きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

なから、いい。

2018年06月07日 | 禁煙治療
(初回投稿を一部改変しています)



「なから、いいね。案外だいじょうぶだわ」

病棟ですれ違った患者さんに声をかけられました。


「なから」とは、「とても」とか、「想像以上に」といった意味ですね。


声をかけてくださったのは、禁煙外来にいらした患者さんです。


「A先生がさ、頼むから禁煙してくれって頭下げるもんだからさ(笑)」

えっ?! A先生が頭を下げて患者さんに禁煙を懇願した?

ちょっと想像できませんでした。

でも、当の患者さんは、なんだかとても嬉しそうです。
そんな彼女の様子を見ていたら、私もつられて嬉しくなりました。

「あらまっ! そうでしたかー。来てくださって嬉しいですう(笑)」


ニコチンのシールを貼って、禁煙治療はうまくいっています。
今度はいよいよ、がんの手術のために入院されたのでした。
でも、とても晴々としたお顔をしていらっしゃっいます。

実は、タバコを吸っている患者さんたちというのは、目の前のお医者さんや看護師さんたちが、禁煙を勧めてくれるのを待っています。
常々、「キッカケさえあれば禁煙したい」と思っている人は多く、誰かが背中を押してくれたらなあと思っているのです。

ただ、家族の場合はたいてい、奈落のそこに突き落とすかのような押し方になってしまうので、それがちょっと難しいところです(笑)

ですが、医療のプロである私達は、背中を押す最たる適任者でしょう!

この患者さんにとって、A先生の「意外な言動」が、心を動かしたのだと思います。
実は、この「意外な」というところに、今回の魔法が効いた理由が隠されています。
このことについては、また別の機会に・・・・












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