知って、検索してサイトをのぞいたことがありました。

積極的支援でなくとも、フェアトレードみたいな形で自然に支援ができるならいいなと思い、いったん注文をしましたが、思い直して、作成・支払い前に注文をキャンセルしました。


サイトをよーくみてみたら、その団体を支援する数ある名の知られたスポンサー企業の中に、JTが名を連ねていたからです。



日本も批准しているWHOのタバコ規制枠組み条約(FCTC)というのがあるのをご存知でしょうか?

この条約のなかには、タバコ会社によるスポンサーシップの禁止がしっかりと組み込まれています。(※)


たとえば、自治体運営のなんとか大会とか、ましてや権威ある国体などで、JTがスポンサーになることはもちろんのこと、灰皿の提供を受けたりしたら、それは立派な条約違反にあたります。

大会運営の担当者の方々には絶対知っておいてほしい事項です。


また、タバコ会社から資金提供を受けている会社の商品を買ったり、サービスを受けるということは、タバコ会社の宣伝に加担することになります。

そんな理由で注文をキャンセルしたという次第です。

反旗を振りかざしながらの戦闘的反タバコ運動は、そういうのが好きで得意な人に任せたいですが、こういう静かな反タバコ行動もあるのです。

キャンセルの理由は訊かれませんでしたが、せっかくなら伝えればよかったとちょっと後悔。

あ、でも、自分の個人情報は名刺を見れば明らかなので、ひょっとしたらわざとやったと思われたかも・・・(笑)


FCTCについては、一般の方々はあまりご存知ないようなので、内容についてしっかりと広めていかなければいけないと思っています。

わが国は批准(国家による最終的確認と確定的同意)しているにも関わらず、条約に定められている内容に沿った国内での対策が遅々として進んでいないことに、私たちは疑問を投げかけ、異議を唱えるべきでしょう。



(※)たばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約/外務省

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/who/fctc.html
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